金環日蝕を眺める

 金環日蝕を見ました。

 二週間前に専用グラスを買って、楽しみに待ってました。最初、空が曇っていて、部屋で待機していたところ、窓の外にさーっと光が射してきたではありませんか。

 それっと部屋を出て、グラス越しに覗いてみると・・・見事に、少し欠け始めた太陽が見られました。太陽が欠ける、月のようになる、なんて、不思議な気分・・・。

 目に悪い、とは知りながら、グラスを外して、一瞬、肉眼で見てしまいました。グラス越しだと、欠けた形だけをくっきりと観察することになるのです。グラスがあると、色や、太陽以外のものは真っ暗で、なにも見えません。
 裸眼で見たらどうなるんだろう、今目の前にはどんな景色が広がってるんだろう。その好奇心に抗えず、見上げた空に映ったものは。

 いつもとまったく変わらない太陽。
 肉眼だと、形の変化なんてわからないんですね。ただただ眩しく。目がチカチカして、すぐに視線を逸らしました。これ、日蝕専用グラスで見なかったら、欠けてることに気付かないレベルかも。

 そのまま、専用グラスで観察を続けます。辺りには特別の音もなく、光の大幅な減少も感じられず。

 でも、グラスを覗きこむと、欠けた割合はだんだんと大きくなり。ついにリングが現れた瞬間・・・・。

 また、ちらりと肉眼で見てしまいました。
 どうしても見たかった~。どんな感じになっているんだろうと。

 一瞬見た太陽は。空の色は、さすがに暗く、普段とは違う光量の減少を感じさせ。
 浮かびあがった光は、私の中のイメージがそうさせるのかなんなのか、青白く見えました。あの、リングの部分が。ぼーっと青白く発光しているように、見えました。

 薄暗い空に輝く、青白いリング。とても、幻想的な光景です。

 すぐに、専用グラスでの観察に戻りました。金環が見られるのはだいたい5分くらいしかなく。その間、ときおり、薄い雲が、微妙に太陽にかかったりするときもあって。
 雲がかかると、グラスにはなにも映らなくなります。真っ暗。

 日蝕が天文現象であると知らなかった昔の人は、大変な恐怖を感じたといいますが。

 真昼間の皆既日蝕ならともかく、今回のような金環日蝕や部分日蝕なら、気付かない人も多かったんじゃないかな~なんて、思っちゃいました。完全に真っ暗になるわけではないから。
 少し欠けたくらいでは、肉眼ではその欠けた部分、わからないです。太陽の光が強すぎて、それを裸眼で見るのは無理だから。あれ、少し暗いなあ、くらいに感じたのではないかと。

 そしてその暗さも、「雲が出てきたのかな」なんて思ったかもしれないですね。

 よく晴れた日に、燦々と太陽の光が降り注いでいたのに、雲が出てさーっと辺りが暗くなる、夏の夕立ちを、思い出しました。

 日本の広範囲で金環日蝕が見られたのは、なんと932年ぶりということで、本当に珍しい現象なのだとわかります。今日パソコンで「きんかんにっしょく」と打ちこんだとき、一発で漢字変換できなかったのにも、納得です。それだけ、稀な現象ということで。

 貴重なものが見られて、幸せな朝でした。

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