また、学校の夢を見た。
私は繰り返し、学校の夢を見る。今日見たのは、こんな夢だった。
学校では寮暮らし。久々の帰省。実家から学校へは、特別な送迎バスが出る。懐かしい先生との再会。
バスは、険しい山道を行く。細い道の上り坂。その角度に恐怖を覚える。エンジンが止まって、下がってはしまわないかと怯えながら、その一方ではその恐怖が、本当に余計な、取り越し苦労であることをわかっていた。
大丈夫なのに。なにをそんなにいつも怖がるんだろう。
わかっているのに。そう思いながら、自分で苦笑いしていた。
なのに、いつもこの上り坂で、ありもしない妄想に怯えるんだよねえ。
バスはやはり、無事に学校に到着。そうなのだ。心配は無用。生徒たちは、大きな荷物を抱えて次々と降りていく。降りた生徒たちは、自分たちの学年の下駄箱へ、一直線だ。
私も降りようとして、一番大事な荷物を、家に忘れてきたことに気付く。
それは教科書。すべての教科書を置いてきてしまった。20冊くらいあったはずなのだが。
しまった。この学校に戻ってきた最大の目的が、この教科書で勉強するということなのに、その肝心な教科書を忘れてきてしまうなんて・・・。
当面、授業で習う範囲のところを、友達にコピーさせてもらおうか。それとも、時間をかけてでも取りにもどろうか。
少し考えた末、私は心配げに見ている先生に向かって、自信満々にこう言い放った。
「大丈夫です。私はいつもこうですから。教科書なんてなくても、大丈夫なんです」
言いながら、自分の胸の中に妙な自信が満ち溢れていることに気付く。教科書全部忘れておいて、自信満々というのもどうかと思うが(^^;
ただ、自分は大丈夫と思っても、立場上教科書なしで授業を受けるのはまずいよなあ。先生にも指摘されるだろうし。どうしたものか。コピーといっても、教科書全部をコピーするくらいなら、現物を取りに戻った方が早い。どうしようかな。
ああ、一番忘れちゃいけないものをわすれちゃったな。厄介なものを。
今日は、そんな夢を見た。