家庭教師は業者経由か個人契約か、どちらが正解?

家庭教師を、個人契約でも業者経由でもやってみて思うこと。

そりゃもう、個人契約でやるのが一番です。生徒にとっても。教師にとっても。

私が今、教えている生徒は業者経由ですが、その会社で受けた教師としての研修はほぼゼロでした。生徒宅へ初めて向かう前に、支部へ出かけて教わったことといえば、そこの家庭教師派遣会社のシステムについてです。報告書の書き方、提出方法など。そして、保護者に書いてもらう書類の、書き方の説明。(それは営業の仕事なのでは?という疑問がわきました・・・)

保護者向けの説明も、家庭教師がやることになっていました。それもなんだか変わったシステムで、私が聞いても??という感じで、でもそれを保護者に説明しなくてはならないという。

そもそも、保護者と会社間の具体的な契約内容については、全く説明がありませんでした。おそらく個人契約を防ぐために、詳細な契約については伏せられていたのでしょうが、だったら契約をとってきた営業さんが、直接保護者と話すべき、説明すべき事項なのでは?と思ったりしました。私が保護者に「ではこの書類にこれを書いて、この先はこうでこうで、こうなりますので、今後の指導回数については・・・」なんて話をしなければいけないわけです。

そもそもどういう契約内容になっているのか、わからないので、あとで会社のホームページを確認して、おそらく契約したであろうコースを予想し、大体のシステム的なものはわかりましたけども。

コースはわざと複雑にしてるんでしょうね。単純ではないです。たぶん基本料金は安いけれど、なにかにつけて追加料金、という形をとっているようでした。

ただ、それでも他に比べたら良心的な会社だと思います。一気に高額教材を買わせたりはなかったので。

それは、そもそも登録するときに、私が一番重視した部分でした。悪徳な会社経由では働きたくなかったから。いくつかの家庭教師派遣会社のホームページを見て、教材購入が家庭教師とセットになっておらず、かつ、料金が安すぎないところを選びました。

教材については、私はかねがね、不必要だと思っていました。家庭教師というと勉強が遅れた子供が多く(一部は、逆に進みすぎて塾では物足りないトップの子供もいますが)、私が今まで担当した子は、教科書や問題集で十分対応できる子ばかりで、教材は無駄になってしまうのが目に見えていたからです。

そして料金も、安すぎるところは要注意です。たいてい、なんだかんだと追加料金をとられるシステムになっています。たとえば、広告で安い料金をうたっていても、いざ入会となると入会金が必要だったり、事務費、管理費などの名目で、合計額が跳ね上がる、なんてこともよく聞く話です。そんな風に騙して契約させるより、最初から、適正価格で表示してある会社の方が良心的です。

私としては、一応、厳選して登録した会社だったのですが。いざ家庭教師としての契約を結ぶ段になると、気になる点がいくつも出てきました。

保護者向けには、研修を受けたベテラン講師をうたっていますが、研修なんてほぼないですし。保護者との会話で注意すべき点、礼儀作法など、もったいぶって時間をかけて教えられましたが、すべて、一般の会社で働いた人なら当たり前に身につけているマナーばかり。

一貫していたのが、とにかくトラブルをおこすなと。おこせば損害賠償だぞと。

今までにトラブルになった事例を、参考までにと教えてくれたのですが、それって家庭教師の問題じゃなく、仲介してる会社の問題じゃないの?というのが、正直な感想で。

トラブルの大半は、教師と親のコミュニケーション不足が大きな原因かと。これに関しては、日頃から、互いになんでも話せる関係を作っておけば、そんなにトラブルは起きないです。そしてお互いに、常識の範囲内であれば、いちいち細かな注意事項など契約書にいれなくても、業者を仲介しなくても、両者が納得すればそれでいいわけです。

ただ、たぶん大学生だったりすると、社会経験がない分、遅刻や長期休暇などについて、これくらいはいいだろう、的な甘えがあったりして、そこで親とトラブルになったりすることがあるようで。でも、業者経由の家庭教師なら、そういうときこそ仲介会社の出番じゃないの?と私は思いましたけど。教師に責任を押し付けるんじゃなく、そういうときこそ上手く仲介するのが、家庭教師派遣会社なのに、と。

そもそも、常識とか責任感、それから教え方なんてものは、契約書で縛ってもどうしようもないと思いました。常識や責任感がない人が、契約書に書いたからって、別人のように生まれ変わる、なんてことはないわけです。そして、教え方は、研修でどうこうなるものではないし。教え方のうまさも、努力したり研修したりして、そんなに大きな変化があるとは思えません。

家庭教師派遣会社に求められるのは、教師の教える能力と、人柄を見極めることなのではないでしょうか。教え方がうまいひとでないと困るし、かつ、よその御宅に上がって、大切なお子さんの教育に携わる、それを安心して任せられる人間かどうか、その点が重要になってくる。

私が会社に感じたのは、契約書ですべてを縛ろうとする姿勢です。それじゃトラブルも起きるだろうなあ・・・と思っていたら、やはり、決して少なくない数の問題が過去には起きていたようで。無理もありません。トラブルを起こす人は、契約書があっても起こすだろうし、そうでない人間は契約書がなくても、常識の範囲内で振る舞うだろうから。なにもかも契約書に任せきりでは、問題も多くなるでしょう。まずは人を、選ぶ能力がないといけない。なにかあったら、責任は会社にあります。

よく、教育関係のアルバイトなどはブラックだと言われますが、私も痛感しました。教師のさぼりを防ぐためだったり、保護者受けをよくするためだと思いますが、とにかく膨大な量の報告書の提出を求められ、しかも書類作成にかかる時間は無給です。保護者との対談なども無給。授業準備などの時間も無給。

登録後、初めて仕事をする前に、最寄りの会社支部でシステム説明を受けるのですが、その際の交通費も自費です。私が登録した会社は、私の家から離れたかなり遠い都市にしか最寄りの支部がなく、往復の交通費だけで、4時間分の時給が消える計算でした。

仲介の価値、ないです。最初の生徒の紹介はありがたいですが、その後のフォローはほとんどなく、逆に、報告書等々、負荷は重くのしかかる。教科書何ページをやりました。宿題はここをやりました、という報告書の無意味さ。やってますよ~という形だけの証明にすぎないかと。

よく、生徒に合った先生を選抜の上ご紹介、などという広告をみかけますが、実際は、場所と指導科目、指導可能曜日から、登録教師を選んでいるだけです。そして教師の数は圧倒的に不足しているようでした。

もしお友達を紹介してくれたら、紹介料を払います、とスタッフの方に言われましたが。全くその気になれません。個人契約では簡単にすむものが、業者経由ではとにかく規則規則で、報告報告。みかけの時給以上に、無償で働く部分が多いのはひとつの罠ですね。

長々と、業者の悪い部分を挙げてきましたが、結局家庭教師は人なのだと思います。

業者経由だろうが、個人契約だろうが、生徒からすると、いい人に当たればラッキーです。

ではどうすれば個人契約できるのか。そこが知りたい生徒さんも多いかと思いますが、大学生の先生を雇うなら、大学の学生課に電話して聞いてみるのが一番です。その際、相場より少し高めの金額を提示し、応募してきた中から複数名、実際に体験授業をしてもらうのがおすすめ。当然、体験とはいえ提示した時給分はしっかり支払ってください。

教え方は本当に人によって違うし、生徒と教師の相性もあるので、実際の授業を受けてみるとよくわかります。そして、短期の契約を結べばいいのです。短期で雇えば、途中で断りづらいという心配もなくなります。いい先生なら、そのまま継続でお願いすればいいですし。最初から長期の契約にしなくてもOK。この先生なら大丈夫だ、という確信が持てた時点で、長期の申し入れをしても遅くはありません。

留学の予定などがあれば、また別ですが。そうしたことも、面接のときにさりげなく聞いておくといいかも。特段予定のない先生なら、長期でといわれた時点で、考えてくれると思います。

大学生でなく社会人の先生を頼みたいときは、一番いいのは「口コミ」ですね。評判のいい家庭教師だと、口コミだけでどんどん仕事がつながっていきます。人からの紹介だと、あまり外れはないかと。

自分で面接する、というのは面倒くさいようにも思えますが、業者経由にしたところで、別に厳選された人材というわけではないですから。自分で選んだ方が、いい人に当たる確率は高いように思います。

家庭教師の会社はたくさんありますが、業界トップのところでさえ、CMを見た時点で中身がわかってしまうというか。あのCMを見て、電話をかける気持ちが私にはさっぱりわかりません。私が親なら、むしろあのCMを見たら、絶対この会社には頼まないでおこう、という気持ちになります。

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