『ガラスの仮面』45巻 美内すずえ 著

『ガラスの仮面』45巻を読みました。以下感想を書いていますが、ネタばれしていますので、未読の方はご注意ください。

待ってました45巻。う~ん、でもこの45巻は、盛り上がる場面が少なくてちょっと、物足りなかったかな・・・。

この45巻の見所といえば、月影先生のところで、マヤと速水さん(マスミン)が偶然に会うシーンですね。

例のごとく、お互いの気持ちには全然気付いていません。

傍で見ている立場としては、非常にもどかしいです。

マヤはまだ若いから仕方ないとしても、マスミンは設定だともう30代くらい?

さすがに、もう大人なんだからマヤの気持ちに気付いてもいい頃あいだと思うのですが。

だって、マヤったら思いっきり自分の気持ちを告白しちゃってるし。

読んだ瞬間、エエーっとのけぞりましたよ。いいのかなあ、こんなに赤裸々に嫉妬とかしちゃって、と。

だってバレバレなんですもん。

紫織さんと婚約したマスミンに向かって、この言葉。

>速水さん おめでとうございます。

>さぞ満足でしょう

>すてきな「魂のかたわれ」に巡り会えて・・・

(中略)

>あなたみたいなひとに「紅天女」は渡さない・・・!

>ぜったいに・・・!

上に引用したセリフは、マヤのものです。

うーん、これ聞いて、???って思わないのかなあ、マスミン。

しかも、このセリフの前に、

「魂のかたわれについて、月影先生に聞こうと思ってたけど、もういい。私には会えないとわかったから」

みたいな内容なことを、思いっきりしゃべっちゃってるわけですよ。

これって、裏を返せばこういうことですよね。

私、あなたが魂のかたわれだと思ってました。

でも、別の人と婚約してしまうなんて・・・。

あなたでないなら、魂のかたわれなんてどこにもいない。

実質、告白してるようなものじゃないですか。

これ聞いて、おや?と思わないなんて、マスミン、本当に大都芸能の鬼社長なのかなあ(^^;

人の心の機微とか、そういうの敏感じゃないとビジネスもうまくいかないと思うんですが。

紫織さんと婚約→マヤ怒る

この流れに、疑問を感じないのが不思議で仕方ありません。

なんで俺が婚約したら、マヤが怒るんだ??

しかもなんで、俺が婚約したら、マヤは魂のかたわれに会えないんだ?

そう。答えは一つしかありませんよね。

マヤはあなたを、マスミンこそ魂のかたわれだと思っていたのに・・・と。

これに気付かないって、どんだけ嫌われてると思いこんでるんだろう。

好きすぎて、周りが一切見えなくなってるんだろうか。

マヤの(マスミンにとっては)理解不能な言動を、「俺はマヤに嫌われてるから」と、

それだけで解釈しちゃっている。

もうね、なにがあっても、「俺は嫌われているから」って、いいかげんそのマイナス思考から抜けだした方がいいかも。

私、思うのですが。

もちろん、例外もあるとは思いますが、基本的に誰かを好きになったとき、たいていその誰かは、

多少は好意をもってくれているんではないでしょうか。

よく言いますよね。

人との関係は、鏡のようなものだと。

ああ、感じのいい人だな、好きだなと思えば、たいてい相手も同じようなことを思っていたり。

ちょっと合わないな、なんとなく、居心地悪いなあと思えば、相手も同じように感じていたり。

少なくともね。相手がものすごーく、心の底から自分のことを嫌っていたとして。

嫌いというか、憎まれるレベルにまで達していたとして。

その状況で、自分はその相手を、好きになったりするだろうか?という。

たとえば、まったく向こうが自分のことを知らないとして。あるいは知っていても、全く興味がないとして。

それなのに、自分はひそかに相手を好きになっていたとか、そういうのはありがちな話ですよね。

典型的な片思いパターン。

そういうのは、あると思います。

でも自分を憎悪している相手に、いつのまにか恋していたとか、それはないなーと思うのです。

マスミンがマヤを好きになったとき、マヤの心にあったのは恨みだけだったのか?

私はそうは思わないです。

きっと、表面上はどうあれ、マヤは無意識にでもマスミンを認めて、マスミンに惹かれていたんだと思う。

それこそ、魂レベルでは最初から、マスミンが好きだった。

だからこそ、マスミンもまた、マヤに引き寄せられていったのではないかと。

だからマスミン、安心していいんだよ、ってこんなところで私が力説しても、虚しいですが(^^;

最後はどうなるんだろう、この二人。ハッピーエンドになってくれるといいなあと思いました。

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