映画『エクリプス』見てきました。
以下、感想を書いていますがネタバレしていますので、未見の方はご注意ください。
『エクリプス』です。トワイライトシリーズの第三弾。一作目の『初恋』は見たのですが、二作目の『ニュームーン』は見ませんでした。原作を読んだので、ニュームーンの回は滅入るなあと思ったのと、その頃ちょうど、仕事が忙しい時期だったので。
そして『エクリプス』。
先日プラネタリウムを見たときに、星空の説明で今月21日に皆既月食があることを知りました。そうかー、eclipseか。そういえば、今ちょうど映画でやっていたんだっけ? 見に行ってみようかな。
そんな軽い気持ちで、あまり期待せずに映画館へ向かいました。
夜の回です。カップルが多いかな?と思いきや、館内は99パーセントが女性。これは、エドワード役のロバート・パティンソンの人気によるところが大きいのでしょうか?
私の右隣には、身を寄せ合ったカップル・・・もとい、親子でした。なんと、小学2年生くらいの女の子と母親。
いいのかなー。この映画、恋愛ものだから男女の際どいシーンもあるし、上演終わるの9時過ぎるんだけど。おまけにこれ、戦闘シーンとか、怖いと思うよ。一応吸血鬼ものだし、子供には刺激が強すぎるんじゃ・・・
などなど、私は余計なおせっかいとは思いつつ、子供のことを心配してしまいました。子供が見たがる映画とも思えないし。これはやっぱり、お母さんの趣味なんだろうね。
家で一人にさせとくより、連れてきたほうが安全と思ったのかなあ。でもでも、これを子供に見せるのはかなり、まずいんじゃないかなあ。
そして、私の左隣には、私と同年代の女性二人組。
大きなポップコーンと飲み物をしっかり用意して、鑑賞準備は万全。
内容は、ほぼ原作どおりでしたけど、『初恋』のときとは大分感じが変わっていました。なにより、せつなさがない(^^;
このトワイライトシリーズ。一言で表せば、人間の女の子ベラと吸血鬼の男の子エドワード(永遠の17歳)の恋物語なんですけどね。簡単に成就するわけではなく、そもそも人間のまま吸血鬼と添い遂げることなんてできないということで、女の子は苦悩するわけですよ。
吸血鬼になり、永遠の命を手に入れれば、家族とは離れざるを得なくなる。友人たちにも本当のことは言えない。すべてを捨てて、吸血鬼になる覚悟はあるのか?という。
そして、吸血鬼の男の子も難しい選択を迫られる。
愛する人を、人間のまま見送るべきか、それとも永遠の命を与え、ともに生きるか。
永遠の命=永遠の幸せ、ではない。というところがポイントだと思います。永遠であることは、むしろ究極の牢獄にも匹敵するのではないか、という。
そこらへんは、ミュージカルの『ダンス・オブ・ヴァンパイア』を観たときにも、すごく考えさせられましたね。
まあ、根底にはこの、吸血鬼になるべきか、ならざるべきかという命題があり。それを彩るかのように、さまざまな難題がベラに降りかかるのです。狙われるベラ。それを守るエドワード。ベラを愛するエドワードのライバル、オオカミ族のジェイコブの存在。
『エクリプス』では、『初恋』のときと監督が変わったので、その影響もあるのでしょうか。あの一作目の初々しさはどこにもありませんでした。
ベラがたくましくなっている(^^;
強いです。精神的に、完璧にエドワードを超えちゃってるよ、という。
ベラとエドワードが見つめあうとき、安定感があるんですよね。なんていうかこう、長く連れ添った夫婦的な。
一作目のときは、まだまだ二人はお互いに、不安感をにじませていたんですけど。相手の愛情を無条件には信じられないですから。瞳を探りあう、その悲壮感がとても純粋で、美しいと思いました。心を打たれた。
初めて誰かを好きになったときって、こんな感じだよねーと。
でも今回の作品では、二人の間に強い絆を感じました。
ベラとエドワードを演じた二人は、プライベートでも付き合っているという噂がありますが、それもうなずける感じです。勝手な憶測ですが。
そして、エドワードが、完全にお尻に敷かれちゃってます。ベラが握った主導権。エドワード、逆らえません(^^;
エドワードのライバル、ジェイコブを演じたテイラー・ロートナー。いい感じにたくましくなっていたと思います。筋肉が素晴らしい。ベラを軽々とお姫様抱っこしたのがすごいです。いくら軽くても、大人の女性をひょいと抱き上げてすたすた歩くなんて、なかなかできません。
対してエドワード役のロバート・パティンソン。いい人っぷりが全面に現れてました。きっと役を離れても、優しいひとなんだろうなあ。
ただ、永遠の高校生、17歳にしては少し、大人びてみえたかも。外見がもう少し幼いままだったら、永遠の命を生きる葛藤も、より強く伝わってきたはずだと思いました。
それと、原作のイメージである、ミステリアスな部分があんまりなかったのが残念でした。
原作だともう少し、謎めいた感じがあるのですが。
ベラと相思相愛になってなお、ベラを不安にさせるような。
心の奥に隠す本心を、観客もベラと一緒に手に汗にぎりながら追い求めるような、そんなエドワードだったらもっと、よかったなあと思いました。
本当に個人的な感想なのですが。心を完全に許しあい、安心しあったベラとエドワードだと、魅力が半減してしまうのですよね。もうちょっとだけ、ドキドキしたかったです。
ベラを演じたクリステン・スチュワート。一作目のときより、ずいぶん強くなったなあと。それは、全身に自信がみなぎっているからかもしれません。
エドワードとジェイコブ、二人に愛されてる、それは間違いないっていう自信。だから、心の揺れをあまり感じませんでした。そこが残念。
顔立ちは、原作のイメージそのものなんですけども。一作目のヒットで一気に人気が出たことも、この作品での自信あふれる演技につながっているのかな。
映画の中では、戦闘シーンの迫力がすごかったです。CGを駆使したリアルな映像。耳をつんざくような悲鳴。
そのたびに、隣の小さな女の子のことが心配になってしまいました。
この子、大丈夫かなあ。こういうのって、夢に出たりしそうだよね。ゾンビみたいな吸血鬼のオンパレード映像。
そして、映画の中ではベラが、エドワードとジェイコブを二股にかけ、女王様状態だったわけですが。それをあんまりだと思ったのか、私の左隣の女性が、そのさらに左に座る、自分の連れに向かって愚痴る、愚痴る(^^;
気持ちはすっごいわかりますけども。要所要所で、ベラに対する不満をぶちまけるのは、笑えてきてしまいました。自宅でテレビを見てるのとは違うんだよ~、と、心の中でツッコミを入れつつ。
たしかにね。ベラの仕打ちはあんまりですもん。
一番ひどかったのは、エドワードがすぐそばにいるのに、怒ってるジェイコブを宥めようと、彼にキスをせまる場面。
>I’m asking you to kiss me.
いやー、すごいです。ある意味。普通言えないですよ、こんな台詞。こんなこと言っちゃったそのすぐ後じゃあ、エドワードにあわせる顔がない。普通の人なら、ですけど。でもベラは特別な血を持つだけあって(褒めてます)(^^; 平然とこんなこと言っちゃうんですね。
私は心の中で、叫んでました。
あれーー!! ジェイコブにはきっぱり友達だって言ってたじゃん。恋人とかそういうのは無理とか、そういうのはっきり言ってたのに、なぜキスしろと? 訳わかりません・・・。そりゃ、ジェイコブも混乱するって。
私の心を代弁するかのように、私の左隣の女性は憤懣やるかたないといった様子で、友人にベラの悪口をまくしたてていました。
まあ、そりゃあそうですよね。誰だって同じことを思いますよね。きっと左隣の女性はエドワード役のファンなんだろうし。そしたらベラの振る舞いには、我慢できませんよね。
『エクリプス』、もし副題を付けるとしたら、『ベラと二人の下僕たち』かもしれないと思いました。
愛しちゃったほうが負けなんですね。許さざるをえないということで。
結婚している友人が、力説していたのを思い出しました。
「女はねえ、自分が好きな相手と結婚するより、好きだと言ってくれる相手と結婚するほうが、幸せになれるのよ」
好きな相手だと、わがままでさえも、新鮮な魅力になるのかもしれません。
次回作、見に行くかどうかは、未定です・・・・。