真夜中の非通知電話の主

先日、久しぶりに会う友人と、とあるレストランへ出かけた。お店を決めたのは私だったのだが、実はそこのオーナーシェフに会ってみたい、というのが理由だったりした(^^; 料理目当て、とかではなく、単純に見たかったんだよね、その人を。

その人は、昔私が短期のバイトをしたお店の社員さんで。その後、独立して自分のお店を持ったのだ。とても素敵な人で、私にとっては憧れの人で、尊敬してて。

その後もずっと、何かと思い出すくらい、私の中でインパクトを残した人だった。最初は行方を知らなかったけど、たまたまネットでお店のHPを見て、驚愕した。その人の写真があった。それからずっと行ってみたいな~と思っていて。ただ、実際に行く勇気がなかなか持てなかった。

友人との会話も楽しかったけど、お店で私はずっと、どこかで緊張していた。本当にあの人なのかなあという不安のような、期待のような。

ちなみに予約を入れずに行ったため、最初にお店に入ったときには満席で、店員さんに名前と電話番号を聞かれた。席が空いたら、電話してくれるという。一瞬迷ったけど、私の名前と電話番号を告げた。

まあ別に、私の名前を告げたところで店員さんとシェフは別人だし、シェフが私の名前を知ることはないんだけど。知ったところで、もう20年以上前のことを覚えているはずもないんだけど。もうその時点で冷や汗をかいてた。

どうしよう、もし覚えてたらなんだか恥ずかしいなあ。繁忙期の手伝いだったから、実質2週間くらいなのかな。一緒に働いたのは。考えてみれば、それだけの人を覚えてるわけないか。もし名前見たところで、なにも思い出したりはしないだろうなあ。

そして、40分くらい近くをぶらついていたら電話があって、私と友人はお店に戻り、おしゃべりをしつつランチを堪能。料理はさすがの美味しさでした。感慨深かったなあ。これがあの人の作った味なんだなあって。

お会計のときには、ちょうどシェフがレジのところに来て、ニコニコしながら私たちを送ってくださるというハプニングが! 顔見られるのが恥ずかしくて、ドキドキしました。あまり目も合わせられず。

まさか覚えてるわけないもんなあ。そんなはずないもんなあ。と思いつつ、帰りました。別に声をかけられることもなかったです。

そしてその日は何事もなく終わり…と思ったら、真夜中に謎の着信が。

スマホを見つめたまま、しばらく固まりました。非通知。このタイミングで真夜中の非通知って、もしかして?

瞬間的に、その人からかと思ってしまいました(^^; そんなわけないのになあ。いくら懐かしくても。こんな真夜中に電話を、しかも非通知でかけてくるような人じゃない。まあそれ以前に、私を覚えてるはずなんてない。

もちろん、私はそんな不審な電話に出るはずもありません。じっとスマホを見てました。電話は、ワンギリではなかったです。長いこと、というほどでもないけれど、明らかな意志を持って、一定時間鳴っていました。そして、ふっと鳴りやんで。静寂。

今でも考えてしまう。ただのいたずらなのか、間違い電話か。でも、今までそんな真夜中の非通知の電話なんてかかってきたことなかったし。その後も、2度とそんなことはなかったし。食べに行ったその日のタイミングでこれって。偶然というにはあまりにドンピシャすぎる。

ちょっとだけ。もしかしたらその人なのかなあ、と思ってみたりもするのです。でも夜中の迷惑電話、するような人じゃないしなあ。もう1回食べに行ってみようかな。今度はちゃんと目を合わせるから、そしたら、その人が私を覚えているかどうかわかるかな。

年内に、もう一度行ってみようと思います。

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