あと何度、桜を見るのだろう

桜は恥ずかしがり屋の花だと、どこかの本で読んだ。そう言われてみると、確かに、うつむいて少し体を傾け、必死にこちらの視線を外しているようにもみえる。まるでどんな賞賛の声も、聞こえないように、見えないようにと。

そして、桜はまた、ネガティブな気を持った花らしい。確かに、陰と陽で言えば陰なんだろうな。

明るい陽射しの下で見る満開の桜は素晴らしい。あまり人が来ない場所でみる桜は、ひときわのびのびと、素直な姿で寛いでいるように見える。人目に触れないから、リラックスしているのかな。今年はまた、素敵な場所をみつけてしまった。

人がほとんど来ない。静かな場所。そこに座って、ぼんやりと桜を眺めていた。ときどき、風が吹くと花弁が舞った。

思い出すのは、もう何年も前の、新宿御苑の光景だ。私はその近くの英会話学校に通い、帰りは新宿御苑で、習ったフレーズをぶつぶつと呟いて、復習に勤しんでいた。

桜が咲き始めるとそわそわして、一度は見ないと落ち着かない。2017年、今年も無事に、花見をすることができてよかった。

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