別冊花とゆめ1月号、2月号で、『ガラスの仮面』を読みました。以下、感想を書いていますが、ネタバレしていますので未読の方はご注意ください。
いやー、46巻の続きが気になりまして。
ワンナイトクルーズ。
真澄さんとマヤは2人きりで、どんな話をするんだろう。2人きりならもっと素直になって、いろんな誤解も解けるんだろうか、などなど、いろんなことを考えてしまいます。
一応豪華客船という設定なので、1月号の表紙に描かれた真澄さまは正装しておりました。タキシード、よく似合うなあ。さすがです。この表紙に描かれた真澄さまは、真澄さまの名前にふさわしく凛々しいお姿で、間違ってもマヤの濡れ衣を、そのまま信じてしまうような迂闊なお方には見えず(^^;
豪華客船の上。
マヤにドレスをプレゼントして、美しく着飾った彼女とつかの間のデートを楽しむ・・・って、真澄さん、あなたどちらへ向かおうとしているんですか?
諦めるはずじゃなかったのかなーと。
そんなことしたら、余計、未練が残るんじゃないのかと。問い詰めたくなりますね。
一緒にいればいるほど、好きになっちゃうだろうに。
マスミンと一緒にいるマヤは、相変わらず全身で「あなたが好きです」ビームを発しているんですけど。マスミンは完全無視です。
どうせ俺は憎まれているって、思ってるんだろうなあ。そろそろ、その憎まれてる設定に大きな矛盾が生じていること、敏腕社長なら気付かなきゃ。
1月号は、マスミンとマヤがダンスして、それから星空を一緒に見ているところで終わったんですけど。私が好きなのは2月号の冒頭。
マヤを部屋に連れて行くときの葛藤がね、いいのですよ。
気持ちわかるなあ。
黙りこくって、その沈黙をマヤが少し怖がる、その空気。
いや、心配しなくても、マスミンは紳士なので大丈夫なんですけどもね。その冷静で理知的なマスミンの理性でさえも、危うくさせるくらいの情熱が、静かにマスミンの中で息づいているのかなあと思うとね。
それくらい、好きになっちゃって。
離れようとしてるのに、なんのめぐり合わせだか、2人きりのシチュエーション。
マヤの手を引いて部屋へと急ぎながら、マスミンはなにを考えていたんだろう。
部屋へ入ったマヤが、怖がったりしなければ。
あのまま、部屋でいろいろ、2人で話したりしたのかなあと。
スイートルームなんだし、寝室しかないわけじゃないなら、部屋を分けて寝ることも可能だったわけで。
なにもマスミンが部屋をすべてマヤに譲り、ロビーで夜を過ごすこともなかったのになあと、一読者である私は、そんな感想を持ちました。
紫織さんが用意したベッドに、ショックを受けて泣き出すマヤと。しなくてもいい言い訳を必死でしている真澄さまと。
これが、惚れたもの同士でなくてどうするっていうシチュエーションですが、この2人だけは何故か、頑なに拒むんですよねえ。お互いがお互いを好きだという事実の、認識を。
ツボは、マスミンが部屋の鍵を海に投げ捨てる場面でした。
読んでてびっくり。
エエーーー!!! それ、私物じゃないし。投げ捨てる必然性も全く感じなかった。部屋使わないのは使わないのでいいけど、だからって鍵を海に捨ててどうするんだと。
マスミンにはそれだけ、厭わしかったのでしょうか。
紫織さんが自分に向ける愛情が。
そのねっとりと重い愛情が、マヤを泣かせたとわかっただけに余計、投げ捨てでもしなければ断ち切れないと、とっさに思ってしまったのでしょうか。
態度で思いっきり宣言しちゃってますね。
紫織さんのことは好きではないと。
まあ、もろもろ考えれば無理もないですが。
勝手にクルーズの部屋を手配したことは、マスミンの性格からして嬉しいことではなかったろうし。それにあの小切手。
マヤに、手切れ金とばかりに小切手を渡したと知ったとき、そのやり方に吐き気がするほどの嫌悪感を、おぼえたのかもしれません。
深窓の、なにも知らない純真なご令嬢がするような行為では、ありませんものね。
それで、真澄さんは紫織さんとの別れを決断したのかもしれません。
小切手破っちゃったし。
穏便な解決、とはいかない予感がします。
ただ、紫織さんと別れたからといって、マヤとの間が進展することはなさそうです。マスミン、一言も自分の本当の気持ちを口にしない。
せめて船上でだけ、紅天女の演技の相手としてだけ、夢をみたいと思ったのかな。だから、紅天女の阿古夜を今ここで演じて欲しいと、マヤに頼んだのだろうか。
3月号が待ち遠しいです。