土地の経歴を知るには、近所の人に聞くのが一番

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今、うちの近所では次々と家が建っています。ここ数年、ちょっとした新築ラッシュ。

そこで、家の建築に関して「家を建てるときのヒント」というカテゴリーで、気が付いたことを書いてみることにしました。身近に建設を見ていると、見えてくるものがあります。

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新築の前にはまず、土地を手に入れる必要があるわけですが。

どんな土地を買うかというのは、とても大事ですよね。仲介する不動産業者の話だけでなく、実際に現地に足を運んで近所の人に話を聞くと、過去のことがよくわかります。

たとえば事故物件。直近でなにかあれば重要事項説明に入ってくるでしょうが、何十年も前のことだったり、何人かの売買を繰り返した後だったり、当時の建物がない状態だと、本当のことが知らされない危険性もあります。

でも近所の人なら、みんなわかっているわけです。そこで昔なにがあったのか。

事故物件に関しては、有名な大島てるというサイトがありますが。そこに載らない情報もあるのです。

私は不動産関係全般にとても興味があって、市内の不動産情報によく目を通しています。そこで、ある中古住宅売却の広告を見て、はっとしました。

昔、変死があった家でした。40年以上昔の話ですが、市内では有名です。そんなにめったにある話ではないので、時間がたっても語り継がれています。時が経ったとはいえ、一般的な心理的瑕疵は、たしかにあろうかと思います。

告知事項あり、とは記されていなかったので、何代か、所有者が変わった後なのでしょうか。ただ、建物は当時のままのようでした。中はリフォームされたのかもわかりませんが。価格は高くもなく、安くもなく。極端に安ければ過去を想像することもできそうですが、相場通りでは、気付くきっかけがありません。

もちろん、事実を知った上で、それでも買いたいというならもちろん買い手の自由です。でも何も知らなかったなら、気の毒かもしれないと思いました。

この物件、大島てるには載っていません。もし不動産業者が告知しないのなら、事実を知るには近所の人に聞くしかないと思います。それも、たぶん物件のすぐ隣の人なら話さないかもしれないですね。少し離れた場所の人、それも複数に聞けば、情報は耳に入ると思います。

高い買い物ですし、土地を買うときにはそれくらい慎重にならないといけないと思いました。不動産の広告だけがすべてではない。重要事項説明に載らない事実もあるのです。もちろん、気にしない人なら別にいいと思いますが、私は自分だったら、そういう物件はちょっと気になるので。

死にまつわることでなくても、土地や建物の所有者がどんな人だったのか。一代前のことだけでなく、そのさらに前のことまで。結局のところ、ご近所の情報が一番詳しかったりします。こういうのは、登記簿ではわからないです。

例えば、私の知っている中古住宅が2軒、今、同じような値段で売られているのですが。A宅とB宅。似たような周辺環境、似たような築年数、似たような間取り。

でも、決定的に違うのは、その住宅が売りに出た経緯。A宅はとても幸せな理由で、B宅はいろんなトラブルがあって、売りに出ているのです。A宅に関しては、住んでいた老夫婦が、子供と同居する予定で、よそに新築を建てて引っ越しました。Aさんはおうちを大事に手入れされて住んでいましたし、近所の人とも仲良く付き合って暮らしていましたので、もしAさん宅を買った人がいたら、これは本当にお買い得だと思うのです。値段以上の価値があります。

同じようなA宅、B宅。でも、背景にあるものは全然違います。私が買うなら、断然A宅です。

 

もし買いたい土地や、中古住宅があったなら。とにかく何度も、現地を訪れて周囲を散歩してみるといいでしょう。そこで出会った近所の人に、その物件について聞いてみれば、たいていの人は正直に教えてくれます。そのときには、「実はあそこを買いたいなと思ってまして」と自分も正直な立場を言った方がいいです。そうでないと、単に不審な人になってしまうから・・・。

相手が単に好奇心で聞いていると思えば、余計なおしゃべりはやめておこうとなりますが、買おうとしている人だとわかれば、本当のことを話してくれると思います。

新築挨拶の範囲と時期

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今、うちの近所では次々と家が建っています。ここ数年、ちょっとした新築ラッシュ。

そこで、家の建築に関して「家を建てるときのヒント」というカテゴリーで、気が付いたことを書いてみることにしました。身近に建設を見ていると、見えてくるものがあります。

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新天地で家を建てるときの悩みのひとつが、隣近所のどこまでに挨拶をすればいいのか、ということだと思います。そしてその時期についても、迷うところが多いのではないでしょうか。

以下は個人的な意見ですし、地域によっても考え方は違ってくると思いますが、ここ数年体験したことを元に、自分なりの考えを書いてみたいと思います。

まず挨拶する家の範囲についてですが、私は、自分が入る自治会の、少なくとも最小単位には全戸、挨拶に行った方がいいと思います。

なぜかというと、新築の家は近所から注目を集めており、どんな人が引っ越してくるのか皆とても気にしているからです。たとえば私の家の場合、自治会の最小単位は隣保です。隣保が集まって班を作っています。隣保は平均10戸前後のところが多く、開発などで一気に家が増えた場合には、隣保そのものが増設されます。

自治会の活動は、隣保単位で連絡が来たり、また役を決めたりしますので、違う隣保の人のことは良く知らなくても、同じ隣保の人たちは皆顔なじみだったりします。ですので、最初に挨拶しておくと皆さんに大歓迎してもらえる可能性が高いです。

工事中はどうしても、音や土ぼこりや駐車場所などで近所に迷惑がかかることがありますが、挨拶があると印象が全然違います。挨拶は自分たちを相手に知ってもらうことであると同時に、相手のことを知るよい機会でもあるので、メリットしかないと思います。

挨拶をしておけば、その後、顔を合わせたときにはお互い話しやすくなりますし、その近所のお得な情報なども教えてもらえたりします。どこのお医者さんが評判いいとか、おすすめのお店だとか、口コミでしか得られない情報など。

また挨拶の時期については、理想的なのは工事着工前と、引っ越し後の2回ですね。工事着工前は、隣保というよりも、現場に隣接した土地で工事の影響を最も受けるであろうお宅を。そして、引っ越し後は隣保を回ればいいのかなあと思います。

私がいいなあと思ったケースでは、工事着工前にハウスメーカーの方と、お施主さんが揃って挨拶にみえたことがありました。粗品はハウスメーカーの方が用意されていて、ハウスメーカーさんがお施主さんにおすすめして、一緒に近所をまわっていたようです。

そのハウスメーカーさんの気配りに、私は感銘を受けました。たぶんお施主さんも、ひとりで回るというのは抵抗があると思うんです。よく知らない土地だし。けれど、ハウスメーカーさんが先頭になって回ってくれるなら、その後をついていけばいいわけで、気が楽ですよね。近所にどんな家があり、どんな人が住んでいるのか、あらかじめ知ることもできて安心です。

ハウスメーカーの方は、工事に関してなにかあればすぐにこちらに連絡ください、と名刺をくれ、工事中はどうしても車両の出入りが多くなるけれど、もし小さいお子さんがいるなら十分ご注意ください、と気遣いの言葉もあり、とても好印象でした。

確かにその通りなんです。もし工事中に小さな子供と工事車両の事故でもあれば、直接お施主さんがやったことでなくとも、きっと引っ越し後には気まずい空気が漂うでしょう。

そして、そうしたきちんとした対応のハウスメーカーさんは、工事中の現場管理もとてもしっかりしてましたね。なによりも、ゴミの管理で会社の体制がよくわかります。どんな業者さんが出入りしても、現場は資材とゴミがきちんと整理され、小さな子供がうっかり立ち入らないよう、しっかりとゲートが作られていました。

工事は、どうしても近辺に迷惑がかかります。騒音、土ぼこり、関係車両の路駐などなど。でも、最初に挨拶があると、多少のことはお互いさまという感じで、受け流してもらえるのではないかなあと。

ちなみに、自治会の単位(隣保など)わからないときは、自分の土地に隣接した家に、まず挨拶というか声をかけてみて、それとなく自治会情報を聞いてみるといいと思います。聞かれれば、みんな親切に教えてくれると思いますし、その土地独特の慣習なども確認できます。

新築ラッシュだったうちの近所では、挨拶に関してどんな状況だったかといいますと、一番しっかりしてるなあと思ったのが、工事前と引っ越し後に2度、挨拶にみえた方です。工事前は、ハウスメーカー担当者とお施主さん(世帯主1人)がみえ、引越後には、家族全員(小さなお子さん連れ)で挨拶にいらっしゃいました。家族構成などわかると、お互いに話も弾むし、防災上も万が一なにかあったときには助けてもらえると思います。

いざというとき、頼りになるのはやはり近隣の助け合いです。あの家には小さな子供がいた、とか、お年寄りがいたなあ、というのがわかっていれば、避難するときにも気をかけてもらえるのではないでしょうか。どんな人が何人住んでいるのかさっぱりわからない、という状況は、あまりにも寂しく、危険だと思います。

引っ越して来たらなるべく早めに、挨拶に回るのがいいですね。

そして挨拶のときの粗品ですが、タオルで十分です。もちろん余裕があれば、なにを用意しても自由だと思いますが、タオル一本あればおかしくありません。別に高級なものでなくても大丈夫。粗品にお金がかかるから、挨拶まわりする家を少なくしよう、なんていう考えは本末転倒。少なくとも、自分が入る予定の隣保は全部回った方がいいと思います。シンプルなタオルなら、それほどお金もかからないです。

挨拶されて怒る人はいません。逆に、一度挨拶があれば、その後、多少のことがあっても気にならないのではないでしょうか。するべきかせざるべきか迷うなら、挨拶はした方がいいです。

家と家との距離は絶対にあけた方がいい その2

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今、うちの近所では次々と家が建っています。ここ数年、ちょっとした新築ラッシュ。

そこで、家の建築に関して「家を建てるときのヒント」というカテゴリーで、気が付いたことを書いてみることにしました。身近に建設を見ていると、見えてくるものがあります。

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一番に感じたのは、「家は隣地から一定の距離をもって建てること」の大切さです。

もちろん、都会だと土地そのものが狭く、ぎりぎりに建てないと面積がとれない、ということもあるでしょうが、土地が70坪前後あるなら、せめて家の周囲を大人がぐるっと一回りできるくらいの余裕をもって建てた方がいいと思います。

民法だと、建物を築造するのに、最低でも境界から50センチメートルだと決められていますが、実際そうではない建築もあるんですよね。

それは結局、業者にも多くの問題があるのかなと。設計の段階で、施主の気に入るように、できるだけ庭を広く、駐車場を広く、少しでも土地を有効活用したプランを提案するわけです。結果、隣地とぎりぎりの隙間しかない建物が出来上がったり。

私は不動産全般(建築や間取りなど)にとても興味があるので、散歩途中で新築の家があるとじっくり眺めてみるのですが、隣地との境が狭い家を見るたびに、これは今後大変だろうなあと思うのです。いろんな意味で。

例えば内装は、後でリフォームもできますが。家の位置そのものは変えられません。隣地との間があまりにも狭いと、隣同士で嫌な思いをすることが多いのではないでしょうか。もともと狭いスペースに、さらにエアコンの室外機を詰め込んだ日には、それはもうモメない方が稀なのかとも思います。

それから、今後確実に必要となる、家のメンテナンスのためのスペースですね。それを考えると、隣地境界線上との隙間は、けっして無駄なスペースなんかじゃないんです。必要なんです。最低限、自分の敷地内に屋根や外壁メンテナンスのための、足場を組めるようにしておかないと困るはず。

土地に余裕がないと、なにかあるたびに、「すみませんがお宅の敷地をちょっと使わせてください」と頼まなければいけなくなります。それはどちらにとっても、ストレスを感じることでしょう。

また、お隣がきちんとした柵を設けていない場合、現状ではお隣の敷地を貸してもらうことができても、もしその後がっちりした高い塀などを設けられた場合、土地の貸出が物理的にできなくなってしまうこともあるわけです。

結局、隣地境界線と自分のうちの建物との間に、十分なスペースを設けることはお互いのためであり、その後のご近所関係を良好に保つポイントだと思うのです。

地縄の段階で、境界線との間が50センチあったとしても、そこに壁がつき屋根がつき、軒ができればスペースはさらに狭くなります。軒なんてずっとそこにあるものですから、それが完成してなお、境界線との間に余裕がなければいけません。また、電気温水器の大きな機械を設置するなら、それを設置した後のスペースで考えないといけないでしょう。

この、隣地境界線からの距離というのは、後から変更できないですから本当に重要なポイントだと思いますし、今後その土地で長く住む以上、お隣との関係を良好に保ちたいですから、忘れてはならない重要事項だと思いますね。

自分の家で、後から修繕工事できない分野です。家そのものの位置を変えることになるわけですから。

うちの近所は田舎なので、ほとんどの方がきちんと隣地との間にスペースをとって建築されてますが、たまに、びっくりするほど接近して建てている方があり。その後、どうするんだろうなあと他人ごとながら、心配になったりします。なにをやるにしても、接近しすぎていてなにもできないです。足場も組めない。そして、音も直で隣に響きそう。

いくら庭を広くしたい、駐車場をゆったりさせたいといっても、だからといってその負担を隣に強いるのはどうかなあと思います。越境しなければいいだろうではなく。実際、境界線から余裕をもつということは、あらゆる面でいいことだと思います。

ただ、業者は少しでも見栄えのするプランを作ってくるわけで、そのときに「もっと隣地との境に余裕をもちたい」という発想を持つのは、なかなか難しいかなと。そこまで考えは及ばないでしょう。

でも、これはとても大事なことだと思います。

そして、境に関していえば、新築にあたってきちんと塀を作ることも忘れてはならないかと。

たまに見かけるのが、隣の塀があるからそれを利用すればいいか、という感じで自分の家の側には何も設けないパターン。

考え方は人それぞれかもしれませんが、私は、どちらも境界はそれぞれ作ったほうがモメないだろうなあと思います。上のフェンスまではつけなくても、せめて境界ブロックの二段くらいは、最低でもつけた方がいいような。

たとえば、お隣さんが引っ越して土地を売る場合。更地にすべく境界フェンスを壊してしまえば、自分の家に境界ブロックがないと、お隣との境はなにもなくなってしまいます。そうなってから困るよりも、最初に作っておけば安心です。その後お隣さんがずっと更地でも、あるいは新しく引っ越してきた方が、その方なりの境界をつくっても、それに左右されることはなくなります。

境界を作るのはちょっとした工事ですから、なんでもないときにいざやろうと思うとなかなか大変です。新築のときに、ついでにやってしまえば、その後がとても楽だと思います。

お互いに境界点よりも数センチ、自分の家側に控えたところに、それぞれがブロックを積めば理想ではないでしょうか。これが、一番お隣との関係がうまくいくパターンのような気がします。その場合、隙間が数センチ空いてしまいますが、もし草が生えるとしても、気が付いた方が適宜抜けばいいだけです。

新しく開発された大規模な建売住宅(一度に建設・売り出された場合)だとまた、話は別になってきますが。その場合、境界線を中心にして、共有のフェンスということもあるでしょう。ただこれも、長い目でみるとどうなんでしょう。お互いにそれぞれ境界ブロックがあった方が、結局は楽なような気がしますね。共有だと、境界ブロックやフェンスが老朽化したときに、互いの合意がないと建て替えはできず、また、それぞれが勝手に好きなデザインのフェンスにすることもできないわけで。

私の友人で、建売住宅に住んでいるKちゃんが、お隣との共有フェンスでちょっとしたトラブルを抱えてます。お隣の方がフェンスに車をぶつけてしまって、フェンスが変形してしまったそうなんです。Kちゃんはフェンスが曲がっているのがすごく気になるみたいなんですが、お隣さんはおおらかな性格なので全くそれを気にしておらず。

Kちゃんがこぼしてましたね。こういう場合、共有でない方が自分の好きにできるからいいのになーと。

家を建てるのは、一生のうちに一度という人が多いでしょう。何度も経験しないからこそ、見落としがちなポイントもたくさんあると思います。その気が付かない部分をフォローするのが良心的な業者です。業者さんは多くの建築に携わっているからこそ、施主に見えない部分も見えるわけで、そこをアドバイスできるのが本当のプロだなあと、そう思います。