大東建託のアパートが建ちすぎて不安

いくらなんでも、という感じで、うちの周りに大東建託のアパートが建ち続けています。学校が近かったりスーパーや銀行などが揃っていて暮らしやすい土地であるのは確かですが、それにしても限度があるかと。

半径250メートル以内に、ここ3年で新築のアパートが大東建託だけで4棟目です。東建コーポレーションやレオパレスのものも含めると、6棟。元々あった古いアパートを加えると、狭い範囲で合計9棟もの賃貸物件がひしめきあっている計算です。

それだけの需要があるか、といえば答えはNO。例えば大東建託で3年前に建てられた物件A。8戸のうち、3戸はすでに空室です。建てた当初は満室でしたが、次々と人が入れ替わり、現況がこれです。まだ新しい賃貸物件としては結構な空室率ではないでしょうか。それなのにまた、200メートルも離れていない場所に、また大東建託のアパートBが建ちます。さすがに、異常だと感じました。

その物件Bのすぐ向かいには、大東建託ではない築27年のアパートが一棟X。ここは、3戸のうち1戸が空室ですが、相当な家賃の値下げがない限り、ここが埋まることはないと思われます。

無計画な新築の連発は、その土地の未来像みたいなものを、まるで無視した暴挙だと思います。お店とは違って、もし経営がうまくいかない場合でも、建物の場合は撤退(撤去)ということはないわけで。ずっと、数十年その場所に建ち続ける。

融資を受けて建てられた建物。返済が滞れば、抵当権の行使で競売。所有権を手にするのは誰か。その土地に全く関係のない、愛着もない、ただ投資としての感覚しかもたない人が経営を始めれば、また入居者の質も変わってくると思います。

まだ、地元の人がオーナーである限りは、周囲に対する配慮もあると思いますが、オーナーが遠隔地にいると、儲かりさえすればどんな人が住もうが、近所と軋轢が生まれようが、構わないということにもなりかねない。

あるいは。将来的に老朽化したとき。修繕にも再建築にもお金がかかるということで、放っておかれる危険性も考えられます。所有者が転々とすれば、責任者を特定することも難しい。台風のときなど、危険物が飛んでも、近隣の人には訴えていく先がない。

住む人もいないのに、需要もないのに、もう十分他にたくさんの賃貸住宅があるのに、まだ建て続けるのは、会社に利益が上がるからなのでしょうか。なぜここにまた、新しい新築の棟を建てるのか。地主さんは相続税対策で説得されたのかもしれませんが、新築時だけ無理に部屋を埋めたとしても、すぐにまた空室が生まれるのは目に見えています。すぐそばにある同じ会社の同じような建物が、8戸中3戸も空いているのに・・・。

賃貸の場合、大家さんがよほどしっかりしていないと、いろんな問題が起きたりしますね。例えば、これはうちの近所のマンションCの話なのですが、ファミリー向けの4階建12戸の物件。ここは大東建託ではないのですが、ゴミ置き場の問題で近隣に迷惑をかけています。

なんと、この物件には専用のゴミ置き場がないのです。それで、近くのゴミ置き場を利用させてもらっている形なのですが、そこは自治会が管理してまして、ちゃんと当番がいるんですよ。みんなが交代で、掃除したり、違法なゴミは自宅に持ち帰ったりして、きちんと管理している。マンション住人は、その場所を使うのです。でも自分たちは当番はやらない・・・。

このマンション。もともとは自治会にも加入していたし、ゴミ当番もやっていたんですけどね。去年から自治会をやめたのです。理由は、役員をする人がいないから。賃貸の人だと、自治会活動に非協力的な人も多く、役員をやる人が毎年同じになってしまって、その人たちが悲鳴を上げたらしいです。いくらなんでも、自分たちだけが毎年やるのは無理だ、と。

賃貸だと、どうしても地元への愛着は希薄になってしまう。数年で引っ越す人もいますし。それは仕方のないことだと思いますが、ゴミの出し方がいいかげんになるのも事実で。

一戸建てで住んでる人だと、やっぱりゴミ出しなんかもしっかり分別するんです。その土地にずっと住む覚悟で、自分たちでゴミ当番をやっていますから、真剣にもなります。でも、賃貸マンションの人たちは、どうしてもその点が緩くなってしまう。いつか、その土地を離れていく前提の人が多いから。

マンションが自治会をやめるという話になったとき、ゴミ置き場の話も協議されたようですが、自治会の方でマンションの管理会社に話をしようにも、なんとそのマンションの権利は、複数の会社が共有しているとのことで。責任者、というのを特定しづらく。

元々、このマンションは新築当初(30年前)地元の人がオーナーでした。その後、建物が古くなって入居率が低くなり、困ったオーナーはマンションを売却。それから転々と、いろんな会社が転売をして、結局、今は複数の会社が所有権を持つ、複雑な形態になっているらしく。その複数の会社からしたら、少しでも経費をかけたくないのでしょう。マンションに専用のゴミ置き場を設置するのには、まずお金がかかる。それから、その後の管理費用も定期的にかかる。

賃貸物件のゴミ置き場は、一般的に汚いのが多いです。みんなが顔見知りの住宅街で、みんなが当番をやっている場所とは、当然違ってきますよね。賃貸物件で当番制が無理なら、お金で、業者に清掃管理をお願いするしかない。それをけちって、地元住民が当番制でやっているゴミ置き場を使うのは、ずうずうしい話だと思います。

今建築中の、大東建託の物件Bも、せめてゴミ置き場は、専用のものを作ってくれればいいのですが。

複数の会社に所有され、いろんな問題をはらんでいるマンションCの姿は、ここ数年で一気に乱立した新築アパートの姿と重なります。今は新築。当初は満室であっても、この後どうなるんだろう。地元オーナーの手を離れ、権利関係が複雑になって、自治体にも入らず、地域の中で孤立していき、その先は?

地域に、うまく溶け込んでいるマンションもあるんですけどね。例えば、近所の大規模マンションD。ここは、すぐそばにオーナー家族が住んでいて、2棟のマンション(全部賃貸)の自治会関係を、全部その大家さんが引き受けています。大きなマンションで世帯数も多いので、そのマンションだけで、ひとつの隣保を形成しており。役員も必要なんですが、そこは大家さんがやってくれているのです。地域の情報(回覧板)に関しては、ファミリー棟は普通に回覧板を回し、もう一棟の独身者用では、回覧板を回さずに大家さんが掲示板に掲示することで対応。そりゃそうです。一人暮らしの人は家を空けることもありますから、回覧板を回しても、どこかで長期間止まってしまったりするし、実質、独身の人にとっては自治会のお知らせで重要なものはあんまりないから。ゴミ置き場も、マンション専用のものがあり、大家さんがやっているのか業者なのかわかりませんが、いつもきれいに管理されています。

こういうマンションなら、近隣の人も安心です。なにかあったときに、話せる相手(大家さん)が近所に住んでいるんですから。大家さんだって、自分の家が近所にある以上、マンションをしっかり管理しますよ。目につくわけですから。

自治会って、面倒なようでいて、とても大切だと思う今日この頃。たとえば、地震や津波など大災害があっても、自治会がしっかりしていれば、近所同士で助け合うことが容易になります。市役所も、被害状況を把握したり、支援物資を配ったりするのに、個々を相手にするのではなく、隣保単位で連絡をとれば、正確だし、効率的です。

たとえば、○班○隣保は、○世帯、○人とわかっていれば、そこにまとめて物資を届けられます。届けられたものは、隣保長が配ればいいわけです。そのとき、隣保内にケガ人がいたり、なにか困ったことがあれば、近所同士で助け合えます。

自治会に入らず、日頃から顔も名前も知らないという関係は、なにかあったときに弱いです。もし建物に閉じ込められていても、誰にもわからない。賃貸で自治会は面倒、というのは理解しますし、一人暮らしなら尚更、自治会活動に参加するのは難しいかもしれませんが、そこは大家さんが責任を持つことで解決できます。

賃貸物件に入るなら、そういうところも条件の一つに挙げると、住みやすくなるかもしれません。大家さんが、自治会の活動をある程度担ってくれていること。これ、案外大切なポイントかも。近隣と断絶して暮らして、いいことなんてありませんから。

それにしても。今後十数年で、うちの近所の景色はどう変わるんでしょう。一戸建てが増えるのは活気が出るし、嬉しく微笑ましく見ていましたけど。賃貸物件を、無計画にどんどん増やすことには、危険を感じます。田舎だし、古くなった賃貸に住む人の数、これからどんどん減ってくると思いますよ。それくらいなら、土地を買って自分の家を持つでしょう。同じ時期に、一気に新築した物件たち。老朽化するときも、一斉に、ですね。

先日、自転車に乗って外出したら、行く先行く先、大東建託の建物が新築されていて、びっくりでした。すごい勢いです。もちろん他の会社もありますが、この流れ、すごく不自然です。人口が爆発してるわけじゃないんですから。既存の賃貸物件はますます空室が増加するだろうし、建てればいいという話ではないと思います。

モデルルームを見るより大切なこと

私、モデルルームを見るのが大好きです。

といっても、現在家を建てる予定はないので、自分で出かけたりというのはあんまりないんですが(^^;

ただ、過去に不動産系の資格をとるために学校に通っていたことがあって、そのときの授業の一環で、マンションのモデルルームをみんなで見学に行ったり、複数の会社が共同でやっている住宅展示場を、回ったりしたんですよね。

とても楽しかったし、各会社のセンスの違い、などもわかって勉強になりました。デザインは会社によってそれぞれ特徴があるし、どこまで設計が自由になるか、もそれぞれで、こうしたモデルルームが、家を建てるときの参考になるというのはよくわかりました。

でも、本当に大切なもので、忘れがちなことがあると思うのです。

それは、実際に建てる、大工さんがどんな仕事をする人なのかということ。モデルルームよりも、実はこちらの方が大事なのかもしれない。どんなに気に入った家も、建てる大工さんによっては、モデルルームの通りに出来上がらないわけで。

実はなぜ、私がこんなことを考えるようになったかというと、うちの近所で現在建築中の家が、あまりにひどい状況だからです。私が施主だったら、居ても立っても居られないくらい。とにかく、現場が汚くてびっくりなのです。

そもそもゴミ箱のようなものが一切ないのは気になっていたのですが。他の現場だと、普通に置いてあります。鉄のコンテナ、大きな奴です。たぶんレンタルだと思うのですが、あれが一つおいてあると、出入りする業者さんが複数いても、みんなゴミはそこに入れますよね。

でも、私が気にしているAさん宅は、ないんです。そのゴミ箱。完成が近づいて撤去されたわけじゃなく、最初からない。先日散歩途中に見てみたら、ゴミが散乱しているだけでなく、内装用の木材がむき出しのまま、放置されていました。そばには、おそらくそれを覆うためのブルーシートが、放りだしてありました。次の日には、雨の予報だというのに・・・。

木材は、使用前に乾燥させているわけで。しかも内装に使うものなのに、雨に濡らしていいんでしょうか。もし自分が施主だったら、この現場を見たらたまらないな~と思いました。でも、どういう風にクレームしたらいいのか、それも迷うところです。ストレートに言えば、気分を害してしまうかもしれません。表面上は従っても、腹を立てて見えないところで手抜きをされてしまうかもしれない。それを思うと、大工さんになにか指摘することは(間接的であっても)、慎重にならざるを得ません。

この状況にあって、最高の解決策、というのは考えてもみつかりませんでした。では、自分だったら、どうするだろうか。真剣に考えてみました。

一番いいのは、まずそういう大工さんと縁を持たないことですよね。そのためには、モデルルームでなく、実際に建築中の家を見に行くしかないと思いました。会社専属の大工さん、あるいは下請けの大工さん、どちらにしろ、そこの会社で家を建てるということは、その会社の大工さんが建てるわけですから。

実際見に行ってしまえばいいのです。別に敷地内に入るわけではありません。外から見える範囲で十分です。一日の仕事の終りに、道具や材料がしっかり片付けてあるか、ゴミが散らかっていないか。それを確認するだけですから。

私は以前にも、こういうゴミだらけの現場を見たことがあって。意外にこういうことって、多いんではないかと思いました。いい加減な人は、いつもいい加減な仕事をするし、きちんとした人はいつも、きちんとした仕事をするでしょう。見分けなければ大変なことになります。

家の不具合は、すぐ出るとは限りません。見えない瑕疵は怖いです。もし保証期間があったとしても、その交渉や再工事のわずらわしさなどを考えると、最初からしっかりした家を建ててもらうのが一番いい。それに、そうしたいい加減な現場で生まれた瑕疵がもし発見されたら、それは一つではないでしょう。モグラ叩きのように次から次へと問題が起きたら、そもそも家を建てたことを後悔することにもなりかねない。

モデルルームだけでなく、その会社が実際に建てている家を見に行くこと、それも一日の工事時間が終わって、片付けた後の様子を見ること、それこそ忘れてはならない大事なチェックポイントではないかと思いました。

福井駅には恐竜がいます

所用で金沢に行った帰り。福井で一泊したのですが、福井駅前に恐竜がいました!

何も予備知識なしで行ったので、最初は気付かなくて。信号待ちのとき、妙な鳴き声が聞こえてキョロキョロしてたら、なんと! 大きな恐竜が三体も!

声も出るし、動くのですよ、このモニュメント。観光客もそうですが、出張と思われるお父さんたちが、キラキラした少年の目で、何枚も写真を撮っているのが印象的でした。恐竜を見ると、みんな童心にかえりますなあ。

私も興味津々で、しばらく恐竜の前に佇んでおりました。月には月見草だけでなく、恐竜もよく似合います。暗くなり始めた空、昇り始めた月、そして、恐竜の影。

恐竜も、遥かな昔に、やっぱり月を眺めて物思いにふけっていたのかなあ、とか。

学術的に的確な恐竜の動くモニュメントが、駅前広場に設置されるのは世界初だそうです。これ考えた人、アイデアマンだわ。センスが素晴らしい。

恐竜と月を見上げていたら、なぜか懐かしいような気持ちになる。なんだろう、このノスタルジイ。そんな時代に生きていた記憶などないのに。

恐竜が生きていた時代のことを、想像しました。豊かな植物と、温暖な気候。地球上が今とは違った景色でも、月だけは変わらず空にあって。

福井駅には浪漫があります。

家庭教師、チケット制に思うこと

今日も家庭教師の話。

今、私が教えている生徒は、業者とチケット制の契約をしている。チケットを使った分だけ、支払うというシステムだ。そして保護者の方は、子供に勉強のくせをつけさせたい、良いペースを作りたいとのことで、できるだけ少しずつ、チケットを使いたいと考えているとのこと。

少しずつ使えば、長く持つからね。一度にたくさん使えば、早くチケットがなくなってしまうというわけ。

しかし、これは大きな間違いだったりする。

なぜか。答えは簡単。一刻も早く、進度の遅れを取り戻し学校の授業に追いつくことが、結果的には、最も安く教育費を抑えることになるから。

とにかく早く、遅れを取り戻すことが大切だと思う。少なくとも、学校の授業に追いつくまでは、全力を注いだ方がいい。いったん授業に追いつけば、毎日学校で授業を受ける時間を無駄にしなくてすむ。

勉強がひどく遅れてしまっている子供の場合、学校の授業のほぼすべてが、ちんぷんかんぷんである。なにを言ってるのかさっぱりわからない。その時間は非常にもったいないし、かつ苦痛でもある。

いったん追いついてしまえば、自主学習、宿題にも対応できるだろうが、ひどく勉強が遅れてしまった生徒の場合、何から何まで、(それこそ英語の単語ひとつの覚え方から)、マンツーマンで丁寧に教わらないと、自分ではなにもできないのが現実だ。

私が教えている生徒も、たぶん学校の授業は全然理解できていないだろうなあ、というくらい遅れてしまっている。だから、授業よりももっと前の段階、下手をすると学年をさかのぼった段階から、少しずつ学んでいくしかない。

親は、「一定のペースで勉強の癖をつけて・・」と思っているかもしれないが、そんなレベルではない。週に1回、2時間で2教科の遅れを取り戻せるほど、甘いレベルではない。

もちろん、家庭教師はとても高額だし、一気にたくさん習うのはもったいないという気持ちはわからなくもないが、要は、ある程度学校の授業に追いついてしまえば、家庭教師がいなくとも、自分で勉強というものができるようになるのである。

そうなったら、それこそ家庭教師なんて要らないし、もし来てもらうとしても、例えば月1回とか、ペースを落とせばいいのだ。(でも月1回というのは、業者だとそもそもコースがないのかな)

チケットをずっと同じペースで使うのではなく。最初に一気に使うことが、もっとも効果的で、安上がりな方法だと私は思う。

そして、1回の指導時間についても、それはもう、長い方がいいのだ。家庭教師の1回あたりの平均指導時間といえば、90分や、2時間が人気のようだが。90分間というのはあまりにみじかすぎる。

教える教科も、ほとんどの家庭が2教科以上を希望しているところが多いが、週1回で90分というのはあまりにも短い。ときどき業者からそんな案件の紹介がくると、私は90分と聞いただけで断っている。

短すぎて、成績が上がるとは思えないから。

私が以前教えていた家(個人契約)では、1回3時間を基本にしていた。長いかといえば、そうでもない。複数の教科をやっていれば、あっという間に時間が過ぎる。その家では、受験前などは土日、お昼をはさんで1日7時間教えたこともあった。

それだけの時間をかければ、当然成績もぐんぐん上がる。結果的に、生徒は希望の学校に合格を果たすことができた。

その生徒の場合は、親が本当によくがんばっていたと思う。家庭教師にかけるお金もそうだが、細かなところまでとても気を遣っていた。お金以外の手間暇も、惜しむことがなかった。

休憩時のお茶菓子はもちろんのこと、お昼をはさんだ授業のときは、生徒の分だけでなく、教師の分まで昼食を用意してくれた。共働き(自営)で忙しいご両親だったので、ご自身が家にいないことも多く、そんなときは、用意したものを生徒が運んでくれ、部屋で一緒に食べた。飲食を共にすることで、受験に対して本当に一心同体のようにして、気持ちを通い合わせて挑めたと思っている。長時間の勉強も、教師と生徒に信頼があれば、決して苦痛ではない。

わからなかったところが、わかる感覚。そして、一人ではない、みてくれる人がいるという安心感。そこが、家庭教師のよさだと思う。

ちなみに、親が家にいなかったからといって、気がゆるんで休憩が多かった、とかいうのは一切ないです。ご両親の心遣いはありがたく、嬉しく、私の中では、期待に応えなくてはという気持ちが高まりました。疲れもふっとぶ感じでした。教わる生徒も大変かもしれませんが、教える教師も、長時間の勤務はかなりのエネルギーを必要とします。けれど、ご両親の気持ちがわかるから、がんばれたのです。

お金さえ払えばいいだろう、という、高飛車な態度ではなく。

真心があれば、その心は伝わります。教師にも、生徒にも。

親の、家庭教師に対する態度や気遣いを、子供はしっかり見ている。

そのお宅では、当然のように、子供もまた、家庭教師に対して反抗的な態度は一切なかった。

もし、家庭教師を頼もうと考えているなら、1回90分という条件はやめた方がいいです。最低でも1回2時間。そして、指導教科も、多くて2教科まで。もし教科を増やすなら、その分時間を増やすことを考えないと、引き受ける教師数が激減します。

たまに、指導1回につき90分、週に1回、5教科教えてほしいという案件の話も聞きますが、これを引き受ける教師は、教師の方が怪しいと思う(^^;

繰り返しになりますが、子供が勉強できずに困って家庭教師を頼むのなら、最初に、一気にある程度の勉強量をこなした方がいいです。極端な話、ある程度できるようになれば、家庭教師いらないですから。その時点で家庭教師をやめて独学にするか、あるいは、家庭教師より割安の塾にするか。

家庭教師を必要とするのは、マンツーマンでないと、学校のみならず塾の授業にもついていけないほど遅れてしまっている、そんな生徒なのだと思います。

家庭教師は業者経由か個人契約か、どちらが正解?

家庭教師を、個人契約でも業者経由でもやってみて思うこと。

そりゃもう、個人契約でやるのが一番です。生徒にとっても。教師にとっても。

私が今、教えている生徒は業者経由ですが、その会社で受けた教師としての研修はほぼゼロでした。生徒宅へ初めて向かう前に、支部へ出かけて教わったことといえば、そこの家庭教師派遣会社のシステムについてです。報告書の書き方、提出方法など。そして、保護者に書いてもらう書類の、書き方の説明。(それは営業の仕事なのでは?という疑問がわきました・・・)

保護者向けの説明も、家庭教師がやることになっていました。それもなんだか変わったシステムで、私が聞いても??という感じで、でもそれを保護者に説明しなくてはならないという。

そもそも、保護者と会社間の具体的な契約内容については、全く説明がありませんでした。おそらく個人契約を防ぐために、詳細な契約については伏せられていたのでしょうが、だったら契約をとってきた営業さんが、直接保護者と話すべき、説明すべき事項なのでは?と思ったりしました。私が保護者に「ではこの書類にこれを書いて、この先はこうでこうで、こうなりますので、今後の指導回数については・・・」なんて話をしなければいけないわけです。

そもそもどういう契約内容になっているのか、わからないので、あとで会社のホームページを確認して、おそらく契約したであろうコースを予想し、大体のシステム的なものはわかりましたけども。

コースはわざと複雑にしてるんでしょうね。単純ではないです。たぶん基本料金は安いけれど、なにかにつけて追加料金、という形をとっているようでした。

ただ、それでも他に比べたら良心的な会社だと思います。一気に高額教材を買わせたりはなかったので。

それは、そもそも登録するときに、私が一番重視した部分でした。悪徳な会社経由では働きたくなかったから。いくつかの家庭教師派遣会社のホームページを見て、教材購入が家庭教師とセットになっておらず、かつ、料金が安すぎないところを選びました。

教材については、私はかねがね、不必要だと思っていました。家庭教師というと勉強が遅れた子供が多く(一部は、逆に進みすぎて塾では物足りないトップの子供もいますが)、私が今まで担当した子は、教科書や問題集で十分対応できる子ばかりで、教材は無駄になってしまうのが目に見えていたからです。

そして料金も、安すぎるところは要注意です。たいてい、なんだかんだと追加料金をとられるシステムになっています。たとえば、広告で安い料金をうたっていても、いざ入会となると入会金が必要だったり、事務費、管理費などの名目で、合計額が跳ね上がる、なんてこともよく聞く話です。そんな風に騙して契約させるより、最初から、適正価格で表示してある会社の方が良心的です。

私としては、一応、厳選して登録した会社だったのですが。いざ家庭教師としての契約を結ぶ段になると、気になる点がいくつも出てきました。

保護者向けには、研修を受けたベテラン講師をうたっていますが、研修なんてほぼないですし。保護者との会話で注意すべき点、礼儀作法など、もったいぶって時間をかけて教えられましたが、すべて、一般の会社で働いた人なら当たり前に身につけているマナーばかり。

一貫していたのが、とにかくトラブルをおこすなと。おこせば損害賠償だぞと。

今までにトラブルになった事例を、参考までにと教えてくれたのですが、それって家庭教師の問題じゃなく、仲介してる会社の問題じゃないの?というのが、正直な感想で。

トラブルの大半は、教師と親のコミュニケーション不足が大きな原因かと。これに関しては、日頃から、互いになんでも話せる関係を作っておけば、そんなにトラブルは起きないです。そしてお互いに、常識の範囲内であれば、いちいち細かな注意事項など契約書にいれなくても、業者を仲介しなくても、両者が納得すればそれでいいわけです。

ただ、たぶん大学生だったりすると、社会経験がない分、遅刻や長期休暇などについて、これくらいはいいだろう、的な甘えがあったりして、そこで親とトラブルになったりすることがあるようで。でも、業者経由の家庭教師なら、そういうときこそ仲介会社の出番じゃないの?と私は思いましたけど。教師に責任を押し付けるんじゃなく、そういうときこそ上手く仲介するのが、家庭教師派遣会社なのに、と。

そもそも、常識とか責任感、それから教え方なんてものは、契約書で縛ってもどうしようもないと思いました。常識や責任感がない人が、契約書に書いたからって、別人のように生まれ変わる、なんてことはないわけです。そして、教え方は、研修でどうこうなるものではないし。教え方のうまさも、努力したり研修したりして、そんなに大きな変化があるとは思えません。

家庭教師派遣会社に求められるのは、教師の教える能力と、人柄を見極めることなのではないでしょうか。教え方がうまいひとでないと困るし、かつ、よその御宅に上がって、大切なお子さんの教育に携わる、それを安心して任せられる人間かどうか、その点が重要になってくる。

私が会社に感じたのは、契約書ですべてを縛ろうとする姿勢です。それじゃトラブルも起きるだろうなあ・・・と思っていたら、やはり、決して少なくない数の問題が過去には起きていたようで。無理もありません。トラブルを起こす人は、契約書があっても起こすだろうし、そうでない人間は契約書がなくても、常識の範囲内で振る舞うだろうから。なにもかも契約書に任せきりでは、問題も多くなるでしょう。まずは人を、選ぶ能力がないといけない。なにかあったら、責任は会社にあります。

よく、教育関係のアルバイトなどはブラックだと言われますが、私も痛感しました。教師のさぼりを防ぐためだったり、保護者受けをよくするためだと思いますが、とにかく膨大な量の報告書の提出を求められ、しかも書類作成にかかる時間は無給です。保護者との対談なども無給。授業準備などの時間も無給。

登録後、初めて仕事をする前に、最寄りの会社支部でシステム説明を受けるのですが、その際の交通費も自費です。私が登録した会社は、私の家から離れたかなり遠い都市にしか最寄りの支部がなく、往復の交通費だけで、4時間分の時給が消える計算でした。

仲介の価値、ないです。最初の生徒の紹介はありがたいですが、その後のフォローはほとんどなく、逆に、報告書等々、負荷は重くのしかかる。教科書何ページをやりました。宿題はここをやりました、という報告書の無意味さ。やってますよ~という形だけの証明にすぎないかと。

よく、生徒に合った先生を選抜の上ご紹介、などという広告をみかけますが、実際は、場所と指導科目、指導可能曜日から、登録教師を選んでいるだけです。そして教師の数は圧倒的に不足しているようでした。

もしお友達を紹介してくれたら、紹介料を払います、とスタッフの方に言われましたが。全くその気になれません。個人契約では簡単にすむものが、業者経由ではとにかく規則規則で、報告報告。みかけの時給以上に、無償で働く部分が多いのはひとつの罠ですね。

長々と、業者の悪い部分を挙げてきましたが、結局家庭教師は人なのだと思います。

業者経由だろうが、個人契約だろうが、生徒からすると、いい人に当たればラッキーです。

ではどうすれば個人契約できるのか。そこが知りたい生徒さんも多いかと思いますが、大学生の先生を雇うなら、大学の学生課に電話して聞いてみるのが一番です。その際、相場より少し高めの金額を提示し、応募してきた中から複数名、実際に体験授業をしてもらうのがおすすめ。当然、体験とはいえ提示した時給分はしっかり支払ってください。

教え方は本当に人によって違うし、生徒と教師の相性もあるので、実際の授業を受けてみるとよくわかります。そして、短期の契約を結べばいいのです。短期で雇えば、途中で断りづらいという心配もなくなります。いい先生なら、そのまま継続でお願いすればいいですし。最初から長期の契約にしなくてもOK。この先生なら大丈夫だ、という確信が持てた時点で、長期の申し入れをしても遅くはありません。

留学の予定などがあれば、また別ですが。そうしたことも、面接のときにさりげなく聞いておくといいかも。特段予定のない先生なら、長期でといわれた時点で、考えてくれると思います。

大学生でなく社会人の先生を頼みたいときは、一番いいのは「口コミ」ですね。評判のいい家庭教師だと、口コミだけでどんどん仕事がつながっていきます。人からの紹介だと、あまり外れはないかと。

自分で面接する、というのは面倒くさいようにも思えますが、業者経由にしたところで、別に厳選された人材というわけではないですから。自分で選んだ方が、いい人に当たる確率は高いように思います。

家庭教師の会社はたくさんありますが、業界トップのところでさえ、CMを見た時点で中身がわかってしまうというか。あのCMを見て、電話をかける気持ちが私にはさっぱりわかりません。私が親なら、むしろあのCMを見たら、絶対この会社には頼まないでおこう、という気持ちになります。