『孤島の鬼』江戸川 乱歩 著

土曜日は疲れきって一日中眠り、日曜日は読書と散歩、というのがデフォルトになりつつある私の週末。土曜日も精力的に活動したいけど、どうしても体が動かない。

江戸川乱歩の『孤島の鬼』を読了。まさに乱歩ワールド。夢中になって一気に読んだ。おどろおどろしくて、怖くて、でもその怖さの向こうに人の心を惹きつけてやまないなにかがある。江戸川乱歩というのは、本当に特別な作家だなあと思う。

語り口調が易しくて、読みやすいのがうれしい。子供でも読めそう。しかし内容は、まったく子供向けではない。

そのほか、同じく乱歩の『魔法人形』『恐怖王』などを立て続けに読んだ。これは、小学校のときに学校の図書館で借りて読んだ記憶がある。小学生の私を夢中にさせた本だったが、大人になって読んでもやっぱりおもしろい。

数年前に、ドラマ化された「明智小五郎対怪人二十面相」を思い出した。あのときは、明智小五郎が田村正和、怪人二十面相がビートたけしだったっけ。

でもあれは、キャスティングがダメすぎだった。田村正和は古畑任三郎にしか見えず、たけしは、たけちゃんマンそのもの。特にマントを翻して走るシーンなど、いつあみだババアが出てくるのかと・・・・。イメージが強烈についてしまっている役者を使うのは、よくよく考えた方がいいと思った。どうしても、そのイメージをひきずってしまうから。

言わせてもらえば、小林少年も、全然イメージ違ったよ。賢そうな、黒目がちの紅顔の美少年を想像していたので。無口で、ひたすら明智を慕っていて、明智が一言いっただけで、十を察して動ける少年・・・であってほしかったな。

有名な人でないと、視聴率を稼げないと思ったのかもしれないけど、江戸川乱歩の名前だけで一定の人数はついてくるんじゃないのかなあ。思いきって、オーデションで全くの新人を使ってみたらいいのに。その方が、視聴者も新鮮な気持ちで見られたと思う。

ちなみに、文代さん役の宮沢りえちゃんはよかった。黙ってそこに立ってるだけで、陰があるから。なんにも説明がなくても、「いろいろ背負ってそうな人だなあ」と感じさせる。きれいなんだけど、暗くて、乱歩ワールドには合ってると思った。

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