家と家との距離は絶対にあけた方がいい その2

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今、うちの近所では次々と家が建っています。ここ数年、ちょっとした新築ラッシュ。

そこで、家の建築に関して「家を建てるときのヒント」というカテゴリーで、気が付いたことを書いてみることにしました。身近に建設を見ていると、見えてくるものがあります。

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一番に感じたのは、「家は隣地から一定の距離をもって建てること」の大切さです。

もちろん、都会だと土地そのものが狭く、ぎりぎりに建てないと面積がとれない、ということもあるでしょうが、土地が70坪前後あるなら、せめて家の周囲を大人がぐるっと一回りできるくらいの余裕をもって建てた方がいいと思います。

民法だと、建物を築造するのに、最低でも境界から50センチメートルだと決められていますが、実際そうではない建築もあるんですよね。

それは結局、業者にも多くの問題があるのかなと。設計の段階で、施主の気に入るように、できるだけ庭を広く、駐車場を広く、少しでも土地を有効活用したプランを提案するわけです。結果、隣地とぎりぎりの隙間しかない建物が出来上がったり。

私は不動産全般(建築や間取りなど)にとても興味があるので、散歩途中で新築の家があるとじっくり眺めてみるのですが、隣地との境が狭い家を見るたびに、これは今後大変だろうなあと思うのです。いろんな意味で。

例えば内装は、後でリフォームもできますが。家の位置そのものは変えられません。隣地との間があまりにも狭いと、隣同士で嫌な思いをすることが多いのではないでしょうか。もともと狭いスペースに、さらにエアコンの室外機を詰め込んだ日には、それはもうモメない方が稀なのかとも思います。

それから、今後確実に必要となる、家のメンテナンスのためのスペースですね。それを考えると、隣地境界線上との隙間は、けっして無駄なスペースなんかじゃないんです。必要なんです。最低限、自分の敷地内に屋根や外壁メンテナンスのための、足場を組めるようにしておかないと困るはず。

土地に余裕がないと、なにかあるたびに、「すみませんがお宅の敷地をちょっと使わせてください」と頼まなければいけなくなります。それはどちらにとっても、ストレスを感じることでしょう。

また、お隣がきちんとした柵を設けていない場合、現状ではお隣の敷地を貸してもらうことができても、もしその後がっちりした高い塀などを設けられた場合、土地の貸出が物理的にできなくなってしまうこともあるわけです。

結局、隣地境界線と自分のうちの建物との間に、十分なスペースを設けることはお互いのためであり、その後のご近所関係を良好に保つポイントだと思うのです。

地縄の段階で、境界線との間が50センチあったとしても、そこに壁がつき屋根がつき、軒ができればスペースはさらに狭くなります。軒なんてずっとそこにあるものですから、それが完成してなお、境界線との間に余裕がなければいけません。また、電気温水器の大きな機械を設置するなら、それを設置した後のスペースで考えないといけないでしょう。

この、隣地境界線からの距離というのは、後から変更できないですから本当に重要なポイントだと思いますし、今後その土地で長く住む以上、お隣との関係を良好に保ちたいですから、忘れてはならない重要事項だと思いますね。

自分の家で、後から修繕工事できない分野です。家そのものの位置を変えることになるわけですから。

うちの近所は田舎なので、ほとんどの方がきちんと隣地との間にスペースをとって建築されてますが、たまに、びっくりするほど接近して建てている方があり。その後、どうするんだろうなあと他人ごとながら、心配になったりします。なにをやるにしても、接近しすぎていてなにもできないです。足場も組めない。そして、音も直で隣に響きそう。

いくら庭を広くしたい、駐車場をゆったりさせたいといっても、だからといってその負担を隣に強いるのはどうかなあと思います。越境しなければいいだろうではなく。実際、境界線から余裕をもつということは、あらゆる面でいいことだと思います。

ただ、業者は少しでも見栄えのするプランを作ってくるわけで、そのときに「もっと隣地との境に余裕をもちたい」という発想を持つのは、なかなか難しいかなと。そこまで考えは及ばないでしょう。

でも、これはとても大事なことだと思います。

そして、境に関していえば、新築にあたってきちんと塀を作ることも忘れてはならないかと。

たまに見かけるのが、隣の塀があるからそれを利用すればいいか、という感じで自分の家の側には何も設けないパターン。

考え方は人それぞれかもしれませんが、私は、どちらも境界はそれぞれ作ったほうがモメないだろうなあと思います。上のフェンスまではつけなくても、せめて境界ブロックの二段くらいは、最低でもつけた方がいいような。

たとえば、お隣さんが引っ越して土地を売る場合。更地にすべく境界フェンスを壊してしまえば、自分の家に境界ブロックがないと、お隣との境はなにもなくなってしまいます。そうなってから困るよりも、最初に作っておけば安心です。その後お隣さんがずっと更地でも、あるいは新しく引っ越してきた方が、その方なりの境界をつくっても、それに左右されることはなくなります。

境界を作るのはちょっとした工事ですから、なんでもないときにいざやろうと思うとなかなか大変です。新築のときに、ついでにやってしまえば、その後がとても楽だと思います。

お互いに境界点よりも数センチ、自分の家側に控えたところに、それぞれがブロックを積めば理想ではないでしょうか。これが、一番お隣との関係がうまくいくパターンのような気がします。その場合、隙間が数センチ空いてしまいますが、もし草が生えるとしても、気が付いた方が適宜抜けばいいだけです。

新しく開発された大規模な建売住宅(一度に建設・売り出された場合)だとまた、話は別になってきますが。その場合、境界線を中心にして、共有のフェンスということもあるでしょう。ただこれも、長い目でみるとどうなんでしょう。お互いにそれぞれ境界ブロックがあった方が、結局は楽なような気がしますね。共有だと、境界ブロックやフェンスが老朽化したときに、互いの合意がないと建て替えはできず、また、それぞれが勝手に好きなデザインのフェンスにすることもできないわけで。

私の友人で、建売住宅に住んでいるKちゃんが、お隣との共有フェンスでちょっとしたトラブルを抱えてます。お隣の方がフェンスに車をぶつけてしまって、フェンスが変形してしまったそうなんです。Kちゃんはフェンスが曲がっているのがすごく気になるみたいなんですが、お隣さんはおおらかな性格なので全くそれを気にしておらず。

Kちゃんがこぼしてましたね。こういう場合、共有でない方が自分の好きにできるからいいのになーと。

家を建てるのは、一生のうちに一度という人が多いでしょう。何度も経験しないからこそ、見落としがちなポイントもたくさんあると思います。その気が付かない部分をフォローするのが良心的な業者です。業者さんは多くの建築に携わっているからこそ、施主に見えない部分も見えるわけで、そこをアドバイスできるのが本当のプロだなあと、そう思います。

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