『つよがり』Mr.Children 感想

Mr.Childrenの『つよがり』を聴いています。

この曲で一番好きなのは、サビです。

言葉が、胸に直球で突き刺さります。

もう、ドラマみたいに状況が浮かんできてしまいました。あくまで、私が勝手に想像した画なんですが。以下、私が想像したシチュエーションが延々続きますので、読みたい方だけどうぞ~(^^;

——————————————————————–

古傷のある女性を、好きになった男性がいて。
古傷といっても、まだ乾いてない。生乾きなのです。だから痛くて、とても笑い話になんてできないことを、その男性は会話の端々から知るわけです。

好きな人のことは、なんでも知りたい。
でも、当然、つっこんでは聞けない。そこまで仲良くもなっていないし、それはやはり、生傷だから。

だから、精一杯の慰めを、一生懸命考えてみたり。

それは、つらそうな彼女の心を、少しでも他のことに逸らすような冗談だったり。
あえてなにも聞かずに、ただ傍に寄り添っていることだったり。

そっと傷をかばおうとする、隠れた配慮に。女性は気付きます。
なぜなら、一番触れられたくない部分だから。たぶんそこは敏感になっていると思う。
少しでも方向がそこにむけば、彼女の心は今よりもっと、かたくなに閉じられて。決して笑みが返ってくることはない。
構えた彼女のかたくなな警戒心は。やがて解けていく。
わかるから。言葉にしなくても。彼は決して、そこには触れない。触れないことを、高言はしないけど。

それで、ほっとしたように少し気持ちを緩めて。
感謝を目に浮かべた彼女が言うのだ。

「優しいね」って。

それで、たぶん目が潤んでるんだよね。泣きだしそうなのを堪えて。唇を少し震わせながら。
無理に笑おうとするから、よけい不自然になる言葉。

彼女は本気で、「優しい」と思っていて。それがよくわかるだけに、彼の胸にこみ上げるのはたぶん。怒りに似た、苛立ち。

彼女の勘違いが、痛いほどわかるから。

優しさじゃないんだよね。好きになっちゃう気持ちなんて一方的なものでさ。相手がどう思ってようと。勝手に増幅して盛り上がって、最後には自分でも持て余して、爆発しそうなの、なんとかなだめすかしてるっていうのに。

優しくしてるのは、博愛精神なんかじゃありません。
あなたがただの友人なら、ここまで深くは考えません。
僕はあなたが好きだから。あなたが苦しむ姿を見たくないから。その傷に触れないだけ。

自分勝手なものですよ。自分の醜さも、汚さも、よくわかってます。
優しいなんて、今の自分から一番遠く離れた言葉なのに。そうやってなんにも知らない顔でつよがるなら。

そんなふうに今も抱えてる傷が痛いなら。
いっそもっと深い傷を、僕がつけましょうか。その傷を、跡形もないくらいにするほど。壊れてしまえば、もう苦しまなくてすみますよ。

って、あー。もう。
そこまで妄想して、この彼はハっと我に返るのです。

本当は、そんなこと考えるくらい残酷なのに。
優しいと誤解したままで、無理に笑ってる彼女と。
嫌われたくなくて、彼女の誤解を解かない、妄想の中でだけ、自由に振る舞っている自分と。

——————————————————————–

私が思うに、この彼、彼女を怒ることなんてできないくらいに、愛情深いのではないかな~と。

だから。
このとき一瞬湧き上がった凶暴な気持ちは。

彼女に向かうものというより、自分自身への苛立ちではないかと。

何やってんだ~自分、という。
もう出口、見えないし。

いっそ彼女に対して怒ることができたなら。もっと楽になれるのに。好きすぎて、そんなことできるはずもなくて。
どんな彼女も、愛しくて、愛しくて。

曲を聴いていたら、この苛立ってる男性の気持ちに、入りこんでしまいました。

わかるような気がする~(^^;
もう、この瞬間にも、もっとひどい傷、つけることできるのに~っていう残酷な感情。その気になりさえすれば、簡単に相手を壊してしまえる。絶対できないけど。相手は無邪気に信じてるけど。
でも、そういうの考えるくらい、自分は聖人じゃないのにっていう自嘲。

とても素敵な曲なので。何度も聴いてます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。