霧の三峯神社、そして海の写真

2018年三峯神社を再訪したとき、初日は霧で、二日目は更に深い霧で、神秘的な光景を見ることができました。そのときの写真がこれ。

初日

これはたしかお仮屋への道を撮ったんだと思う。

二日目

もはや目の前が何も見えないほどの濃い霧。駐車場を撮ったような記憶がある。

こんなに深い霧、普通の場所なら怖いですが、そこは霊験あらたかな三峯神社。安心感がありました。目に見えないなにかに守られているという絶対的な信頼感。

一度は霧の三峯神社を経験してみたいと思っていましたが、興雲閣に一泊したおかげで、貴重な体験をさせてもらいました。

そして2019年のお正月、海へ行ったときの写真です。太平洋岸の、穏やかな波と空。ぼーっと座っているだけで癒されます。

だんだん日が暮れてくると、光の色がもの寂しい。

やがて日が沈むとき、オレンジの光が海面に反射して、桃源郷へ続くようなかりそめの道が浮かび上がります。太陽の形がシャープじゃなく、手作りめいた、いびつな形になるのがいい。

いったん日が暮れるとすぐ真っ暗なので、急いで海岸を離れました。神社と違って、海の傍は少し怖いです(^^; 夜の海というのも見てみたい気はするし、きっと綺麗なんだろうけど。

海風に吹かれていたら、雑念がきれいさっぱり。体が軽くなりました。

2016年を振り返る その2 厳島神社、鞍馬寺と伏見稲荷大社

2016年初夏、厳島神社と伏見稲荷大社にも、初めて参拝することができました。出雲大社だけでなく、こちらの神社にも行きたいとずっと思っていたのです。でも出雲大社からだとアクセスがちょっと。乗り換えが多かったので、出雲大社参拝とはまた別の日程で、出かけました。

厳島神社に行きたかった理由。

昔、夢で、海に浮かぶ朱塗りの神社に参拝したことがあるのです。そこは船でしか行けない場所でした。夢から覚めた後も妙に気になって、あれはもしかして厳島神社なのかなあと。行ってみればわかるだろうと思い、実際に行ってみました。そしてわかりました。

夢でみた神社ではありませんでした(^^;

ちなみに、私が出かけた日は、ちょうどブラタモリの撮影があったみたいで、修学旅行生が「タモリさんいた!」とかなり興奮してしゃべりながら歩いていました。

厳島神社参拝の前には、宮島錦水館に立ち寄り、温泉に入りました。桟橋から神社に行く途中にあるお宿です。私が行ったときはちょうど空いていて、貸切状態。お湯の質もよく、雰囲気もあってとてもリラックスできました。参拝前に身を清める意味でも、こちらの温泉はお奨めです。

あと、宮島口もみじ本陣の中にある、広島ヤマダというお店の焼きがきがおいしいです。厳島神社で参拝した日、島内でカキを食べ損ねたので、フェリーで戻ってきた後に食べました。最初一皿だけ頼んだのですが、あまりにも美味でもう一皿追加しました。大満足です。

その日は宮島コーラルホテルに泊まったのですが、翌朝ミラクルが。朝食のバイキングでお味噌汁を飲んだところ、体中にエネルギーが満ち溢れて、ものすごく元気になったのです(^^) これには驚きました。ごく普通の、バイキングのお味噌汁なんですけど、飲んでしばらくしたら、ちょっと疲れていたのにもりもりと気力と体力がみなぎって、自分でもびっくりするくらい元気に、次の目的地である京都へ出発することができたのです。

あれは特別なお味噌汁だったのでしょうか。今でも謎です。それ以来、私はホテルのバイキングでは必ず意識して、お味噌汁を飲むようになりました。

お味噌汁で元気百倍になった私は、いそいそと京都へ。その日は京都駅近くのホテルにチェックイン、まずは鞍馬寺へ。参拝後、山中を通って貴船神社へ行くつもりでした。しかし、土砂降りの雨と、夕暮れという時間帯もあり、その日は貴船神社を断念。

翌朝は、ホテルのバイキング朝食で、ある意味貴重な体験をしました。オレンジジュースから怪しい匂いが(^^;

なにかの間違いかと思って、何度も嗅ぎましたが、微かな、でも確かに腐臭がするのです。バイキングでとったものを残すのはまずいと思いましたが、どうしても口を通りませんでした。それに、このままでは他の人に被害が出てしまうかも。

そこのバイキングは食器を自分で返却するタイプではなく、テーブルに残しておいてスタッフの方が片付けるシステムでした。なので私は、食事後にそっと近くにいたスタッフの方に近寄り、他の人に聞こえないように小さな声でオレンジジュースの異常を伝えました。片付けるときに、現物を確認してもらえばわかるはずです。

それにしても、オレンジジュースって腐るんですね・・・って、食品なんだから当たり前か。きちんと冷蔵保存していなかったのか、使い切りでなく何日も継ぎ足して使っていたのか、原因はわかりませんが。ホテルが忙しいというのもあるのかな。駅前のホテルはどこも観光客でいっぱいで、宿をとるのが大変でした。満室のところばかりで。

その日はまず、晴明神社へ。式神の像があって、可愛かった。こんな式神欲しい(^^)

それから鞍馬寺へ。参拝後、山中を通って貴船神社へ。

鞍馬寺は、とにかく山中にパワーを感じました。鞍馬寺の本殿、そして貴船神社へ続く山道は、途中かなりの登山です。甘くみると挫折するレベル。この山中で義経が天狗に剣術を習っていた、というのもうなずけます。この山なら、天狗が出てもおかしくない。

あと、鞍馬寺のすぐそばにくらま温泉という温泉があるのですが、ここおすすめです。いいお湯でした~。露天風呂もあって、ワイルド。山の空気がおいしい。鞍馬駅から、無料の小型送迎バスが出てるので便利です。バスだと鞍馬駅から温泉まで3分くらいですぐ着きます。歩いてもいける距離ですが、歩道がある道ではないので、安全のためにも送迎バスを利用するのがベストかと思われます。予約なしで乗れるから気楽ですよ。駅を出たすぐのところに車が待機しているので、すぐわかります。鞍馬寺参拝前のお清めに、また、参拝後の疲れをとるのにも、いい温泉なのです。

貴船神社は。う~ん、ちょっと観光化されすぎてるかなと感じてしまった。奥宮まで行く道、細くて、でも車も通る道で。厳かに歩くというより、車に注意しながら歩かなきゃいけなくて、違和感が。でも車を規制してしまうと、沿道のお店が困ってしまうのだろうか。

その後は、アーバンホテル京都へ移動してチェックイン。翌日の伏見稲荷大社参拝に備えて、体を休めました。本当は、伏見稲荷大社の境内にある参集殿に泊まりたかったのですが、前日に予約の電話をしたところ、満室とのことで残念ながら。

アーバンホテル京都は、朝、早めにチェックアウトしました。観光客で混む前に伏見稲荷大社を参拝したかったのです。このところ、外国人観光客の人気ナンバーワン神社になっているそうですね。

私は本殿をお参りした後、伏見神宝神社に行き、そのさらに奥の、竹林を貫く小道をたどっていきました。すると、道はどんどん、山の中へ。かなりの登山となりました(^^; でも、道が険しい分、ほとんど誰にも会うことなく、空いていたのはよかったです。

伏見稲荷大社に行ってみたかったのは、お稲荷様が好きだったからです。特に理由はなく、なんとなく昔から好きでした。よく、お稲荷さんは怖い、という話も聞きますが、失礼なことをしなければ全然恐れることはないと思います。罰の当たるようなことをすれば別ですが、真摯に参拝するのに、怒る神様なんていないと思うのです。

ただ、私は千本鳥居のイメージしか持っていなかったので、次々と現れる「お塚」に驚きました。それは、今まで見たことがない光景でした。伏見稲荷大社は、とにかく広いのですね。稲荷山全体が神域であるということを、実感した旅となりました。

2016年を振り返る その1 出雲大社

今年もあと少し。2016年が自分にとってどんな年だったか、振り返ってみたいと思います。

まず、旅行ですね。行きたかった場所にたくさん行けた年でした。まず、春には念願の出雲大社へ行ってきました。出雲へのアクセスですが、事前に調べたところ乗り換えが多く大変そうだったので、直通で行ける「サンライズ出雲」を選択。

去年も行こうと思ったのですが、直前に予約しようと思ったところまさかの全席種満席で諦めた記憶が。今年こそ、との思いで、JRの窓口で当日購入にチャレンジ。結果、無事にB寝台の「ソロ」という席をゲットすることができました。

本当は「シングル」席を狙っていたのですが、すでに売り切れということで。平日でも大人気なのですね、サンライズ出雲。大遷宮以後のお参りブームが、2016年もまだ続いているのかなと思いました。大遷宮のときは、ものすごい人出だったと聞きます。

「ソロ」は狭いという噂でしたが、実際乗ってみた感想は、確かに出入りがちょっと、厳しいかも。私は上段の部屋だったのですが、通路からベッドに上がる階段は、かなり狭いと感じました。体格が普通の人でギリギリなので、それより少しでも大きいと、入れないかもしれないです。たとえば体の大きな人がうっかりこの席にしてしまうと、困ったことになるだろうなあと思いました。

切符売るときに、注意みたいのがあるといいのですが。でも、下手に言うと「差別だ」と騒がれたりするんだろうか(^^;

「ソロ」の室内は、とくに狭さを感じることはありませんでした。寝転がって、空や線路沿いの景色を眺めるのが楽しかったです。天井は低くて立ち上がる高さはありませんが、座ったり、ゴロゴロしながら旅を楽しむには、十分です。

なにより、直通で出雲へ行ける、というのは大変助かります。いったん乗ってしまえば、あとはのんびり、明日の朝を待つだけ。東京駅を夜10時発で、翌朝10時前に出雲市へ到着です。

出雲市駅へ到着後、バスで出雲大社へ向かうつもりでした。ところが、目当てのバス停にはずらーっと長い行列が。あんまり人が多いので、次のバスか、もしくは一畑電車大社線で行こうと決め、バスを見送りました。

が、バス停の時刻表をみると、次のバスまでずいぶん時間がある。電車の方も同じ状況。これは困ったなあ、どうしようとしばらく考える。時間までただぼーっとするのももったいないので、少しでも観光しようかなと、グーグルマップを見る。すると、「出雲駅前温泉らんぷの湯」の文字が。参拝を前に、身を清めることにもなりますし、行ってみようと決めました。

駅前の温泉だし、お湯に期待はしていなかったのですが、いい意味で裏切られました。立ち寄ったのは大正解。私が行ったときはちょうど空いていて、快適にお湯を楽しむことができました。しかもお湯が濁っていて本格的、すごく体に優しい感じ。一晩電車に揺られていた疲れがふっとびました。特に露天風呂が気に入りました。露天はちょっとした竹林もあり、思わずうとうと。木漏れ日が綺麗だったなあ。

あまりにも気に入ったので、帰りにも寄ったくらいです。また出雲へいくときには、ぜひ立ち寄るつもり。

あんまり人気になると混んでしまうのが心配ですが、でも素晴らしい温泉です。駅前という立地であの泉質はすごい。さすが神様の地ですね。

らんぷの湯を出た後、バスで出雲大社へ。まずはその日の宿にチェックイン。大きな荷物を置いた後で、私がまず向かったのは、日御碕神社でした。

出雲大社からバスで20分くらいということで、今から急いで参拝すれば暗くなる前に帰れるかなあと思ったのです。そしたら、明日一日、ゆっくり出雲大社を回れる。出雲大社については、明日またゆっくり参拝しようと。

日御碕神社まで、バスで20分。海沿いの景色が素晴らしかったです。そして山道に入り、しばらくすると眼下にぱっと、朱塗りの神殿が。一瞬、はっと息を呑みました。まるで夢の中のような、幻想的な景色です。

バスを降りたら、まずは帰りのバスの時間をチェック。これ大事です。そんなに何本もないので、次のバスを逃すわけにはいきません。

楼門の先にある下宮、そして上宮の順にお参りしました。その後、わき道からさらに上った先にもなにかお宮があるようでしたが、鳥居が少し朽ちているのが気になり。そちらの方には人気もなく、時間も時間で少し迷ったのですが、恐る恐る行ってみると、お稲荷様でした。山の木々に覆われて、辺りが薄暗い中、お宮に二礼二拍手したそのとき!

ざーっと一陣の風が吹き、同時にものすごい量の白い小さな花が上空から降ってきたのです。そのタイミングにびっくり。なにかの木の花だと思うのですが、よくわかりません。とにかく、まるで私を迎えてくれるように降ってきて、かなり驚きました。怖くなってしまい、ここでなにかお願いすることもためらわれ、(もし願いが叶っても、遠くてお礼参りに来られないかもと思ったので)、神様には正直にそのままを伝えました。

でも、あんな風に一斉に花が降ってくるなんて、初めての体験です。一度下の方に降りてきてから、気になってもう一度お宮の方へ上がりました。でも、もう花は降ってきませんでした。

後になって思い出すほどに神秘的な体験で、忘れられない記憶となりました。

その後は、灯台まで往復する時間がなかったので、港のところでしばらく、ぼーっと経島(ふみしま)を眺めていました。無人島で、神職以外の上陸が禁じられているそうです。ウミネコがたくさん飛んでいました。

翌日は、いよいよ出雲大社で参拝。初めて来た出雲大社は、懐かしくて暖かくて、まるで田舎のおばあちゃんの家のような、そんなほっとする場所でした。初めてというよりも、どこかで見た景色。神聖で畏れ多いというのではなくて、故郷を感じました。いつも心の中にあった場所、というイメージです。そして、この出雲大社での参拝後、帰宅するとすぐに、祖父母の家での懸案事項に動きが…。このタイミングに、神様の力を実感しました。出雲大社は日本人みんなの、心のふるさとのような場所なのかなあと思います。いつか、帰っていく場所。

出雲では、稲佐の浜で夕日が沈むのも見ました。夕焼けに染まる空。少しずつ暗くなる空に広がるグラデーション。

その稲佐の浜辺で、制服姿の高校生の女の子が2人。波打ち際ではしゃいで遊んでいました。そして、その近くには、5人ほどの男の子たち。この子たちは20歳くらいにみえました。お互いにお互いを意識しながら、決して声を掛け合うことはなく。けれど、これがボーイ・ミーツ・ガールなのねと。そんなことを思いました。微笑ましくて、それぞれが、ぎこちなく意識しながら、少しずつ距離を縮めたり、また離れたり。そんな光景を見ながら、神様もこんな風に、人の世の出会いを見ているのかなあ、と、そんなことを考えたりしました。

出雲では、神様の会議で縁を決めるといいますが。神様も、こうした若者たちをきっと、にこにこしながら眺め、ひそかな恋を応援しているに違いありません。

この稲佐の浜では、不思議なにわか雨もありました。晴れていたのに、急に通り雨のように、ひとしきり雨が降ったのです。私は波打ち際から少し離れた砂浜に座っていて、辺りにはすぐに雨宿りできそうなところもなくて。まあいいや、別に本格的に降っても構わないや、ここは居心地がいいもんなあ。そんなことを思っていたら、雨は体を濡らすほどの量もなく、すぐにやみました。

ずっと行きたかった出雲は、上手く言えないけど、いつもいるこの場所と同じ空気でした。特別な凄い何か、というのとは違っていて。青い鳥の話は、このことかと。心の中の、大事な故郷。本当はいつも、そこにあるもの。いつか帰っていく場所。

お土産には、急須を買いました。お茶を飲みながら、時々出雲のことを思い出したりしています。