「地球大暴露」スタントン菜穂 著 感想

「地球大暴露」スタントン菜穂 著 を読みました。以下、感想を書いていますがネタバレ含みますので、未読の方はご注意ください。

私は元々精神世界に関心があり、これまでも浅見帆帆子さんや奥平亜美衣さんの本を読み、もちろんロンダ・バーンさんの「ザ・シークレット」も読みました。引き寄せの法則も、なるほどーと目から鱗でしたし、本当にたくさんの精神世界の本を読んできて納得したり、ときには首を傾げたり。

玉石混交のこの世界で、私が「地球大暴露」を読んだ素直な感想は、がっかり、でした。私はkindleで購入したんですが、(地元の図書館は怪しげな本は一切入れてくれないので)、読み終わって、残念、と思ってしまいました。買うんじゃなかった。

内容が、他のスピリチュアル本の焼き直しで、使っている言葉は違うかもしれないけど、説いている内容は似たようなもの。

地球メタバース説も、特別目新しい概念とは思いませんし、なにより、本の内容にいちいち違和感を感じて、なかなか読み進めるのが大変でした。

7つの使命って、少なすぎません?カテゴリーに分ける必要性も感じないし、自分が当てはまるものってあんまりピンとこなかった。よくある占いと一緒。少しずつ、いろんな点が当てはまるから、どれと決められない感じ。

地球でいろんな経験をすると決めてきたのなら、7つに分ける必要性もなければ、7つに分ける意味もない。みんなそれぞれ、細かくいろんな要素をもっているのでは?7つ全てを少しずつもっているのが、人間じゃないかと思うのです。

本体はどこか別にあって、この地球が仮想空間、的な感じは、映画のマトリックスもそうだったし、面白い考えだと思いますけど、宇宙人と交信は私にはできなかった(^^;パラレルシフトもできませんでした。

いや、大真面目に呼びかけてみたし、やってみましたよ。でも結果はなにごともなし。

それと、思ったのが、地球がゲーム場なのだとしたら、暴露したら駄目じゃない?すごい根本的な話になってしまいますが、そもそもネタバレしたらいかんのではないかと。ゲームに行き詰った人個々に、そっと助けが入るならわかるけど、この本は何回も増刷されて大ベストセラーですよね。当然、宇宙人は菜穂さんを排除するのでは?だって、困るじゃないですか。ネタバレしたら。ゲームを楽しんでる大勢に影響が出てしまう。

地球に来れることは、宝くじよりすごい確率の幸運なのに、それをぶち壊すようなこと、宇宙人が黙ってみているかなあ。

「地球大暴露」は、全編通して、私にはピンときませんでした。商業用の本だなあと思います。

スタントン菜穂さんはどういう人なのかと思って調べたら、世界屈指の名門校ル・ロゼに通われていたとか。とても特別な方なんだと思います。学費は年間2000万円ですよ。もちろん学費以外も余裕がなければ通えませんし、友人ともお付き合いできませんよね。かなりの資産家の娘さんなのでしょうが、いじめ、ストーカー問題、離婚、シングルマザーなどで苦労されたそうです。

でも違和感。いじめは経済的に裕福な子弟であってもつらかったでしょうが、ストーカー??

理不尽なストーカーに対しては、かなりの部分、お金で解決できたと思いますが。SPを雇うことも、弁護士をつけることも。お金があれば困らないです。もし相手が本当におかしな人で、逆恨みで、どんな対策も意味がないというような大変さなら、名前を出してベストセラー作家として登場するのは危険です。まして顔を出すのはまずいのでは?

離婚もシングルマザーも、経済的に裕福なら、相当解決できることが多いと思うのですが、そんなに苦労されたのかなあ。精神的な面で、というなら、そのとき宇宙人のアドバイスはなかったのかな。スタントン菜穂さんは、子供のころから宇宙人と会話できたのでは?

浅見帆帆子さん、奥平亜美衣さん、スタントン菜穂さん。3人の、スピリチュアル世界では有名な女性たち。ふと気づいたのですが、皆さん離婚している・・・。

離婚した方が幸せ、という結婚ももちろんあるとは思います。でも、幸せな家庭をつくるというのは、幸せというものの基本中の基本じゃないかなあ。まして、3人ともお子さんいらっしゃるんですよね。そりゃもう、お子さんにしてみたら、実の両親が仲良くしている家庭で育つのが、一番幸せだと思うのです。

独身なら、なんでも経験だと笑い飛ばせるし、ひとりで好きなことに挑戦する人生もありだと思うけど。もし子供がいるなら。できれば、両親仲良く、育てられた子供は幸せだと思う。

浅見帆帆子さんは、最初の結婚離婚のことは語らないし、再婚に関しては旦那さんが離婚後1年もたたずに入籍というのは訳アリなんだと思うし。奥平亜美衣さんは、離婚して、とても寂しそうに見える。スタントン菜穂さんは、今は著書がベストセラーで張り切ってる感じがするけど、本当に幸せで満たされてたら、この内容を本にして売ったりセミナーにしなくても悠々自適で暮らせるんじゃ?と思ってしまう。なんだか、お金お金って感じが見えてしまって。

精神世界を求めるのは、ほとんどの人が現実世界にさまざまなトラブルがあって、なんとかそれを打破できないかともがくからだと思う。なのに、教えてくれる本人があんまり幸せそうじゃないと、その教えは本当かな?って思ってしまうよ。

浅見帆帆子さんの本も、最初出会ったときは衝撃でした。こういう考え方があるんだ!と。でもその後、離婚や再婚、前妻の子供への配慮などを見ていると、うーん・・・帆帆子さん自身が、自分が説いた考えに沿ってないんじゃないかなあ。

奥平亜美衣さんも、だんだん人気が出て経済的に余裕が出たら離婚・・・たまたまそのタイミングだったのかもしれないけど。奥平さん自身が今、あまり幸せなように見えない。なんとなくですが。

スタントン菜穂さんも、電通出身と聞いて、ベストセラーはやはりマーケティングの勝利かなと。評判が評判を呼んだ。

でも新入社員で会長秘書は、ちょっと盛りすぎでしょ(^^;小さな会社ならともかく、いきなり新入社員で会長秘書はないよなあ。正規の秘書のアシスタント、だったのでは?どんなに優秀な人でも、入社後すぐに会長秘書って、あり得ない気がする。他の会社で秘書経験後ってわけでもなく、新卒で電通に入社しているようなので。私、「地球大暴露」をkindle購入する前にこの経歴を知ってたら、買わなかったですよ。経歴盛るのは信用できないので。

さすが電通と思うのは、「地球大暴露」に関する悪い評判が、ほとんどないことです。私は読んでみてかなりがっかりしたので、他の人のレビューが気になってみてみたら、批判はほぼないのでびっくり。単に私に合わなかっただけなのか、それとも、悪い評判がネットに載らないようになっているのか。

ところで「地球大暴露」って、最初見た時「「地球大爆笑」だと見間違えて、面白そうなタイトルだなあと思っていました。私だけか(^^;「ドリフ大爆笑」的なものを想像してしまいました。

井戸のある土地

うちの近所に、とある廃屋があった。10年以上、誰も住まないまま朽ち果てた。樹木は生い茂り、雑草は繁茂し、隣地まで越境してそれはそれは、凄まじい廃墟だった。

元歯医者さんで、家の中には当時の道具がたくさん置いてあるらしかった。歯医者さんの娘(おばあさん)が老人施設に入った後、どんどん朽ち果ててそのままになっていった。しばらくして、おばあさんは施設で亡くなったとのことだが、家はそのまま、見捨てられていた。

屋根の上のアンテナが倒れたりして、見るからに危険だったその廃屋が数年前、解体された。屋内からはおびただしい量の歯医者時代の薬や機材が運び出された。

たぶん、放置されていたのはこれも原因だったと思う。薬とか機材などの危険物は、まとめて処分できずにある程度人の目で分別する必要があり、莫大な処分量がかかるから。土地は100坪あるし人気区域ですぐ売れるのに、10年以上廃屋だったのは、たぶんこの処分費が原因だったんじゃないかと思う。それこそ、解体の費用は1000万円越えになったのでは?その後、土地が売れて相続人が等分したにしても、だれかがこの費用は前もって払う必要があるし、あまりにも高額で、誰かが仮に払うにしては負担が大きすぎる。

最後まで住んでいたおばあさんは独身で、子供がいない。廃屋の土地はおそらく兄弟、もしくは甥姪が相続するんだろうけれど、お金をもらうならともかく、払う話は揉めても不思議がない。

ボサボサのジャングルだった土地が、綺麗に整地されたとき、私は北西に、竹の筒のようなものが刺さっているのをみつけた。井戸である。

古い家だから、井戸があってもおかしくない。おそらく北西のあの位置に台所があったんだろう。

土地を買ったのは業者らしく、その業者は、すぐさま3軒もの家を建て始めたのでびっくりした。この田舎で、100坪に3軒は狭すぎる。どんなに狭くても、この辺だと1軒の土地は50坪だ。都会じゃないんだから。

しかし、あっという間に3軒は完成した。それも、不思議なことに敷地の北側を大きくあけて。

普通は南側をあけて庭にするので、近所の人たちはみんな訝しんでいた。なぜあの家は、敷地の南側をあけずに、北側をあけるのか。

100坪の土地に無理やり3軒、つめこんだ建売。ギリギリ南側に寄せたので、南側の家の二階の窓と、3軒の家の二階の窓は、どちらも至近距離になってしまい気まずい感じだ。業者なら、南側の家にもっと配慮すべきだろう。

しかし私は知っていた。そう。北西に刺さった竹の筒。あれは井戸の跡。3軒を敷地の北側に寄せて建てれば、まさに、建物が井戸の上に建つことになる。建築業者はそれを避けるために、3軒を南側に寄せて建てたのだ。隣地の、南側の建物と接近するのを承知の上で。

井戸のある場所は、3軒の駐車スペースとなった。1軒当たり2台分。これがまた、みるからに狭くて入れにくい。駐車スペースなら、井戸の上でもいいんだろうか、なんて興味深く見守っていたけれど。

この土地。やはり訳ありの流れとなってしまった。まず、3軒完成したものの、明らかに、素敵な感じではない。無理に、南側の隣家に寄せているので狭苦しいし日当たりはイマイチだし、駐車場も入れにくそう。

そんなわけで見た目が残念なので、誰が借りるんだろう?と思ったら誰も入居しない。

これ、まさか賃貸じゃなく分譲?いやいや、この近辺でいかにも建売という新築を100坪に3つ詰め込んだら、売れるものも売れやしないよ。一戸建て賃貸なら、物件が少ないから需要はあるかもしれないけど。近くに大きな工場があって、従業員の人でアパートが嫌と言う人もいるだろうから。一戸建て賃貸は貴重なんだよ。

でもね。結局だーれも入居しないまま一年。賃貸サイトにも載らない。3軒のうち、一番住みにくいであろう真ん中の家だけは、ときどき軽自動車がとまっているのでもしかしたら入ったのかも。でも両隣は、相変わらず人の気配なし。

1年経った頃、3軒の内、一番道路側の家が売りに出たんだけど、1年を過ぎてるから中古物件の扱いだった。未入居として売りに出されてた。でも変なんだよ。異常に高くて、5000万円。いくら高く見積もっても、相場より1500万円も高いなんて異常でしょう。近くでは、70坪前後で3800万円くらいで新築が売り出されてます。

わざわざ条件の悪いここを、5000万円で買う人なんているんだろうか?興味深く眺めてたら、そのうち売却情報は引っ込められていた。誰か買ったのかと思ったけど、人の気配は相変わらずなし。ただし、新築当初から1年半たった今、2軒の家にはプロパンガスが設置されている。道から一番奥の家は、もしかしたら、家の影でみえていないだけかと思う。

住んでる人がいないのに、プロパンガスだけが配置というのも、不思議な話だ。今日通りかかったら、この夏の日差しと高音で、3軒とも草がぼーぼー生えていた。真ん中の一軒も、車が駐車されず、静まり返っている。

住んでたら、玄関回りの草ぐらいはとるだろうし、入居していたらしき真ん中の家も、1年経たずに出て行っちゃった?

3軒もの建築費を早く回収しないと、資金繰りも苦しくなるだろうに、この3軒を建てた会社はいったいなにを考えているのだろう。なにか不測の事態でも起こったか?

やはり、井戸のある土地はなにかと、トラブルがあるんだろうか。井戸に加えて、10年もの(いや、廃屋になる前から生えてたから、30年ものでもおかしくない)の大木を、きちんと供養して撤去したのだろうか。

不穏な雰囲気の漂う3軒の家。今後の行方が気になる。井戸も、樹木も、きちんと供養した方がいいと思う。

遠野なぎこさんの毒親

遠野なぎこさんの自宅で、遺体が発見されたというニュース。痛ましいです。個人事務所だからなのかその後の発表もなく。NHKの朝ドラで一世を風靡した人の最後としては、あまりにもさびしい。

遠野さんは、母親から虐待を受けていたそうですが、それでも母親に愛を求め続けた。

ただそれは、無理だったと思う。どうあがいても愛をくれない相手から、愛を求め続けても自分が傷付くだけだから。お母さんは変わらなかったでしょう。

最後、お母さんは自死されたそうですが、もし遠野さんが献身的にお母さんの面倒をみていたとしても、結果は変わらなかったと思います。だから、遠野さんは絶縁していて正解だった。離れていれば、それだけ傷が少なくてすみますから。

遠野さんは兄弟とも絶縁していたそうですが、兄弟は結局、お母さんの子供なので、それも無理はないというか。お母さんの遺伝子を受け継ぎ、お母さんに育てられれば、それはもうお母さんのような兄弟になってもおかしくない。

遠野さんとわかり合えなかったとしても、当然だと思います。そのことによって遠野さんはとても孤独を感じたでしょうけど。

どんな親に当たるかというのは、運です。親に限らず、家庭環境含め、すべてが運。生まれてきたときにある程度決まっている。

何不自由なく愛されて育つ子もいれば、極貧の中、虐待されて育つ子もいる。理不尽だといえばそれまで。でもそれがこの世の理だと思う。

もし遠野さんに相談されたら。私はきっと、諦めと、妥協を提案していました。まず、諦めること。

もう仕方ないですから。幻を求めても、余計に傷付くだけ。もはや諦めるしかない。認めたくないけど、認めるしかない。自分の親が毒親であると。

それから、妥協、ですね。できる範囲で、自分を褒める。自分の人生に意義をもたせる。

遠野さん、妹や弟の面倒をみたそうです。自分だけが虐待されて、それでも、虐待されない妹や弟を虐めるのではなく、食事や生活のお世話をした。立派です。

たとえ誰が褒めなくても、素晴らしいことだったと思う。当の妹や弟は、遠野さんが除外された、母親の再婚相手の籍に入り、そのことで遠野さんは弟妹が裏切ったように感じたようですが。

仕方ないです。母親も、弟妹も。人の気持ちを変えることはできない。

遠野さんには、自分で自分をほめてあげてほしかった。よくやった。すごいと。弟妹は遠野さんに助けられて、普通の人生を歩めた。そのことだけでも素晴らしいじゃないですか。そう考えると、遠野さんも救われたんじゃないかな。

生まれた時から家庭環境を選ぶことはできず、親兄弟も選べない。だから、後は妥協するしかないです。いいところを見て、ちょっとでもいい方向を選ぶ。そして自分を褒める。

遠野さんは家族には恵まれなかったかもしれないけど、そのぶん幸運だったことは、芸能人としての成功でしょう。どんなにお金やコネを積んでも、売れない人は売れない世界。本人の努力や才能とは別に、運が大きく左右する芸能界。

遠野さんはNHKの朝ドラで、主役を務めました。それって、ものすごく稀なことであり、幸運だったと思います。家族に恵まれなかった分、そういうところで運がまわってきたのかも。

朝ドラの主役をやって、それっきり・・・ということもありませんでしたね。いくつかのドラマに出て、テレビのバラエティーでも毒舌を買われ、一定の知名度がある女優さん。芸能界を目指す人は多いけれど、こうやって実績を作り、代表作もあり、名前を挙げれば多くの人が、ああ、と思い出す女優さんになったのは、すごいことだと思う。

だから、諦めて、妥協してほしかったなあと思ったりします。絶対に手に入らないものを求めて求めて、傷だらけになってた気がする。

親との関係性が悪い人って、結構多いと思います。いちいち口に出さないだけで。そして、虐待は受けていなかったという遠野さんの弟妹だって、遠野さんに知らないところで、いろいろあったと思います。遠野さんにあれだけの虐待をしたお母さんが、弟妹だけには何一つひどいことをしない、なんてことはないでしょう。

遠野さんの前では、遠野さんだけを虐めたかもしれない。でも、遠野さんがお母さんから離れたら、ターゲットは弟妹に向かっていたのではないかなと思います。自死されたお母さんを発見したのは弟さんだったようですが、弟さんもまた遠野さんとは別の、虐待を受けていたのではないでしょうか。そして弟さんは、有名人である遠野さんが発信する、「母からの虐待」という言葉に、傷ついていたと思います。

今も、虐待に傷付き、毒親との関わりに悩む人は多いと思うので、考え方として、「諦め」と「妥協」を取り入れてほしいです。

あなたの人生には意味がある、と思います。自分が傷付いたから、誰かを傷付けまいとした、優しくした、そしてあなたの犠牲の上に、誰かの「普通の人生」が成り立ったなら、それは素晴らしいことだと思います。誰が知らなくても、それはすごいことなのです。

遠野さん。発見された遺体が本人なら、今は苦しみを忘れて、安らかに眠っているのでしょうか。生きていてほしかったけれど、今安らかな気持ちでいるなら、苦しみがなくなったことをよかったと思います。どうか、安らかに。

「暗殺」柴田哲孝 著 感想

「暗殺」柴田哲孝 著 を読みました。以下、感想を書いていますがネタバレ含んでおりますので、未読の方はご注意ください。

読み終わって、「すごい。よくここまで書いたなあ」というのが、まず一番の感想でした。陰謀論という言葉で上手に真実を隠してきた手法が、今後はもう通じない世の中になっていくんではないかと、そう思います。

インターネット上では膨大な情報があって、玉石混交ですが、中には必ず真実のものも含まれているわけです。昔なら、怪文書など広める手段は限られていたけれど、今は一瞬で世界に広がる。安倍首相の暗殺について様々にささやかれてきたネット上の憶測の中にも、必ず真実のカケラはあったはず。けれどネットに触れない世代にはそれは届かなかった。それが、今回は書店に置かれる本という形で、ネットに触れない層に向けて発信されたんです。その意義は大きい。

フィクションを謳うこの本の、どこまでが真実で、どこまでが虚構か。それを知ったら、これからの政治を見る目が変わるかもしれない。

私はもう、「田布施」の文字を見ただけで、ものすごい衝撃を受けました。日本の政治の歴史の中で、「田布施」の謎は大きく、闇は深い。田布施についてささやかれる様々な噂が、いっきに頭の中によみがえってきました。その「田布施」を、元首相の名前に使うというこの意味!

田布施という名の首相、もちろん暗殺された安倍晋三元首相がモデルですよね。私は安倍さんについて元々詳しいわけではないし、安倍マスクの配布のときなどは感謝してこのブログでも記事にしたぐらいですが、その後、安倍元首相の暗殺があり、暗殺をめぐるさまざまな情報に触れて、田布施の地名もその中で知って、興味を持っていました。

この本の中では、統一教会とおぼしき宗教団体の話もでてきますが、重く深くうならされます。安倍元首相が暗殺されなかったら、きっと出てこなかったつながり。岸信介時代からの秘密。

ケネディ暗殺におけるオズワルドが、山上被告だとしたら、その背景にあるのは何か。

たしかに、山上被告が宗教二世で辛酸をなめてきたという背景は、暗殺の動機としてはおかしくはないけれど、素人が作った手製の散弾銃が周囲に全く被害者を出さず、安倍元首相「だけ」をピンポイントで死に至らしめるのかと言うと、疑問が残りますね。

撃たれた角度の話、消えた銃弾、急きょ変更された応援演説の地。

仕組まれた暗殺計画で、内通者がいて、山上被告がオズワルドに仕立て上げられたとすれば、全部辻褄が合ってしまう。

ネット上では当然のように語られていたことが、出版して本という形になったということが、凄い。

陰謀論なんて嘘でしょ、陰謀論なんて怪しい、そう思っている人にこそ、読んでもらいたい本です。

今夜の月は

今夜の月は、ぼんやりと雲がかかっている。どの季節も、月をみるとなぜか、昔のことが思い出される。

私にとっての昔のこと、とは、東京に住んでいたときの記憶のことが多い。夕暮れの風、光、散歩道で出会った人。

月をみていると、そんなことを思い出す。

独り暮らしをしていた部屋から、毎日通っていた職場、スーパー。

あの頃は、ものすごくよく歩いた。金曜日は、電車を使わず会社から家まで、歩いて帰った時期もあった。3~5時間ぐらいかかっただろうか。気になるお店に立ち寄りながら、ときには四谷でクレープ食べながら。あのクレープおいしかったな。

歩きすぎて、足の裏はひどく傷んだ。もともとハイヒールなんて履かず、歩きやすい靴を選んでいたけどそれでも。靴の底は擦り減ったり。なにより、自分の足の裏がひどく荒れた。白くなり、ひび割れ、まるでお年寄りのように。

油分が足りないのかなと思っていたけど、そんなに歩かなくなったこの頃の自分の足は、あの頃よりずっと綺麗だ。すべすべで、冬になっても白くひび割れることはない。

あの歩きすぎが、足をずいぶん痛めていたんだなと思う。今はもう、そんなに歩くことはなくなった。

昔と変わったのは、文章を書くペース。昔は憑かれたように文字を綴っていた。今は、書きかけては消し、書いては消しの繰り返し。

ブログの間隔も、ずいぶんあくようになった。昔は、言葉があふれてとまらなかったのにな。

昔は、歩くと気持ちが整理されたんだよね。だから歩いた。どこまでも、どこまでも。

今は。歩く代わりに、畑で土に触れているのかもしれない。畑で育てる野菜は癒しだ。農薬や化学肥料を使わなくても。自然の力だけで育つ野菜や果物はおいしい。

歩かなくなった私は、それだけ年をとったんだなあと思う。書くペースが落ちたのも、そうかな。ログインして何度も書きかけて、でも消している。

でも久しぶりに、今日は書けた。きっと月のおかげだ。