宝塚歌劇団96期のいじめ裁判

宝塚の現役の女優さんが自殺した。自殺の理由に、いじめ問題がささやかれている。

私はすぐ、96期の裁判を思い出した。あの有名な、96(クロ)期の事件。裁判の結果、正義は貫かれただろうか。いじめ被害者は報われただろうか。いじめ加害者は反省しただろうか。

その後の経過を見る限り、いじめ被害者は傷つき、ボロボロになり。

いじめ加害者は、何事もなかったかのようにタカラジェンヌになり。

これだけの裁判をやってなお、いじめ被害者が報われなかったという事実がある。この自殺した女優さんがもしいじめられていたとして。96期の裁判のことを知っていたとしたら。「どうせ救われない」と絶望しただろうなあということだけは、なんとなく想像がつく。

劇団が、被害者を守ったとはとても思えない対応だった。

今回の現役の女優さんが、実際何を理由に亡くなられたかはわからないけれど。同じ組の中では、真実を知っている人が大勢いると思う。いじめがあったのか、なかったのか。

宙組は8日まで公演中止とのこと。亡くなった彼女がいじめを受けていたのかどうなのか、中の人たちはわかっているだろうなと思う。もしいじめがあったとしたら、それを黙ってみていた人たちはショックだろう。黙っていたことも、加担したことにつながるから。

96期の裁判は無駄だったとは思わない。たとえ結果が、そのときの被害者を直接に救わなかったとしても。長い目で見たら、「宝塚に問題がある」ということを浮き彫りにしたから。

96期のいじめ被害者の方には、自分を大切にしてほしいなあと思うし、彼女が戦った裁判で、多くの人が宝塚の問題を知ることができたのだ。

なにもない状態でいきなり、今初めて、宝塚にいじめ問題が出てきたわけではない。96期のいじめ裁判のときなどは、はっきりした事実関係が、裁判という場で明らかになった。その過去があるからこそ、今の宝塚には不信感を抱く。

亡くなられた女優さんのご冥福をお祈りいたします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です