外構の樹木は、成長した姿を予想して植える

これ、案外気付かない人が多いんじゃないかと思うので書きます。

木は成長するんです。だから、ちゃんとした植木屋さんだと、植えた直後は少し、寂しいくらいの配置だと思います。隙間というか、空間がちゃんと確保されてる。

物足りなく思うかもしれませんが、それで正解です。植木屋さん、さすがプロだと思う。

木の成長は早く、種類にもよりますが、数年で見上げるほど大きくなります。そのとき、ごちゃごちゃに植えてると大変なことになるんです。押し合いへし合いの、おしくらまんじゅう。みるからに窮屈そうで、木も気の毒だし、見た目も悪い。

だけど悪徳なところは、植えた段階で見栄えのいいような植樹をするんですよね。もちろん、お施主さんはなにも知らず大喜び。だけど数年でがくぜんとなります。

木の剪定は、けっこうお金がかかるので自分でやれれば一番早いし、安い。でもある程度の高さを超えたら、素人ではどうにもできなくなってしまう。

うちの近所で、まさにこの悪徳植木屋さんが植えた樹木が、にぎやかに玄関を彩ってます。そこのお宅は築1年ほどですが、1年でもう、もっさもさになってますね。今はまだギリギリ、「にぎやか」とか、「華やか」と言える段階ですが、あともう1年経ったら無理。単なる手入れされてない雑木、みたいな印象になるでしょう。

ご近所さんの新築の家を見て、木を植えすぎの家はたいてい失敗してます。その後の管理ができてなくて、伸ばしっぱなし。

フェンス沿いに、生垣のつもりなのかオリーブの木を10本くらい植えているお宅も、今後は大変だなあと思います。オリーブは、生垣にはならないです。品種にもよりますが枝が暴れますし大木になります。常緑なのはいいですが、フェンス沿いの生垣に使うには向いてない樹木。

オリーブなら、シンボルツリーのように、360度空間を確保して、1本だけ植えるのが正解だと思います。前後左右、どんどん大きくなりますので。

以前、シマトネリコを、プロに頼んで剪定してもらったお宅を見たことがあります。剪定直後は、ぱっと見、ちょっと可哀想かなと思うくらい、枝も葉も寂しい感じになってました。でもそれから1年後、あっという間にたくさんの葉が茂りました。シマトネリコって丈夫なんだな、と感心しました。植木屋さんはプロなので、ちゃんと樹木の特性に合わせて剪定してくれるんですね。

もしあのシマトネリコ、剪定直後にきれいな状態だったら、1年経ったら繁茂しすぎて、なんのための剪定かわからなくなっていたと思います。樹木にとって、大事なのは剪定直後の姿ではなく、その後の未来の姿なんです。

シマトネリコって丈夫で成長が早いから、新築のお宅で採用されている率が高いですね。散歩がてらいろんなお家をみると、あっちにもこっちにもシマトネリコ。今は草が生えるのを嫌って、家の前を全部コンクリートで覆ってしまうお宅が多いから、緑の木があるとほっとします。

これだけシマトネリコが多いってことは、特に希望を出さなければ外構屋さんの方から、「シマトネリコいかがですか」ってお勧めがあるのかな。確かに成長は早いし、枯れにくいし、綺麗ですもんね。

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