ドラマ『もう一度君に、プロポーズ』第5話を見ました。以下、感想を書いていますが、ネタばれを含んでおりますので、未見の方はご注意ください。
相変わらず、波留(竹野内豊さん)を拒絶し続ける可南子(和久井映見さん)ですが、一哉(袴田吉彦さん)に対しては心を許してる気がする~(^^;
一哉もまんざらでもないみたいだし、もう、可南子と一哉が一緒になるラストでいいような気がしてきた今日この頃。
だって、あれは本当に、可南子は波留のこと、好きじゃないと思うよ、うん。心の深い部分で、拒絶してるもん。壁作っちゃってる。時間がたてば氷解するようなものじゃないと思うね。
一哉と再会したときにみせた、照れ笑顔。決して、波留にはみせなかった顔だもんなあ。
要するに、理屈では、「夫である」ということは理解していても、心がついていかない状態なんですよね。心が動かない。じゃあ、どうしようもないじゃん、と思ってしまう私は冷たい人なのかもしれないけど。
たとえ記憶を失くしても。
もし真っ白な状態で出会っても、やっぱり好きになると思うよ。その人が好みのタイプだったら。
そういうの、きっと本質的に、変わらないと思う。
可南子は、波留のことを「優しくていい人」とは思っても。イコールそれが、恋愛にはつながらないんだろうあな。理屈じゃなくて。もう感覚的なもので。
このまま、彼が「夫である」ことを盾に、可南子を縛り続けるのはむしろ、罪のような気がしてきた。
いくら日にちが経っても。波留と一緒にいる可南子は幸せそうにも、リラックスしているようにも見えないし。別居して実家で暮らしていることに、違和感を感じていないみたい。
そして、驚愕の元彼(一哉)VS現夫(波留)、実家にての鉢合わせ~。見ていてドキドキしちゃいましたが、あれ、普通は元彼の方が遠慮するだろ~と思いました。
だって、大病して記憶なくして、結婚のことも忘れてしまい苦しんで実家戻ってる女性の家へ、のこのこと行きますかねえ? まあ百歩譲って。弟みたいに思ってる裕樹(山本裕典さん)が強引に誘ったとしても。
家に夫が来てたら。遠慮して帰るんじゃないのかなあ、と。
でも遠慮するどころか、波留にはわからない、昔話で盛り上がっちゃうあたり、一哉は自分の方が、可南子にはふさわしい、と考えているのかもしれませんね。自分の方が、彼女を幸せにできるという自信が、透けて見えたような気がしました。
あなたが彼女を不幸にするなら、僕が彼女をさらっていきますよ~的な。
それとですね。そんな一哉を追い返さない可南子も。
暗黙のうちに、波留に平手打ちをくらわせてると思いました。
たとえ記憶は戻らなくても。申し訳なく思って当然のシチュエーションではないかと。静養のために戻った実家で、元彼と夫が鉢合わせなんて。
元彼には、帰ってもらうというのが普通かなあと思うのですが、私の考え方がおかしいのかな。というか、元彼と必要以上に接触をもつ時点で、なんだか波留への裏切りのような気がします。
一緒にタクシーに乗ったり。忘れ物届けてもらうついでにお茶したり。実家で食事したり。
そういうの、私が夫だったら許せないと思う。
思いやりがなさすぎる。ただの同級生っていうならまた別かもしれないけど(それでも、女友達ならともかく男だからなあ・・・)。なにしろ、元彼だもん。そこには気を遣って当たり前だと思うのですが。
だからこそ、次回予告での「可南子、離婚しよう」という言葉に、納得してしまいました。あーそりゃそうだろうね。ここまできたらもう、それしかないだろうなあ。
だって、可南子はそれを望んでるだろうから。
待っていてほしい、なんて思っていないと思う。むしろ、波留との夫婦関係が重荷になってしまっている。
元彼との失礼な食事会が終わった後。去って行った波留を思い、可南子がみせた涙。あれは、決して、「私、やっぱり波留が好き」という涙ではなかったと思います。
むしろ、「こんなにひどい失礼な仕打ちを受けてもなお、変わらぬ愛情をくれる優しい人なのに、私はこの人を愛せない。申し訳ない」という涙だったような。
可南子の気持ち、わからなくもないです。
いい人だから、優しいから好きっていうのは、違うしなあ。恋愛感情ってもっと不可思議で、説明のつかないものだと思う。
あんないい人なのに・・・と周りが言ったところで、本人が異性として好きにならなければ、結婚するのは難しいと思う。
気持ちが動かなければ・・・。心の本質的なところで、わかりあえる相手でなければ、一緒に暮らしたいなんて、思えないでしょう。
どんなにかっこよくても、優しくても。
心が動かない相手と、長い時間を一緒に過ごすことはできないです。
今回、一番眼福だったのは、波留が
>後輩を育てるのも先輩の大事な仕事だよ
と、クリップボードで桂(倉科カナさん)の頭をコツンと叩くシーンでした。
あの映像に、ズッキューンと胸を撃ち抜かれました。
だって、思いっきり手加減してるんだもの。竹野内さん、優しい人なんですねえ。波留だから、というのではなく。いくらドラマとはいえ、年下の女性の頭を、なんのためらいもなくはたける人ではないんだなあというのがわかって、好感度がアップしました。
あれ、演出ではないと思うのですが。
あのためらいに、衝撃を受けました。
もし相手が裕樹だったら、もう少し強い力で小突いてたのかな。
ふざけてるシーンなので、思いきりよく叩いてもおかしくない場面ではあったのですが。
力をとっさに抑えた、その瞬間の本能のようなものに、感動しました。