ドラマ『流れ星』最終回の感想を書きます。
ネタバレしていますので、未見の方はご注意ください。
いいなあと思ったのは1シーンだけ。
それは、青白い光の水槽越しに健吾役の竹野内豊さんが梨沙をみつけ、まばたきも惜しむかのように、じっと彼女を目で追う場面でした。
これはよかったなあ。インパクトありました。
このドラマ、という設定なしで。
なにか他の設定のもとで、この一場面を見てみたかったと思いました。
たとえばこれは、一目ぼれのシチュエーションだったら、ぴったりくるのに、なんて。
一度も会ったことがないのに。
その人を見た瞬間に、不思議な感情がわきあがったときのような。
驚きながらも、その人から目を逸らすことができず。
ただ、目で追っているという。
幻ではないか。
次の瞬間、夢から覚めるのではないか。
そう恐れながらも、目の前の存在に魅了され、絡めとられていくというシチュエーション。
そうです。
私には、ドラマの設定とはそぐわない場面のように思えたのです。
一応、ドラマ上は、健吾はやっと梨沙に会えたわけで。
当然彼の表情には、願い続けた人に会えた爆発的な喜びが、じわじわとあふれてくるものだとは思うのですが。
私はそれをあまり感じなくて。
むしろ、困惑?みたいなもの。
どうしようもなく、心が動く。目の前の人に魅了される。
見知った人をみたというよりも、初めて見る人から目を離せない、的な。
この映像から始まる物語を、想像しました。
なにか面白いストーリーが、できあがりそうです。
この一場面は映像として、心を揺さぶるものがありました。
竹野内さんは、魅力的な表情をもつ俳優さんですね。
結局、ドラマとしては、正直あんまり、好きにはなれませんでした。
健吾と梨沙。再会して一緒になって、うまくいくとは思えない。
梨沙が、偶然に健吾を見かけるほど近い距離で、暮らし続けることにも違和感を覚えたし。
本当に別離を決めたら、遠くにいくはず。
絶対に再会などしようもないほど、遠くへ。
健吾が、探せないほどずっと遠くへ。
それができない未練を、私は可愛いとは思わなかったんですよね。
梨沙の、「私をみつけて。迎えにきて」という声に出せない願いを、あざといと思ってしまいました。
そして健吾。
梨沙への愛情を、感じないのは私だけ?(^^;
本当に、彼女を好きだという気持ちは感じなかったんですよね。
たしかに、気になる。気にはしてる。
折にふれ、思い出すでしょう。
一緒に暮らした日々や、梨沙の優しさや、言葉や、笑顔や、あれこれを。
でも、それって恋愛感情なのかなあ。
深く関わった相手、という意味で。
健吾は梨沙の行方を気にしたし、元気でいてくれることを願っていたとは思うけど。
それ以上になにか、あったかなあと。
本当に好きになった相手だったら。
健吾はまた、違う行動をとったんじゃないかと思います。
そうじゃないから。梨沙だからこそ。
ああいう、最終回の終わり方だったのかなあって。
クラゲ、飼いたくなりました。
見ていると無心になれそうで、いいですね。
不思議な生き物。半透明で、まるで意志なんて持っていないように見えるけど。
最終回の1シーンだけが、妙に心に残るドラマでした。