秋から冬にかけ、山が恋しくなります。
なぜだろう?
大勢の人に囲まれていると、賑わいを抜け出して冷たい空気の中、葉ずれの音しかしないような深い山の中に行きたくなります。
西脇順三郎の『太陽』という詩が好きなのですが。その詩に出てくる「カルモヂイン」という地名が気になります。詩の中では夏の風景が詠われていますが、冬はどうなんだろう?
私のイメージでは、カルモヂインという土地には深い山があるのです。
獣道を分け入って、山の頂上に達すると、そこには大木が一本悠然と立っていて。その周りだけ、少し開けた感じになっていて。
そこにビニールシートを敷いて、木の根元に腰をかける。大木にもたれるようにして、空を見上げる。月のない夜空。目が慣れてくるにつれ、どんどん星が数を増していく。
冷えた空気が清清しく。吐く息の白さが、面白く。
そうだ。熱いお茶を水筒に詰めて持っていこう。それをちびちび飲みながら、一晩中星を眺めよう。
なんて、想像は広がっていくわけです。
つい先日も、飲み会の席で「山の中にいる自分」を強くイメージしていました。煙草臭い空気が嫌だったからよけいに、山へ行きたいと思ったのかもしれません。飲み会も仕事のうち・・・とは思いますが、煙草の煙はつらいです。賑やかな酒席にいる自分に、違和感を覚えてました。
山の空気。冷たく、凍るような夜の静けさ。
そして、山の頂上の大木にもたれて、私は星を眺める。
厚着しないと、寒いだろうなあ。だけど山の頂上から見る星は、どんなにきれいだろう。
温かいコタツより、みかんより、その山の情景に心を惹かれるのです。年内に実現するかな?