撫でてもいいよと猫が言った(ような気がする)

 たいてい野良猫は警戒心が強い。

 「お。猫だ~。撫でてみよっかな♪」なんてニコニコ近付いても、あっという間に逃げられてしまう。ところが、土曜の私には猫神さまがついていたらしい(^^;

 最初に見かけたのはいかにもノラ、という感じの毛並みの悪い猫で。

 私がそーっと近付くと、警戒するような目でじろりと見上げた。やっぱり逃げられちゃうんだろうなと覚悟しながら、ゆっくり歩を進めると、意外や意外。

 白と黒のブチ猫は、なんと自ら近寄ってきたのだった。

 そんなことはめったにないので、動揺しつつも、頭を撫で撫で。猫は気持ちよさそうに体を伸ばすと、しばらくそのまま。

 そして、猫は再び歩き出し、立ち去るかと思いきや、私に体をすりつけるようにして、今度は「体を撫でて♪」と要求。

 人懐っこいなあ~。でも飼い猫じゃないよな。首輪もないし、毛も汚れてる。

 私は不思議に思いながらも、しばらく撫で撫でしたのだった。

 そしてまた散歩に戻る。

 今度は、ある神社へ足を踏み入れてみた。たまたま通りがかったのだが、とても雰囲気のいい、清らかな場所だった。

 そして、行く手に猫発見!

 う~ん。今日はやけに猫に縁があるなあ。

 そう思いながら近付いたが、猫は逃げない。こっちをじっと見てる。

 茶色の猫は眠たげで、やっぱり首輪はない。ノラだと思うが、さっきの猫よりは毛並みがよい。

 私がしゃがんで手を伸ばしても、全く逃げようとはしなかった。むしろ頭をこちらに寄せるようにして、「撫でてもいいよ」と語りかけているようで。

 遠慮なく、頭を撫で撫で。猫は気持ちよさそうに目を細めた。ぐぐーっと首を伸ばして、さらに撫で撫でを要求。もうこの辺で・・・と私が思っても、猫はいつまでもそこにいて、まだまだ撫で撫でを要求。

 こんなに人懐っこい猫に、一日に2匹も出会うとは驚きである。私になにかが憑いていたのか、それとも猫の個性なのか。

 ちなみにその同じ日、公園の池でカモを眺めていたら、なぜかカモが私めがけて寄ってくる。別にエサをもっていたわけではないのだが、「なにかくれそうな人」に見えたんだろうか。

 一羽が寄れば、それを見た他のカモが、我も我もと突撃。私は一時、その池のカモの世界ではちょっとした人気者だった。

 不思議な一日であった。

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