2013年。最初にみた夢の話

 2013年。最初にみた夢はこんな感じでした。

 私は眠っていて、周りにも数人の友人たちが眠っている。
 夜中。まだ外は暗くて、でもあと数時間で夜があけるという時間帯に、隣で眠る人からそっと起こされる。

 「○○さん。2年ぶりに霜が降りたよ。外へ行ってみようよ」

 その瞬間に、目覚める。奇妙なことに、本当は目が覚める前から、その人が声をかける前から、自分を俯瞰していた。

 私は昔から目覚めがいい。仕事が休みの日にはいつまでも眠っているけれど、いざ仕事となれば目覚ましなしで定刻前に目が覚める。そして、ほんの少しの物音にも敏感に、瞬時に反応する。

 眠たげな応答を予想していたその人は、私があんまりにも瞬間的に覚醒したので、少々びっくりしたようで。私たちは他の人たちを起こさないように、こっそりと外へ出る。

 霜が降りた土の上。さくさくと気持ちのいい音がする。踏みしめて歩いた。あたりにはところどころ、雪が積もっている。一面ではない。ところどころなのだが、その雪はまだ誰も触れていないので、闇の中できらきら光って美しい。

 私は思わず、地面に身を投げた。雪の上を転げまわる。白い雪の美しさを、全身で体感したくなったから。

 霜と雪。冷たいはずなのに、体に雪はつくのに、なぜかちっとも冷たくないのが不思議だった。

 「不思議だね。全然寒くないよ。冷たくないよ」

 そう言いながら、私は転げまわって、雪を身にまとった。

 ひとしきり転げ回った後で、雪をひとつかみ手にとって、仰向けになり天に透かした。

 顕微鏡でもなければ見えないはずなのに、なぜか肉眼で結晶の形をはっきりとみることができた。

 「うわあ、すごいね。まるで宝石みたい。土から掘り出される鉱物も、こんなふうに綺麗なんだろうね」

 あちらこちらに、そんな雪の結晶が積もっていた。私は寝転がったまま、なぜこんな雪景色の中、寒さを感じないのだろうと不思議に思いながら、結晶の観察を楽しんでいた。

 

 そんな夢でした。

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