『ガラスの仮面』で、もし今後、速水さんがマヤを守るために紫織さんと結婚したら? その後、マヤとはもう会わないだろうなあ~と思いました。以下、いろいろと想像して語りますが、あくまで個人的な感想だったり予想ですので、そうしたものが苦手な方はご注意ください。
中途半端に会えば、苦しくないですか?という話です(^^;
会ったらますます好きになっちゃうだろうし。目の前にいて、笑ってくれて、それでも自分の立場はがんじがらめで。手を伸ばせばそこにいるのに、触れることもできないというのは、拷問としか思えません・・・。
それに、紫織さんが目を光らせていること、速水さんはわかっていますしね。紫織さんは無理に速水さんと結婚すれば、ずっと心配し続けなくてはいけません。真澄さま、まだあのマヤさんに心を残しているのかしら、と、ずっと。
そんな状況下で、速水さんがマヤと密かに会うというのは、危険すぎる。
裏切りを知ったら、即効、紫織さんから刺客が放たれたりして。その場合、標的は明らかに、速水さんではない。
人目を忍んだ逢引の場で、凶弾に倒れるマヤ。青ざめて白目になる速水さん。そこに平然と現れる紫織。
☆紫織さん。まさかあなたが・・・
☆あら、わたくしではありませんわ。この子を殺したのはあなた。
☆・・・・
☆わたくしは動きませんでしたわ。あなたさえ動かなければ。
☆殺すならぼくを・・・なぜマヤなんです!!
☆忘れないで。この子を殺したのはあなた。あなたがマヤさんに近付かなければ、わたくしはなにもしなかったのですから。
☆・・・・
☆そうさせたのはあなたですわ!
あくまで想像ですけども。
結婚後に黙ってマヤと会い続けたら、上記☆のような展開もないとはいえないかも・・・。紫織さんは激情型だし、その気になればどんな手段でも平然ととりそう。しかも皮肉なことに、たいていのことならなんでも実現できる、強力なバックがあるわけで。
結婚しても疑心暗鬼で、常に不倫の影に怯えて。
速水さんの前ではそんな素振りを少しも見せずに、外部に向かっては幸せな新妻を必要以上にアピールしつつ。
わずかな裏切りの兆候を。執拗に追い求め、探し続ける気がするんですよね。もう、執念といっていいほどのねちっこさで。
そして、いつかその証拠を握ったら、笑いそうな気がする。ある意味、満足してそうなんですよ、その時点で。
恐れて恐れて、なければいいと思いつつ、実は心のどこかで「そうであってくれればいい。いや、絶対にあの二人はつながっているはずだ」という確信を持って。
速水さんの不倫を糾弾することが、人生の目標になっちゃってたりして。矛盾して、ぐちゃぐちゃに乱れた心。だからこそ、もしマスマヤが不倫などということにでもなれば、本当に半分、紫織さんの心は狂って、愚かな行為に走りかねないなあと。
☆やっぱりね。ほら、わたくしの思ったとおり。
☆わたくしにはわかっていましたわ。真澄さまの裏切り。
☆隠し通せるとでも思っていましたの?
☆真澄さまはわたくしの、なにを見ていたのかしら。
☆紫織は黙っているだけの、大人しいお人形じゃありませんのよ。
☆は、あくまで想像です。
恐らくは。速水さんが今後鷹宮家との縁談を進めるとしたら、それはマヤのためにすることなんですよね。紫織さんに気持ちなんて、一ミリもない。現に、本人に婚約解消を申し込んでますし。
だからこそ、そんな紫織さんとの結婚に踏み切るとしたら、理由はただひとつしか考えられない。
「そうすることでしか、マヤを守れない」、ですね。
そんな決死の覚悟で、自分の人生を賭けてマヤを守った速水さんが、その後、マヤと不用意に会ったり、不倫の関係に進む・・・ことはなさそうです。むしろ、必死になって、彼女を徹底的に避けそう。
遠ざかって遠ざかって、でもこっそり遠くで見守ってる、みたいな。決して物理的に近付くことはなくても、その分、神経をとがらせて、彼女の動向に敏感になって、幸せを祈りつつも。ひとたび彼女が他の誰かと噂になれば、自分にはその資格がないと知りながら、それでも嫉妬に心を引き裂かれて。
マヤの職業が女優である、ということが悲しいですね。
離れても、マヤの名前や顔は、なにかしら情報として飛びこんできそう。偶然つけたテレビ、広げてみた雑誌、街中の雑談。
「北島マヤ」の文字が、顔が、言葉が躍るたびに、速水さんは胸をドキドキさせるのだろうか。
もし彼女が困れば、聖さんを使って遠くから手を差し伸べるのかもしれない。聖さんを動かす分には、紫織さんに気付かれる危険性も少ないだろうし。
聖さんはいつものように速水さんの指示を、黙って受けるんだろうなあ。問うことも責めることもせずに。穏やかな表情で。
会うことは叶わなくても。遠くからそうして繋がることで。
速水さんは生きていく意味をかみしめるのでしょうか。心を殺した結婚で、マヤを守ることに自分の命の意味はあるのだと。
自分が紫織の夫であるかぎり、マヤの身に危険は及ばないのだと。
だから、いつかマヤが他の誰かと結婚しても。
遠くからずっと見守るんだろうなあと思いました。二度と、直接会ったり、言葉を交わすことがなくても。
心だけで繋がり続ける。まさに、魂のかたわれですね。