『殉愛』騒動を語ってみる

 百田尚樹『殉愛』の真実、という本を読みました。百田さんが書いた『殉愛』ではなく、その検証本の方ね(ややこしいな)(;´▽`A“

 実はこの話、金スマに百田さんが出たときからずっと気になっていたのです。

 金スマ見たときに、「誰も知らない驚きの真実」みたいなことを謳ってたから、金スマ内でどんな衝撃の事実が出てくるかと思ったら、そのときは結局、

 1.さくらさん(たかじんさんが死の2か月前に入籍した方)は、財産目当てではないよ。たかじんの元に舞い降りた天使。天使のおかげで、たかじんは初めて真実の愛を知って、幸せに旅立ったのです。その看病はとても人には真似できない、献身的なものでした。

 2.財産目当てじゃない証拠に、さくらさんは遺産のほぼすべて?(正確な表現は忘れましたが、要はそんな感じで)を受け取っていません。

 という、主に2点を強調した再現ドラマでした。

 それで、衝撃の真実ってこれ? う~ん、それは言い過ぎじゃないかと、かなりの違和感を覚えたのでした(^-^;

 看病がすごいといっても、お子さんや高齢者抱えた上での奮闘ではないし、経済的な負担もないし、身内が病院に重病で入院していたら、誰でもそれなりにがんばるよなあ、と思ったので。それに、病院に入院していたら、自分がすべてみるわけではないですしね。大変なのはわかるけど、それを「天使」とまで強調するのがちょっと…。この再現ドラマに、さくらさんが許可を出してしまう気持ちがわからなくて。自分をこんなにも褒め称えるドラマって、やりすぎで嫌じゃないのかなあ、と。
 でも、出演した百田さんが涙目になってたんです( ̄○ ̄;)!

 びっくりしてしまいました。これ、そんなに泣くところかなあと。さくらさんを天使、とまで言い切っていたから。

 そして、遺産をほとんど受け取ってない、的なことを言っていたのもなんとなく違和感があって。正確な文言を覚えてないのですが。どういうテロップがでたのか。

 でもそのとき思ったのが、「遺産目当て」という批判をかわしたいなら、全部放棄すればいいのに、と。生活力のない人ならともかく、海外でネイルサロンを経営していたほどの女性なら、「一切いただきません。一緒に過ごした時間だけで十分です」とか、言ってもよさそうなのに。その瞬間、すべての疑惑を完璧にはらすことができるんじゃないかと。

 そして、金スマを見た後、なんとなくすっきりしない気持ちでいたのですが。この話は驚くほど、マスコミが沈黙してるんですね。週刊誌が一番興味を示しそうなのに。でもネットではいろいろ書かれていて、一番びっくりしたのが、実はさくらさんはたかじんと知り合ったとき、イタリア人と結婚していたという事実で。

 嘘じゃ~ん、と思いました。話が全然違ってくる(;´▽`A“
 金スマの再現ドラマでは、そんなこと一言も言ってない。いえ、別に結婚してるから悪いわけじゃなく、嘘をつくのがよくわからない。

 結婚していて、それでも運命の人に出会ってしまった。離婚してでも、たとえ短い時間でも、この人と添い遂げたいと思った、とかならまだ、わかるのですが。そういうの全部隠して、物語を純な乙女と、年の離れたプレーボーイの出会い、みたいにするのは無理がある…。

 その後出版された、百田さんの『殉愛』は読んでいません。その代わり、その検証本である、「百田尚樹『殉愛』の真実」を読みました。著者は、角岡伸彦さん、西岡研介さん、屋敷渡さん、そして宝島「殉愛騒動」取材班、です。

 この検証本を読んで、思いました。金スマ、いい加減だなあ。話が全然違ってるし\(*`∧´)/

 検証本にこそ、驚くような事実がたくさん書かれていました。

 でも一番気の毒だったのは、たかじんさんの娘さんのことです。『殉愛』で、ひどい書かれ方をしていたようですが、なによりも、たかじんさんが亡くなる前に会えなかったのが一番、つらかっただろうなあと。

 実の親子ですから。もし命が残りわずかなら、たかじんさんには娘さんに話したかったことがあるだろうし、娘さんだって、言いたかったことがあると思うのです。それなのに、連絡がつかなかった。何も知らされないまま、突然に親が死んだという連絡が入るなんて。

 私はなにより、そのことが一番ひどい話だと思いました。

 入籍して、それまでの家族関係、友人関係をすべて切ってしまうというのも乱暴な話だと思います。64年間の人生の最後の2年だけが真実だなんて、そんなことはないだろうと。
 最後の2年の前には、ちゃんと62年間の軌跡があるはずです。ある日突然、出現したわけじゃない。生まれて、成長して、年をとって。
 いろんな人と出会って、別れて。その過程を、最後の2年で全部否定するのは、傲慢だと思いました。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。