亜弓さんの試練が、別のものだったなら

 今月号の別冊花とゆめは買いません。

 だって、亜弓さんとハミルさんがメインで、マスマヤ話は出てこないみたいだから(^^;
 私は、速水さんとマヤのその後の展開が見たくて続きを楽しみにしているのだ。到底、買う気になれない。

 亜弓さんに関しては、コミックスになったときに読めれば十分、とか思ってしまう。ほとんど興味がない。
 亜弓さんの苦悩って、傍から見ていると浅く思えてしまうんだよなあ。

 共感も同情もできない。生ぬるい感情。

 むしろ、亜弓さんの試練は目より、生家の没落だったほうが、ドラマチックで説得力があったかもしれないと思う。

 親の七光りから抜け出したい彼女が、すべてを失って初めて、親のありがたさに気付く、とか。

 以下、ちょっとだけ想像してみました。
 あくまで個人的な想像なので、不快に思われる方もいるかもしれません。そうしたパロディでも大丈夫な方だけ、以下をお読みください(^^;

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 姫川監督が、私財を投じて作った大作が興行的に大失敗。多額の借金を抱えて姫川邸には債権者が押し寄せる。

 仲のよかった夫妻の大喧嘩。亜弓さんの前で繰り広げられる口汚い罵りあい。

 やめて、と駆け寄った亜弓さんを突き飛ばす、優しかったはずのパパ。現実から逃れるように、共演者との不倫にのめりこんでいくママ。

 今まで当たり前だと思ってきた幸せの価値を、初めて知る亜弓さん、とか。

☆わたしが今まで信じてきたものはなんだったの?
☆いらないと思ってた。パパの愛も、ママの愛も。そこから逃げ出したくてたまらなかった、姫川の名が、今はこんなにも懐かしくて、温かい。
☆今初めて、マヤ、あの子の気持ちがわかった。あの子はずっと一人で戦ってきたのね。親の名前も、味方もなく、たった一人で。

 姫川家のスキャンダルは、芸能マスコミの格好の餌食となり。今まで亜弓さんをもてはやしていた大勢のとりまきは、さっと波の引くように姿を消し。

 ひとりぼっちになった亜弓さん。
 姫川監督は債権者の激しい督促に耐えかねて、失踪。姫川歌子は親子ほど年の離れた、若手俳優との恋にのめりこみ。
 姫川家は崩壊。

 住み慣れた姫川邸を、明日には出ていくことになり、真夜中にたった一人。家具すべてを売り払い、がらんとした邸内。月の光の射しこむ窓辺で、過去を振り返る亜弓さん、とか。

 そこに登場するハミルさん・・・。

☆アユミ。ワタシはここにいます
☆ハミルさん。もういらっしゃらないと思っていましたわ。
☆写真を撮っても、イイデスカ。
☆今の、わたしを?
☆アユミは、カワリマセン。ワタシのカメラに映るアユミは、なにひとつカワラナイ。
☆ハミルさん・・・

 そして、彼女はハミルさんのもってきたサンドイッチを食べるのだ。最初はおずおずと、そして最後にはすごい勢いで。

☆みっともないところをお見せしてしまったわ。
☆どんなアユミも、うつくしいデス。
☆もう何日も、ろくに食べていなかったの。食べるものがないだなんて、笑っちゃうわよね。
☆アユミ。
☆マヤ。あの子も、こんな思いをしたことがあったのかしら。ご両親がいない、誰も助けてくれる人がいない天涯孤独の身で。あの子は演劇をやり続けてきたのね。こんなことになって初めて、わたしはあの子に近付けた気がする・・・。

 

 亜弓さんが白目で、そう呟くのだ。

 うーん、想像できてしまう。
 それでね。きっと亜弓さん、疲労と精神的ストレスで頬もこけて顔色悪くて、凄愴な表情しているんだけど、きっと綺麗なんだよね。ハミルさんにとっては、女神さまみたいに映るんだ。

 身惚れちゃうの。もう、魂抜かれたみたいに、ぼーっと見ているだろうね。バックは宇宙だったりして。

☆そのとき、わたしとアユミは、世界に二人しか存在しなかった・・・。
☆二人を阻むものはなにもなく。二人は同じ空間に、ただそこに存在していたのだ。
☆わたしの前には本物の、紅天女がいた。

☆月の光を浴びた、わたしだけの紅天女・・・。

 なんて、ハミルさんのモノローグが入ったり。

 以上、勝手に想像したパロディでした。

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 こういう経験して、紅天女に挑むのなら。きっと亜弓さんを応援したくなるだろうと思う。
 全部。今まで忌み嫌っていた七光り。そのすべてを失くして初めて、自分がどれだけ守られていたか、気付いたり。

 その上で、なにも持たずに、自分ひとりだけで挑戦しようと、前進しはじめたなら。

 うん。亜弓さんの紅天女、見てみたいって思う。
 どんな風に演じるんだろうって。きっと、すごいものになるような気がする。

「亜弓さんの試練が、別のものだったなら」への2件のフィードバック

  1. こんにちわ(#^^#)
    今月号の「花とゆめ」買わなかったんですね。今月号は、亜弓さんとハミルさんの話で、まったく共感できなかった。目が見えないなりに必死に努力する亜弓さんには失礼ですが。
     最後、マヤちゃんと麗さんがアパートにいて、麗さんがマヤちゃんに「亜弓さんと握手するの断られたんだって」と言います。マヤちゃんが「戦う相手とは握手できないって」と答え、マヤちゃんは「あたし、亜弓さんと戦ってたんだ」と気づき、麗さんは「それだけ真剣なんだな。亜弓さんに勝てる勝算はあるの?」と聞きます。マヤちゃんはそれより、アパートの窓から月を見ていて、麗さんはもう一度「亜弓さんに勝てる勝算はあるの?」と聞きます。マヤちゃんは月を見ながら「麗、月の光がとてもきれい」「麗、月の光がとてもきれい」と言います。麗さんは、そんなマヤちゃんを見ながら[紅天女…]と思うところで終わりました。{手元に「花とゆめ」がないので違っていたら、ゴメンなさい}
     これじゃあ、どんなに亜弓さんが努力しても、マヤちゃんには勝てない。亜弓さん、かわいそうにって思いました。確かに、亜弓さんはきれいなので、紅天女の美しさは表現できても、内面の心の美しさは表現できないと思います。マヤちゃんは、純粋に「月の光がとてもきれい」と喜んでいる。その純粋さには勝てませんね。速水さんも、マヤちゃんの純粋さを好きになったのだから。
     
     
     

  2. そらさん、こんばんは(◎´∀`)ノ
    >これじゃあ、どんなに亜弓さんが努力しても、マヤちゃんには勝てない。
    心の底から同意です。マヤちゃんの場合、戦う、とは思ってないところがすでに、亜弓さんと別次元にいると思います。
    別次元すぎて、審査員の受けは、もしかして亜弓さんのほうになってしまう可能性も、ないことはないですけど(^-^;
    点数のつかない勝負って、勝ち負けの判定、難しいですね。最後は好みの問題でしょうか。
    私だったら、マヤと亜弓さんのWキャスト、どちらかチケット一枚しか選べない場合、迷わずマヤちゃんの方を希望しますね。
    その際、できれば一真役は、大都の社長に特別出演してもらいたいです(*^m^)

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