なんだか、変なマナーが、流行ってませんか?犬のオシッコには、水をかけましょう、みたいな。
いやいや、それって意味ないでしょ。薄めるというか、広げるだけだし。そして臭いが消えるかどうかで言えば、消えないですよ。ペットボトルの水をちょろっとかけることに、何の意味があるのか、という話です。
先月、うちの家の前でまたしても、犬にオシッコさせている人を見かけまして。さすがに目の前でみつけたので、注意したんです。
「ここにオシッコすると、後から来た犬がみんな同じ場所にしちゃうので、オシッコさせないでください」と。
水たまりができるほどの量でした。小型犬をつれたその夫婦。申し訳なさそうに謝ってくれたのはともかくとして、カバンからペットボトルを取り出して水をかけたんですよ・・・。
500mlのペットボトルでしたね。夫の方が、少し水をかけて、それからしまおうとしたら、妻の方がこう言ったんです。
「あなた、もっとかけて」
言われた夫は、追加で、もう少しかけました。私はそれを、じーっと見ていました。
500mlのペットボトルを、少しだけかけようが、全部かけようが、ほぼ変わらないんですよ。臭いという点にかんして。だけどこの夫婦は、「水をかけるのがいいこと」「水を書けることがマナー」「水をかければ、おしっこも許される」と考えているんでしょうね。謝ってくれただけ、ましかもしれないですが。注意しても逆切れする人の方が多いですから。まともな人はそもそも、人の家の前で犬に排泄させませんし、犬がしそうになっても引っ張ってさせませんしね。
夫婦が去った後、すぐにバケツに水を汲み、尿を流しました。バケツ8杯分は流しましたよ。(排水溝があるので、流した水はそこに流れます)それくらいの量をやらないと、臭いはとれないです。水を流した後、忌避剤の「逃げまんねん」を薄めた水をまきました。
それでつくづく考えたんですが、この「犬のオシッコの後に水をまくマナー」って、むしろ害悪になってるなあと。「犬にどこでもオシッコさせてよい」の免罪符になってませんかね? 水さえまけばやってもいいんだと。
でもね、そんなわけないです。自分の家の前で、よその家の犬がおしっこして、ペットボトルの水をまいて、それでOKって言えます?臭い全然とれてないから、後から来た犬もオシッコするし、なんならフンもしますよ。
「フンは、拾えばOK」とか、「尿は水をまけばOK」だなんて、間違っています。そもそも、させちゃいけないんです。犬の排泄は、自宅でするのが当然の時代です。万一粗相したときには、片付けるのは当たり前として、トイレそのものを公園や道路や、よその敷地にさせるのは間違っています。汚いものですから、やるなら自分の家でさせてください。
この、「フンは拾えばいいんでしょ」「尿は水をまけばOkでしょ」という間違った考え、実は行政も後押ししてるんですよねえ。私がよく行く大きな公園で、広報してるんです。
犬のフンは持ち帰りましょう。犬にオシッコさせたら水を流してください。と。
だから、そこの公園にくる飼い主さんは、みんな当たり前のように、フンをさせてます。尿もさせてます。拾えばいいんでしょ?水を流せばいいんでしょ?ということで。
でも、違うじゃないですか。そもそも、散歩は排泄のためじゃない。犬のトイレは自宅ですませるべきです。私の住む市では、動物愛護センターがそうした広報をしていますけど、公園では別の広報をしちゃってるんですよね。フンを拾おう、尿は水で流そうと。
犬の排泄は、自宅で済ませましょうという広報を、徹底する必要があると思いました。公園でそれが当たり前になれば、その意識は公園外でも有効になる。犬のフン尿・マーキングで苦しむ人も減ると思います。
毎日毎日、犬のフン尿・マーキングで悩まされる身になってほしいです。
市のご意見コーナーに、メールしてみました。「フンは持ち帰ろう」「尿は水で流そう」ではなく、「散歩は排泄のためではありません。自宅で済ませましょう」という文言に変えてくれないかと。公園で、「フンは持ち帰ろう」とか、「尿は水を流そう」だなんて広報すると、逆効果だからです。フン尿の後始末さえすれば、どこでしてもいいという免罪符になってしまう。その後始末というのも、拾ったり、水で流すだけじゃ完璧じゃないのにね。
現に家では、目の前の道路で下痢便をされて、仕方なく水で流して片付けたことありますよ。犬も生き物だから、拾える状態のフンばかりじゃないです。それに、すべてのカケラを拾うことなど不可能で、いくら拾っても臭いは残る。残れば次に来た犬がその臭いに触発されて、排泄をしたくなる。
犬のマナーは、飼い主の意識を変えない限り、良くなりませんね。でも、犬が本当に大切なら、どうして犬に自宅で排泄させてあげないのか? 散歩に行くまで我慢するの? 家族だというなら、自宅にトイレくらいつくってあげて。自宅でトイレさせてあげてほしい。人の敷地は、あなたの犬のトイレではない。公園も、道路も、他人の敷地も、犬のトイレではない。
2023年。今年も犬のフン尿には、大いに悩まされた年となりました。