ドラマ『WITH LOVE』感想 その2です。
思いきりネタバレしていますので、未見の方はご注意ください。
感想その1はこちらです。
私が『with love』で忘れられないシーンて、長谷川天が川辺で佳織にキスする場面だったりする。
キスした後に、天が佳織をじーっとみつめるんだけど、その、心の奥まで見通すような目が、とても印象的で。
佳織は、寂しい目をするんだよね。
好きな相手に、心のこもったキスをしてもらったんだけど、その思いやりがわかるだけに傷ついた目をするんだ。
ああ、そうなのねって。私のことを大事に思ってくれているけど、それは恋じゃないんだねって。
どんな言葉より、それを深く理解してしまった目をするんだ。
対する天は。
純粋に、問いかけるような目だったり。
望んでいたものはこれだろ? これで満足?みたいな。
皮肉じゃなくてね、本当に天は、佳織のことを思って、自分にできる精一杯のことをしたって感じなんだよね。
それで、佳織の反応をみてる。
でもそれは、好きな相手にみせる表情じゃ、ないんだよなあ。
同時に、訝しげな表情でもある。
佳織のためにしたキスなのに、佳織はちっとも嬉しくなさそうだし、むしろ泣きそうなんだもの。
どういうこと? 何で? 天は佳織の反応が理解できなくて、戸惑う。
そして、もう一つ忘れがたい場面が。
それは吉田さんの台詞。
「雨音さんと一緒にいるのはつらいです。雨音さんもつらいでしょ?」
吉田さんのそれまでの行為は、見ている私には理解できず不気味に思えることばかりだったけど、
初めて吉田さんに共感してしまった。
ああ、すっごい常識的なこと言ってるよ、という。
自分のことを全然好きになってくれない相手。
しかも、他の誰かをずっと心に秘めていて、その誰かは自分の知ってる相手で。
この状況下で、「でも、結婚したもの勝ちだもんねー、へへっ」と
勝ち誇っていられるのはよほど、能天気というか幸せな人なのだと思います。
吉田さんの発した言葉に相当する状況って、意外にありがちなものなのかもしれない。
一方がすごく無理をしていて。そういうときって、たいていその相手も
つらい思いをしていたりする。なのに二人は、
それぞれに「がんばらなきゃ」って妙な使命感に燃えたりして。
でも、一緒にいても、先のない相手なら。
早く別れたほうがお互いのためなんだよね。
割れて、ボロボロ破片の落ちる花瓶を、二人して拾ってる感じ。
いくら拾ったってきりがないのに。苦しくて、苦しくて、それでも
その花瓶がきれいだった時のことを、忘れられなくて。
一緒に居て苦しくなったら、もう終わりなんだと思う。
吉田さん、最後だけは、常識人です(^^;
途中の行為は、目に余りましたけど。
病気で弱ってる雨音の部屋に上がりこむわ、勝手にPC立ち上げてメール見るわ、hataさんに成りすますわ。
そりゃーやっちゃいかんだろうってこと、てんこもりでした。
そうまでして雨音に執着したので、よほど最後はドロドロになるのかと思いきや、
意外とあっさり、天に譲ったのね・・・。
うーん、でもでも。
私は以前にも書いたように、どうも天の、雨音に対する愛情には疑問を持っていて。
画面から伝わってくるものには、困惑というか、違和感がぬぐえなくて。
これは演出なのか、それとも演じてる竹野内さんの素が出ちゃってるのか。
本人に聞いてみたい気分です。
ぶっちゃけ、竹野内さんは雨音を好きでしたか?って。
きっと、好きじゃなかったんだろうなあ、たぶん。と
私は勝手にそう思っております。
雨音と相対したときにね。どうしても、あれ、なんかちょっと違う・・かも。
みたいなものを感じてしまうのですよ。
天が感じた違和感のようなものを、見ている私も共有してしまうような。
天は天なりに、てるてる坊主さんに対するイメージをふくらませていたと思うのですが。
きっとそれは・・・雨音とは違うタイプの女性だったのではないかと。
そんなことを思ったりしました。