安倍元首相と統一教会

安倍元首相の衝撃的な暗殺から9日が経つ。

あれからずっと、事件のことが気になって報道を見てきた。最初は、犯人に対して憤りしかなかったけれど、統一教会(現在は名前を変更したそうです)によって家庭が崩壊してしまった犯人の事情が次々と明らかになり、今はとても複雑な気持ちです。

もちろん、亡くなった安倍さんのご冥福はお祈りするし、犯人がやったことは許されないことだけど、政治家と宗教について、その結びつきの強さに驚いたし、このままではいけないのではないかと。

統一教会って、ある年齢以上の層にとっては、とても有名。若い人は、統一教会という名前を初めて聞くのかもしれないけど、私は一時、テレビのワイドショーで嫌というほどその名前を聞いた。

1992年の桜田淳子さんの合同結婚式騒動だ。

他にも、当時親族の説得で脱会した有名人が複数おり、統一教会によるトラブルは社会問題になっていた。

だから、今回の安倍さんの暗殺で、再び「統一教会」の名を聞き驚くとともに、名前を変えているのは卑怯だとも思った。名前を変えることで、これまでのトラブルと無縁を装えるから。

昨日NHKのニュース番組を見ていたら、犯罪心理に詳しい精神科医の肩書で出た女性が、犯人についてこう解説していた。

過酷な人生を送ったから、普通の人には許されないことでも自分だけは許される、というゆがんだ特権意識があったのではないかと。

そして、「声かけ」や「見守り」、「相談窓口」などの対応が必要ではないか、という話をしていた。

私はそれを見ていて、あまりに的外れな意見で、腹立たしさを覚えました。

いや、そんな簡単なもので、解決するんならこのような事件はおきなかったはず。統一教会で家庭が破壊された人に、どんな「声かけ」、「見守り」、「相談窓口」があるというんでしょうか?

霊感商法に関しては多くの裁判があり、たくさんの弁護士の先生が力を尽くし、それでも、今現在でもとめられないのが現実。それだけ、相手は強大な力を持つ組織です。

全国霊感商法対策弁護士連絡会があれだけ力のこもった会見をしても、それが、テレビや新聞、マスコミで大々的に取り上げられない事実。闇は深いと感じました。

まだ、ネットだけが、良心なのかと。

首相といえば、国で一番偉い人。一番権力を持つ人。

現役ではないにしろ、安倍さんが元首相だとしても、その人が、関連団体にメッセージを寄せていた事実。それはもう、統一教会にとっては、「最高権力者が味方」というアピールそのものだと思う。

それに、安倍さんは再登板の可能性も十分にあった。決して過去の、元首相ではない。今後、再び現役の首相として活躍する可能性の十分あった人。

安倍さん以外にも、統一教会と関係性が疑われている政治家がたくさんいるようです。

安倍さん暗殺という悲劇は、冷徹に、今の日本がやるべき課題をえぐり出したと思う。政治と宗教に関して。

いったいどれだけの政治家が関連しているんだろう。

どれだけのお金の流れがあるんだろう。

考えれば考えるほど、憂鬱な気分になります。でも、これをこのまま、終わらせてはいけないと思う。

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