Sound Horizonの二期の活動の中で、Revoさんが歌うようになった。私はRevoさんのヴォーカルがあんまり好きじゃなくて、なんで作詞作曲・演奏に専念しないんだろう、なんて思っていたのだけれど。
この歌を歌うRevoさんはすごくいいです。Revoさん以外が歌うことなんて、考えられないくらいに。
Sound Horizonの音楽は、まるで童話の世界に迷い込んだように一つの世界を作り上げています。『石畳の緋き悪魔』の中で踊るのは、焔の悪魔シャイタン=Revoさんと、美シキ夜ノ娘ライラ。
ああ、この世界観好きだなあと、しみじみ何度も聴いてしまいました。ライラという名前の響きも好き。そして、ライラの前で必死に乞うシャイタンも好き。
悪魔なのに、力関係が逆転してるというか、上から目線なんだけど実際に屈服しているのは悪魔の方だという、この状況。
強く宣言したその後で。一層、甘く誘う。
悪魔なんだけど、必死感がにじみ出ていて泣けます。ああ、本当にその娘のことが好きなんだなあって。必死なのです。好かれたい。気に入られたい。どうすれば好きになってくれるの?って。
悪魔が優しく、歌うシーンもじーんときます。ここ、ちょっとだけ「レ・ミゼラブル」のバルジャンとコゼットを連想してしまった。心を通わせれば、生まれる歌がある。
こんな美しいメロディで、甘い言葉を囁かれたら、ライラも悪魔に惹かれるでしょうね。抗えるはずがない。それに、この曲に出てくる悪魔は、なんだか可哀想なのです。なんだろうなあ。声が泣いてるっぽくて。
虚勢を張っても、寂しさが透けてみえるというか。
その寂しさも、悪魔なだけにそりゃもう、永い永い年月で。
たとえライラが受け入れてくれなくても。出会ってしまった以上は悪魔はライラを忘れない。もし拒絶されたら、それこそ永い永い時間を、ライラの幻を描いて苦しむだろうなあ、と思わせる声。
私はSound Horizonの真骨頂は、あらまりさんのいた一期にこそある、と思っていましたが。二期には二期のよさがあることに、気付きました。エリスやエルを歌っていたあらまりさんは唯一無二ですが、でも、ライラはあらまりさんではないのです。
Revoさんがライラのために歌うその心が、伝わってくる曲でした。