ついにガラスの仮面42巻が発売された。著者が宗教活動に力を入れていて、なかなか新刊が発売されなかったという噂である。
以下、ネタばれありです。ご注意ください。
よかった~。読みながら、顔がにやけてしまいました。すごくよくできてると思う。42巻のメインは、マスミン(速水真澄)と優、そしてマヤの三角関係なのですが、心理描写がとても丁寧で、うんうんとうなずきながら読んだり、また、泣きそうになったりしてしまいました。
もう、こうなったら紅天女を誰が演じるかということより、マスミンとマヤの恋の行方が気になって仕方ありません。あの2人は、ハッピーエンドを迎えられるのだろうか?
マスミンは大都芸能の社長ですが、11も年下のマヤのことが好きで、心をかき乱されていく様はなんというか、少年のようです。マヤと優が親しくしている写真を見て、嫉妬のあまりコーヒーカップを写真ごと払いのけてしまう最後のシーン。
だ、大丈夫ですか? という感じでした。あんなんで仕事になるんでしょうか?がんばれマスミン。でもタバコはやめてね。体に悪いし、周りにも迷惑だから。
優は・・・・ちょっと見直した。いい奴じゃありませんか。マヤを好きで、マヤのためにあれこれと考えをめぐらせて、マヤの笑顔に心癒される。ペアのイルカのネックレスを、ひそかに身につけてるシーンにはぐっときました。
マヤの心に負担をかけないよう、そっと静かに見守っているんですね。
それにしても、今回はマスミンの嫉妬ぶりがすごかった。マヤと優のことが気になってしょうがないという感じです。報告する聖も大変。ちょっとストーカー入っちゃってるくらい、優との仲を念入りに調べ上げて。今までのイメージだとクールな人、という感じだったのですが、わりと現場で率先して働く人だったんですね。でも、ちょっと可哀想だったな。優の携帯電話を調べるような仕事より、もっと他にやることがあるだろうと思ったので。
マヤは、紫のバラの人への恋心が強すぎて、芝居ができなくなってしまうところがせつなかったです。心のすべてがマスミンで占められていって、ただ泣くしかないというところ。わかるような気がする。そういう時期ってあるものねえ。ましてマヤの場合、絶対成就しないとわかっている気持ちだから、よけい、気持ちの持って行き場がないのよね。
42巻の最後、川に落ちたマヤを助けようとしたマスミン、優に先を越されます。あげく、マヤを助けて戻ってきた優の首に光る、イルカのネックレスを目撃。うなだれるところがぐっときました。もう、手も足もでないという感じで、完全に敗北状態。
年齢からいっても、マヤは優のほうがお似合いですし。マスミン、マヤには嫌われていると思いこんでいますから、「マヤを愛する、マヤにお似合いの男」の前には、もうすごすごと立ち去るしかない。
やっぱり、マスミンは素敵です。前から思ってましたが、すごくかっこいいと思う。外見だけじゃなくて、不器用なところも、鈍いところも、純情なところも、誠実なところも。マヤには憎まれ口をたたくけれど、裏に回ればいつもマヤを助け、影のように支えている。
自分を抑えられず、コーヒーカップを叩き落したあと、どうやって平常心に戻るんだろうと心配になってしまいます。マスミンは、マヤと結ばれなかったら、狂ってしまうんじゃないでしょうか。マヤと出会わなければ、孤独に気が付くこともなかったのに。
早く43巻が読みたいです。