ドラマ『もう一度君に、プロポーズ』第3話 感想

 ドラマ『もう一度君に、プロポーズ』第3話を見ました。以下、感想を書いていますがネタばれしていますので、未見の方はご注意ください。

 う~む。今週も見てしまったこのドラマ。物語の設定、脚本には変なところが多々あるのだけれど、今週も見てしまったのは、主演が竹野内豊さんだからです。

 これはあれですね、竹野内さんのPVだと思って見ると、大変楽しいドラマだと思います。もしも竹野内さんが芸能人ではなかったら、という「もしもの世界」に生きる姿を、いろんな角度から見られるということで。

 そうか~。こんなふうに笑うんだな、とか。冗談とか、こういう顔で言ったりするんだ、へええ~とか。
 いろんなシチュエーションでの細かな表情を、アップで見られるのはドラマのよさですね。日常では、人の顔をあんなにまじまじと、いろんな角度からたくさん見られることってなかなかないし。

 

 今週も、先週と同じく。竹野内さん演じる波留(ハル)に対し、記憶を失くした妻の可南子(カナコ)は、失礼と思えるほどに冷淡でした。

 波留いい人すぎる~。それに対して可南子はなぜあそこまで彼を拒む? 二人には、画面に描かれないなにか、壮絶な過去があったのか?と、疑いたくなってしまうほどの奇妙な関係。

 いくら記憶をなくしたとはいえ、「夫である」と理解はしている存在に対し、ああいう態度をとれる可南子に対しては、記憶うんぬん抜きにして、ずばり、「性格あんまりよくないよね・・・・」と思ってしまいました。

 そもそも、そこまで生理的に無理な相手だったら、よく結婚までたどりつけたなあと、そのことが不思議です。波留、どんな魔法を使ったというのか。あんなに警戒心が強く、自分を嫌っている可南子と結婚? イヤー無理でしょ。普通に考えて。

 一応今は、「夫だった」と理解はしているからこそ、接し方は優しくしている方だと思うんですよ。可南子の中の、自分比では、たぶん。
 傍からみたら冷淡に見える態度だって、可南子にとっては、精一杯の優しさをみせた結果、なのかもしれない。

 でも、だとしたら。普通に。なんにも知らない同士で出会った彼らは、一体どんな経緯で結婚したんだろう。不思議だ~。
 すごくドラマチックな運命のなにか、みたいなものがあったのか? でも思いつかないなあ。たとえば偶然に、何度も出会うとかいうことがあっても、可南子の場合、「つきまとわないでください!! 迷惑です」とか叫んで逃げそうだし(^-^;

 今週、一番よかった場面は、可南子が夜、急に波留を訪ねてくるところです。このときの波留の表情がよかった~。

>(可南子)ちょっと・・いいですか?
>(波留)うん

 目は口ほどにものを言う、ということわざを、このことだったのか~、と、しみじみ思いました。心情を表すセリフはなくても、目に言葉が浮かんでいた。

 本当だったら、「なんで急に家に来た? もしかして記憶が戻った?」なんて、期待が先にくる場面だと思うんですけど。
 そのときの波留の目に浮かんだ表情って、私には、「心配」にしか見えなかったんですよ。

 可南子の髪が、雨に濡れてたから・・・って。ここまで書いてちょっと不安になったのですが、あれ、私の見間違いじゃないよね? 雨に、濡れてましたよね(^^;

 波留、とっさに心配したんだと思うんですよね。可南子の台詞、「ちょっと・・いいですか?」は十分に、含みをもたせたニュアンスで思わせぶりだったけど、そんなことよりなにより、波留の目はただ、可南子の体を心配しているようにみえて。雨に濡れて、なにやってんだよっていう。早く拭かなきゃ風邪ひくだろー的な。

 自分の、「思い出してほしい」っていう願いより。とっさに、可南子の体の心配をするのが、優しいなあって思ったのです。

 なのになんなんだ、その後の展開・・・。

 もう会わない方がいい、的なことを言っちゃうんですね、可南子。見てるこっちが呆然としました。

 なんだその、つきあってるカップルの別れ話的セリフは。

 違うでしょ。君たちはつきあってるカップルじゃなく、夫婦なんだよ~っていう。思わず心で叫んじゃいました。しかも、そんなこと。突然雨に濡れてやってきて、思いつめた表情で言うような話じゃないだろうって。

 それ以外にも、優しさが重い、的なことも言うんですけど。ああ、これは友人との飲み会の席でも、職場の同僚について同じ感想を言ってたな、可南子。
 でも、それは自分のわがままだろう~と、つっこみたくなりました。職場の人たち、大人として当然の対応をしていただけで。そんな、負担を感じさせるようなことなんて、なにもしてない。むしろ、病み上がりに復帰した人間を、なんの配慮もなく迎えるような人たちなら、その方が問題だろうと思いますが。

 波留だって。優しさは、十分気遣いのある優しさだと思うんですよね。一方的に押しつけようとなんてしてないし。ゆっくりでいいっていうスタンスなんだし。

 なのに。感情にまかせていきなり家にやってきて。優しさが嫌とか、会わない方がいいとか、言われた側の気持ち、もっと考えてほしかった。だって、夫婦だよ・・・・。記憶がなくなったとはいえ。

 ひどいこと言われてる波留の目が、だんだん潤んでくるのを見て、胸が痛くなりました。

 そして、可南子もおそらく自分の言葉に興奮し、激昂し、目に涙をためるんですね。いわゆるヒステリーっぽい状態なのかなあと。そんな可南子を見て、思わず抱きしめてしまう波留。

 わかる・・・わかるなあ、と波留に感情移入しつつ見てました。波留は痛ましかったんだと思います、可南子が。可南子自身も苦しそうだった。

 彼には、どうしてこんなことになっちゃったんだろうね俺たち、みたいな。そういう思いがあったのかと。

 夫婦なのに。どうしてこうやって傷つけあうの?っていう。大好きなのに。愛してるのに。今も、気持ちは変わらないのに。
 苦しむきみを、見ていられない。そして、俺だって、人間なんだよ。強がったって、こんな状態でつらくないわけないんだよ。本当は今すぐにでも、元に戻りたいのに・・・そんな波留の気持ちが伝わってくる抱擁シーンでした。

 感情が、理性に勝った瞬間。計算もなく、本能で抱きついたって感じで。

 でも。そんなせつない波留の思いを、可南子は粉々に打ち砕いちゃう。そこで突き放すかなあ・・・( ̄◆ ̄;)
 そこまで本能で恐怖を感じる相手なら、結婚したのが不思議です・・・。

 もし私が波留だったら、あそこで突き放されたらもう、諦めます。無理だ・・・。

 自由にさせてあげることも、愛、なのかもしれませんね。あそこまで拒む相手・・・可能性、皆無だから。 

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