ドラマ「正直不動産2」信用って何だ?感想

NHKドラマ、正直不動産がなかなか面白いです。今日は4話の感想を書きますが、ネタバレ含んでおりますので、未見の方はご注意ください。

第4話は、信用情報機関に滞納を登録されている(いわゆるブラックリストですね)結婚間近の夫婦が、住みたい家を借りられず。永瀬(山下智久さん)と月下(福原遥さん)が大家にかけあって、なんとか借りられるようになりました・・・という、一見ハッピーエンド、しかし現実ではあり得ないお話です(^^;

この回は、あくまでドラマ。

いつもは参考になることが多いこのドラマですが、この第4話に関しては、あくまでおとぎ話として、エンターテイメントとして楽しむのがいいと思います。だって、つっこみどころ満載だから(^^;

そもそもドラマの中の大家さんは、審査の厳しい賃貸保証会社を一社だけ使っていたのですね。それは、やはり家賃滞納が恐いというのがあると思います。だから、一番厳しい賃貸保証会社を使っていて、そこの審査に通らないなら入居は認めないということです。

では、ドラマの中の夫婦がなぜ、審査を通らなかったのか。

夫(正確には結婚前なので夫ではないですが)が、カード事故の過去があり、妻も滞納の過去があったから。

それなら審査を通らないのも当たり前です。加えて夫は水商売ということで、そういう職業的な信用の問題もあったと思います。

でも、やっぱりこの部屋に住みたい。赤ちゃんも生まれるし・・・と思う妻。

部屋探しの中、妻の妊娠が発覚したのです。だからこそ家族で、新生活をこの部屋でという思いがあり。夫も妻の願いをかなえてやりたく、今までの自分を反省し真面目に生きるから、だから大家さんお願いしますとまさかの土下座(^^;

もうこの土下座の瞬間、大家さんの中で、この夫の信用はゼロだったと思いますね。信用って、土下座で勝ち取るものじゃないですもん。行動でしょ。

それまでの生き方で、滞納があってブラックリストに載ってるなら、数年間は不自由があっても仕方ないと思います。お金ってそれこそ信用ですから。

別に、どこの部屋も借りられず寒空に放り出されて命の危機ってわけじゃないんですから。自分の身の丈にあった部屋を借りればいいだけ。条件を下げれば、借りられる部屋は他にいくらでもあるんです。

なのに、自分がここを借りたいからと、信用が求められる高額家賃の部屋を借りようとして断られて「これからの俺をみてくれ」って土下座したところで、その土下座に意味はない。というか、真摯に反省して生まれ変わるつもりの人なら、そんなことしない。黙々と働くよ。

言葉じゃない。信用は行動でしか勝ち取れない。

大家さんにしてみたら、職業が水商売、賃貸保証会社の審査は落ちる、入籍前で正式な夫婦ではない、赤ちゃんが生まれる(妻は働けなくなって収入は低くなる)、これだけの不安材料があって、しかも安易に土下座するような人間を、信用できないと思う。

永瀬も月下も、余計なことしたなあって思います。大家さんをケチみたいに、まるで悪者みたいにしてたけど、大家さんの判断が正確です。だって、いざ家賃の滞納や居座りが起きたとき。実際に金銭的被害が発生して、困るのは大家さんだから。そのとき永瀬や月下が金銭補償できないなら、口出しする問題じゃないと思う。

永瀬や月下のやるべきことは、この夫婦に見合った、この夫婦でも審査の通る物件を紹介すること。そして、新生活を励ましてあげることだったと思うのです。

今はまだ、信用もなく、気に入った部屋も借りられない。だけど、出発は小さな部屋、条件の悪い部屋でもいいじゃないですか。二人で力を合わせてお金をためて、夫は勤続年数を増やして信用を高めて、次に引越すときには堂々と、自分たちの好きなところに住めばいい。

借りられない、審査に通らないというのは、自分達の生き方なんじゃないでしょうか。それが嫌なら、信用は自分達で時間をかけて作っていくしかない。

永瀬と月下が余計なことをしたから、かえってこの夫婦には、過酷な未来が待っているのかもしれないなあと思いました。永瀬と月下さえ余計なことをしなかったら、この夫婦はもっと低い家賃の別の物件を借りていたはず。それなら、家賃の支払いも楽で、生活にも余裕がうまれて、貯金だってできただろうに。

憧れの家、住みたいからと、自分達の支払い能力以上の家を借りれば、いつかは破綻すると思うのです。大家さんの善意に頼ることが、ハッピーエンドではない。

誰かの力ではなく、自分達の力で、住みたい家に住む。そうすることで、家族の絆も強くなると思うんです。

第4話はあくまでドラマ。こんなことで実際にOK出す大家さんはいないし、ごり押しする不動産屋さんもいないだろうなと、そう思いました。

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