大東建託のアパートが建ちすぎて不安

いくらなんでも、という感じで、うちの周りに大東建託のアパートが建ち続けています。学校が近かったりスーパーや銀行などが揃っていて暮らしやすい土地であるのは確かですが、それにしても限度があるかと。

半径250メートル以内に、ここ3年で新築のアパートが大東建託だけで4棟目です。東建コーポレーションやレオパレスのものも含めると、6棟。元々あった古いアパートを加えると、狭い範囲で合計9棟もの賃貸物件がひしめきあっている計算です。

それだけの需要があるか、といえば答えはNO。例えば大東建託で3年前に建てられた物件A。8戸のうち、3戸はすでに空室です。建てた当初は満室でしたが、次々と人が入れ替わり、現況がこれです。まだ新しい賃貸物件としては結構な空室率ではないでしょうか。それなのにまた、200メートルも離れていない場所に、また大東建託のアパートBが建ちます。さすがに、異常だと感じました。

その物件Bのすぐ向かいには、大東建託ではない築27年のアパートが一棟X。ここは、3戸のうち1戸が空室ですが、相当な家賃の値下げがない限り、ここが埋まることはないと思われます。

無計画な新築の連発は、その土地の未来像みたいなものを、まるで無視した暴挙だと思います。お店とは違って、もし経営がうまくいかない場合でも、建物の場合は撤退(撤去)ということはないわけで。ずっと、数十年その場所に建ち続ける。

融資を受けて建てられた建物。返済が滞れば、抵当権の行使で競売。所有権を手にするのは誰か。その土地に全く関係のない、愛着もない、ただ投資としての感覚しかもたない人が経営を始めれば、また入居者の質も変わってくると思います。

まだ、地元の人がオーナーである限りは、周囲に対する配慮もあると思いますが、オーナーが遠隔地にいると、儲かりさえすればどんな人が住もうが、近所と軋轢が生まれようが、構わないということにもなりかねない。

あるいは。将来的に老朽化したとき。修繕にも再建築にもお金がかかるということで、放っておかれる危険性も考えられます。所有者が転々とすれば、責任者を特定することも難しい。台風のときなど、危険物が飛んでも、近隣の人には訴えていく先がない。

住む人もいないのに、需要もないのに、もう十分他にたくさんの賃貸住宅があるのに、まだ建て続けるのは、会社に利益が上がるからなのでしょうか。なぜここにまた、新しい新築の棟を建てるのか。地主さんは相続税対策で説得されたのかもしれませんが、新築時だけ無理に部屋を埋めたとしても、すぐにまた空室が生まれるのは目に見えています。すぐそばにある同じ会社の同じような建物が、8戸中3戸も空いているのに・・・。

賃貸の場合、大家さんがよほどしっかりしていないと、いろんな問題が起きたりしますね。例えば、これはうちの近所のマンションCの話なのですが、ファミリー向けの4階建12戸の物件。ここは大東建託ではないのですが、ゴミ置き場の問題で近隣に迷惑をかけています。

なんと、この物件には専用のゴミ置き場がないのです。それで、近くのゴミ置き場を利用させてもらっている形なのですが、そこは自治会が管理してまして、ちゃんと当番がいるんですよ。みんなが交代で、掃除したり、違法なゴミは自宅に持ち帰ったりして、きちんと管理している。マンション住人は、その場所を使うのです。でも自分たちは当番はやらない・・・。

このマンション。もともとは自治会にも加入していたし、ゴミ当番もやっていたんですけどね。去年から自治会をやめたのです。理由は、役員をする人がいないから。賃貸の人だと、自治会活動に非協力的な人も多く、役員をやる人が毎年同じになってしまって、その人たちが悲鳴を上げたらしいです。いくらなんでも、自分たちだけが毎年やるのは無理だ、と。

賃貸だと、どうしても地元への愛着は希薄になってしまう。数年で引っ越す人もいますし。それは仕方のないことだと思いますが、ゴミの出し方がいいかげんになるのも事実で。

一戸建てで住んでる人だと、やっぱりゴミ出しなんかもしっかり分別するんです。その土地にずっと住む覚悟で、自分たちでゴミ当番をやっていますから、真剣にもなります。でも、賃貸マンションの人たちは、どうしてもその点が緩くなってしまう。いつか、その土地を離れていく前提の人が多いから。

マンションが自治会をやめるという話になったとき、ゴミ置き場の話も協議されたようですが、自治会の方でマンションの管理会社に話をしようにも、なんとそのマンションの権利は、複数の会社が共有しているとのことで。責任者、というのを特定しづらく。

元々、このマンションは新築当初(30年前)地元の人がオーナーでした。その後、建物が古くなって入居率が低くなり、困ったオーナーはマンションを売却。それから転々と、いろんな会社が転売をして、結局、今は複数の会社が所有権を持つ、複雑な形態になっているらしく。その複数の会社からしたら、少しでも経費をかけたくないのでしょう。マンションに専用のゴミ置き場を設置するのには、まずお金がかかる。それから、その後の管理費用も定期的にかかる。

賃貸物件のゴミ置き場は、一般的に汚いのが多いです。みんなが顔見知りの住宅街で、みんなが当番をやっている場所とは、当然違ってきますよね。賃貸物件で当番制が無理なら、お金で、業者に清掃管理をお願いするしかない。それをけちって、地元住民が当番制でやっているゴミ置き場を使うのは、ずうずうしい話だと思います。

今建築中の、大東建託の物件Bも、せめてゴミ置き場は、専用のものを作ってくれればいいのですが。

複数の会社に所有され、いろんな問題をはらんでいるマンションCの姿は、ここ数年で一気に乱立した新築アパートの姿と重なります。今は新築。当初は満室であっても、この後どうなるんだろう。地元オーナーの手を離れ、権利関係が複雑になって、自治体にも入らず、地域の中で孤立していき、その先は?

地域に、うまく溶け込んでいるマンションもあるんですけどね。例えば、近所の大規模マンションD。ここは、すぐそばにオーナー家族が住んでいて、2棟のマンション(全部賃貸)の自治会関係を、全部その大家さんが引き受けています。大きなマンションで世帯数も多いので、そのマンションだけで、ひとつの隣保を形成しており。役員も必要なんですが、そこは大家さんがやってくれているのです。地域の情報(回覧板)に関しては、ファミリー棟は普通に回覧板を回し、もう一棟の独身者用では、回覧板を回さずに大家さんが掲示板に掲示することで対応。そりゃそうです。一人暮らしの人は家を空けることもありますから、回覧板を回しても、どこかで長期間止まってしまったりするし、実質、独身の人にとっては自治会のお知らせで重要なものはあんまりないから。ゴミ置き場も、マンション専用のものがあり、大家さんがやっているのか業者なのかわかりませんが、いつもきれいに管理されています。

こういうマンションなら、近隣の人も安心です。なにかあったときに、話せる相手(大家さん)が近所に住んでいるんですから。大家さんだって、自分の家が近所にある以上、マンションをしっかり管理しますよ。目につくわけですから。

自治会って、面倒なようでいて、とても大切だと思う今日この頃。たとえば、地震や津波など大災害があっても、自治会がしっかりしていれば、近所同士で助け合うことが容易になります。市役所も、被害状況を把握したり、支援物資を配ったりするのに、個々を相手にするのではなく、隣保単位で連絡をとれば、正確だし、効率的です。

たとえば、○班○隣保は、○世帯、○人とわかっていれば、そこにまとめて物資を届けられます。届けられたものは、隣保長が配ればいいわけです。そのとき、隣保内にケガ人がいたり、なにか困ったことがあれば、近所同士で助け合えます。

自治会に入らず、日頃から顔も名前も知らないという関係は、なにかあったときに弱いです。もし建物に閉じ込められていても、誰にもわからない。賃貸で自治会は面倒、というのは理解しますし、一人暮らしなら尚更、自治会活動に参加するのは難しいかもしれませんが、そこは大家さんが責任を持つことで解決できます。

賃貸物件に入るなら、そういうところも条件の一つに挙げると、住みやすくなるかもしれません。大家さんが、自治会の活動をある程度担ってくれていること。これ、案外大切なポイントかも。近隣と断絶して暮らして、いいことなんてありませんから。

それにしても。今後十数年で、うちの近所の景色はどう変わるんでしょう。一戸建てが増えるのは活気が出るし、嬉しく微笑ましく見ていましたけど。賃貸物件を、無計画にどんどん増やすことには、危険を感じます。田舎だし、古くなった賃貸に住む人の数、これからどんどん減ってくると思いますよ。それくらいなら、土地を買って自分の家を持つでしょう。同じ時期に、一気に新築した物件たち。老朽化するときも、一斉に、ですね。

先日、自転車に乗って外出したら、行く先行く先、大東建託の建物が新築されていて、びっくりでした。すごい勢いです。もちろん他の会社もありますが、この流れ、すごく不自然です。人口が爆発してるわけじゃないんですから。既存の賃貸物件はますます空室が増加するだろうし、建てればいいという話ではないと思います。

モデルルームを見るより大切なこと

私、モデルルームを見るのが大好きです。

といっても、現在家を建てる予定はないので、自分で出かけたりというのはあんまりないんですが(^^;

ただ、過去に不動産系の資格をとるために学校に通っていたことがあって、そのときの授業の一環で、マンションのモデルルームをみんなで見学に行ったり、複数の会社が共同でやっている住宅展示場を、回ったりしたんですよね。

とても楽しかったし、各会社のセンスの違い、などもわかって勉強になりました。デザインは会社によってそれぞれ特徴があるし、どこまで設計が自由になるか、もそれぞれで、こうしたモデルルームが、家を建てるときの参考になるというのはよくわかりました。

でも、本当に大切なもので、忘れがちなことがあると思うのです。

それは、実際に建てる、大工さんがどんな仕事をする人なのかということ。モデルルームよりも、実はこちらの方が大事なのかもしれない。どんなに気に入った家も、建てる大工さんによっては、モデルルームの通りに出来上がらないわけで。

実はなぜ、私がこんなことを考えるようになったかというと、うちの近所で現在建築中の家が、あまりにひどい状況だからです。私が施主だったら、居ても立っても居られないくらい。とにかく、現場が汚くてびっくりなのです。

そもそもゴミ箱のようなものが一切ないのは気になっていたのですが。他の現場だと、普通に置いてあります。鉄のコンテナ、大きな奴です。たぶんレンタルだと思うのですが、あれが一つおいてあると、出入りする業者さんが複数いても、みんなゴミはそこに入れますよね。

でも、私が気にしているAさん宅は、ないんです。そのゴミ箱。完成が近づいて撤去されたわけじゃなく、最初からない。先日散歩途中に見てみたら、ゴミが散乱しているだけでなく、内装用の木材がむき出しのまま、放置されていました。そばには、おそらくそれを覆うためのブルーシートが、放りだしてありました。次の日には、雨の予報だというのに・・・。

木材は、使用前に乾燥させているわけで。しかも内装に使うものなのに、雨に濡らしていいんでしょうか。もし自分が施主だったら、この現場を見たらたまらないな~と思いました。でも、どういう風にクレームしたらいいのか、それも迷うところです。ストレートに言えば、気分を害してしまうかもしれません。表面上は従っても、腹を立てて見えないところで手抜きをされてしまうかもしれない。それを思うと、大工さんになにか指摘することは(間接的であっても)、慎重にならざるを得ません。

この状況にあって、最高の解決策、というのは考えてもみつかりませんでした。では、自分だったら、どうするだろうか。真剣に考えてみました。

一番いいのは、まずそういう大工さんと縁を持たないことですよね。そのためには、モデルルームでなく、実際に建築中の家を見に行くしかないと思いました。会社専属の大工さん、あるいは下請けの大工さん、どちらにしろ、そこの会社で家を建てるということは、その会社の大工さんが建てるわけですから。

実際見に行ってしまえばいいのです。別に敷地内に入るわけではありません。外から見える範囲で十分です。一日の仕事の終りに、道具や材料がしっかり片付けてあるか、ゴミが散らかっていないか。それを確認するだけですから。

私は以前にも、こういうゴミだらけの現場を見たことがあって。意外にこういうことって、多いんではないかと思いました。いい加減な人は、いつもいい加減な仕事をするし、きちんとした人はいつも、きちんとした仕事をするでしょう。見分けなければ大変なことになります。

家の不具合は、すぐ出るとは限りません。見えない瑕疵は怖いです。もし保証期間があったとしても、その交渉や再工事のわずらわしさなどを考えると、最初からしっかりした家を建ててもらうのが一番いい。それに、そうしたいい加減な現場で生まれた瑕疵がもし発見されたら、それは一つではないでしょう。モグラ叩きのように次から次へと問題が起きたら、そもそも家を建てたことを後悔することにもなりかねない。

モデルルームだけでなく、その会社が実際に建てている家を見に行くこと、それも一日の工事時間が終わって、片付けた後の様子を見ること、それこそ忘れてはならない大事なチェックポイントではないかと思いました。

土地を所有することの責任~ゴミ屋敷とか廃墟とか~

 ときどき、テレビでゴミ屋敷の特集をやっている。日本全国津々浦々。どこにでもゴミ屋敷はあり、大きな問題になっている。

 資本主義の国だから、個人の所有する財産に関しては、かなり厳重に守られていて。それゆえに、何か問題があっても、なかなか手を出せない状態が続いているようだ。その土地の所有者であれば、たとえゴミを集めて近所迷惑になっても、そこは個人の自由としてみなされてしまう。

 でも、前から思ってたけど、これおかしいよね(^^;
 明らかな異常行動で、周囲に大迷惑をかけている時点で、土地を持つ権利が制限されても、それは仕方ないことだと思う。

 土地には、権利に付随して義務もくっついてくる。その土地を適正に保てないなら、その土地を所有する権利を失うのではないかと。

 土地には公的な側面があると思う。私有財産、ということだけにとどまらない。社会の中で適切に活用されるべき、大切な宝物なのだ。自分が所有者だからといって、勝手は許されない。

 ゴミ屋敷の問題を解決するには、まず法律。一定限度をこえた迷惑行為に関しては、土地の所有権を市区町村に移せる法律を作ったらいいのに。それも、条例レベルでなく、国の法律として。

 ゴミ屋敷にもいろいろ段階があると思うが、ひどいものになるとゴミ屋敷でなく単なるゴミ捨て場と廃墟になっていたり。放っておけば、まじめに生活している近隣の人が、普通の生活をできなくなってしまう。そして、こうした最悪のゴミ屋敷住人は、精神に病を抱えている人がほとんどでないかと思う。目を覆うような惨状のゴミの山を前に平気でいられるのはもはや、病気としか思えない。

 病気の人が、病気ゆえに判断力を失っている状態を、「個人の財産保護」名目で放っておくのは無責任すぎる。

 誰でも、どこでも起こりうる問題。今はよくても、明日、明後日、一年後。今まで普通だったお隣さんがもし精神を病んで、家や土地をめちゃめちゃな状態にしたら。泣き寝入りするしかないとしたら、それはあまりにも悲しすぎる。

 私が思うのは、市役所などで対策チームを作って、なんなら市役所外の人間も複数入れて、大勢で判断するシステムにすること。そのチームが「適切な管理がされていない」と判断すれば、家屋や土地の権利がその土地の自治体に移るようにすればいいと思う。

 1人や2人で判断するとなると、万が一にも利権が絡んだり私的な思惑で動いたりすると困るので、判断するチームの人員は必ず一定以上の数にすることと、審査の過程や結果が、市民にきちんと公表されることが必須だろう。そうすることで執行の透明性も高まり、みんなが安心して暮らせる社会が実現するのでは、と思う。

 うちの近所にも、ゴミ屋敷、ではないけれど廃墟がある。

 中でも一番ひどい状態の廃墟は、人が住まなくなって10年くらい。庭は、人の背の高さを越える草木でぎっしり覆われている。数年前までは、それでもときどき、業者が入って草を刈っていることがあった。最後に業者が入ったのは3年くらい前。でもそのときも、庭のすべての草をとる、というところまではいかなかった。大体半分くらい草木を撤去したところで、業者は来なくなってしまった。

 なにがあったのかはわからない。最初から半分だけ草刈という約束だったとは思わないけれど。当初予想を上回る、あまりの草の量に追加料金を請求し、断られたのか?と想像してみたり。

 そこの土地は、たぶん相続でもめている。だから不動産情報をチェックしても、売却物件としては出てこない。

 誰か一人のものではなく、複数の法定相続人がいるのだと思う。そしてその人たちの代でもめれば、決着のつかないまま高齢で亡くなる人も出てきて、今度はその子供たちが相続権を引き継ぎ、時間がたてばたつほど、膨大な数の相続人が事態をますます複雑にする。

 もう何年も前に、50歳くらいの女性が、廃墟に接した道路の草むしりをしていたのを見たことがある。業者には見えなかったので、興味をもって声をかけてみたところ、その女性は以前そこに住んでいたおばあさんの姪だと名乗った。

 庭からはみでた雑草が道路まで伸び、歩行者の通行の邪魔となっていたのを見かねて、草取りをしているのだという。確かに、心ある人なら、自分にゆかりある親戚の家がこの状態で、見過ごすことはできないだろう。住まいは遠方だということだった。それで、しょっちゅうは来られないものの気にかけてはいたらしい。
 額に大粒の汗。黙々と草をとる姿には頭が下がった。姪というだけで近所迷惑を考慮して草取りしてくれるなんて、いい人だなあと感心した。その時点では、おばあさんも生きていたと思われる。

 たぶん、あのときの姪が、おばあさんからあの土地を譲り受けていたなら、今、この廃墟を放ってはおかないと思う。おばあさんは、きちんとした相続の手続きをしないまま亡くなったのだと思われる。その場合、複数の法定相続人が各々勝手な権利を主張すれば、売却もできず、ただ、荒れるにまかせるしかなくなってしまう。いくら姪がなんとかしたくても、他の人に所有権を共有していたら、自分の一存では処分できない。

 こういうパターン、よくあるのではないかなあ。

 そこの廃墟に住んでいたおばあさんは、私は直接知らないのだが、近所の人に聞いたところ、晩年、独り暮らししていて認知症を発症、お金にとても執着したという。誰かにお金をとられるのではないか、という被害妄想的なものがあったとか。その状態では、いくら姪がいい人でも、円満に姪に譲ることは、できなかっただろう。

 廃墟は、台風が来るたびに少しずつ壊れていく。雨どいが外れ、瓦が一枚、そして一枚と飛び、悪くなることはあっても、修復されることはない。自然に倒壊するのを待つしかないのか。

 家の中には、家財道具がたくさん詰め込まれている、という噂だ。おばあさんが施設に入るとき、片付けて出て行かなかったため、死後もそのままになっているという。

 思うに、家の中の残置物も、時間がたてばたつほど、処分が大変になってくると思う。想像するだけで怖い。仕事とはいえ、片付けるのは人間だ。片付ける人が気の毒すぎる。放置されて3か月のゴミを片付けるのと、10年もののゴミを片付けるのとでは、処理の難易度が違ってくる。

 結局、個人の財産権は、公共の福祉のために一定の制限を受けてもいいのではないだろうか。管理できないなら、それを所有する権利などないように思う。もし私がその廃墟の相続人の一人であり、所有権の一部を持っていたら、土地が自治体のものになるのは大賛成だ。廃墟のまま哀れな姿をさらすより、よほどいい。私が亡くなったおばあさんであっても、自治体が土地を管理してくれたらほっとする。

 地方自治体に所有権が移ったら、自治体はそれを売ればいい。自治体の収入になれば、予算に余裕ができて、地域の人がみんな潤う。特定の個人や業者が設けるわけではない。社会に還元されるのだ。それが、みんなが幸せになれる道ではないだろうか。

建築業者の良し悪しを判断する要素

先日、近所で上棟式があった。お祝い事というのはいいものである。散歩中通りかかると、大工さんやお施主さん夫婦が集まっていて拍手の音が聞こえた。他人事ながら、なんだか幸せな気分になる。

ところが、である。その上棟式から3日ほど、工事が進む気配がない。なぜなのだろうか(^^; このところ雨が多くて、一刻も早く屋根や壁を作るべきだろうに。これまた他人事ながら、気になってしまい、その家には特に注目していた。

4日目から無事に、工事が始まった。屋根と壁(といっても木の板)が取り付けられる。屋根は、瓦はまだ乗らず、防水シートが施工された状態。とりあえず防水シートがあればいいのかもしれないのだが、施主の立場になってみれば心配だろうと思う。せめて、屋根と壁が一段落するまでは、雨が降ってほしくない。屋根と壁が、完全ではなくてもせめて雨を防ぐ状態にまでならないと、お天気を眺めては心配する毎日が続いてしまう。

今日、その家の横を通りかかったら、驚愕の事実に遭遇。

工事現場はひどく乱雑で、あちこちに材料が放り投げてあり。風で飛んだと思われる廃材が散らばって、隣接する畑や隣家の土地に転がっていた。なんということだ! しかも、3メートルくらいの長い木材が10本くらい、二階の足場に立てかけてあって、それがどこにも固定されていないという信じられない状況。これでは、風が強く吹けばすぐに、たてかけた木材は倒れてしまうだろう。

立てかけるなら固定するべきだし、固定できないなら、横にして置くべきであろう。そんなこと、素人でもわかる。

壁はというと、窓が予定されている部分の板は、くりぬかれていた。南に大きな開口部。完成したら、きっと光があふれる素敵なリビングになると思われる場所。しかしその開口部にはなんの仕切りもなく。よって雨は容赦なく降りこみ、床板を濡らしていた。床板も、これで完成というわけではなく、将来的にはその上に、ちゃんとフローリング材を施工するとは思うが、それにしても。この雨に濡れた床材。仮設だよなあ、ちゃんと、最後には剥がすんだよなあ、と、そんなことが気になってしまう。
だって、もしもこの濡れた板の上に、乾燥が不十分なままフローリング材を施工したら?

まさかとは思うが、それでも新築の現場に木材のゴミをまき散らしているこの状態では、そのまさかが本当になってしまうのではという恐怖にかられる。

ちなみにこの現場。ゴミを収納するボックスがどこにも設置されていませんでした。普通はありますよね。でっかいゴミ箱。少なくとも新築現場では2個以上は置いてあると思うのですが。

鉄製の大きなゴミ箱。これも足場同様、おそらくレンタル品なのだと思われますが、このゴミ箱代をケチるというのは、信じられない業者です。ちなみに建設業者は新興の小さなハウスメーカー。ゴミ箱も設置しないくらいですから、きっと下請けの業者とも、安い賃金で契約しているのでしょう。乱雑な現場が、大工さんの荒れた心模様を表しています。ゴミ箱を用意してくれないのでは、片付けに対してふてくされる気持ちもわからなくはないですが。

でも、それにしても。この現場には、プロの矜持が全くありませんでした。きちんとした棟梁がいれば、ありえない状況です。こんな汚い現場。やりっぱなしの放りっぱなしで帰ってしまったら、普通の親方なら大激怒です。本当に、全部やりかけでいなくなってしまった、という感じなのです。無残に散らばったゴミが、もの悲しく語りかけてくるようでした。

ゴミ箱を設置しない新築の現場を見るのは、これで2度目です。経費節減しやすい項目なのか? でも、総合的に見たら家の仕上がりにはものすごく悪影響だと思います。

お施主さんも、見にこないのかな~。私が施主だったら、さすがに黙ってみないふりはしないと思います。ただ、この先のことを考えると気持ちが暗くなってしまいますよね。そもそも、どんな理由があったにせよ(たとえば契約で不満があったとしても)自分が建てる家を、こんなに汚い状態で放っておく時点で、私は大工さん失格だと思うのです。これはもう、上から注意してもらったからといって、直るものではない。そんなこと、施主に指摘されなくてもできて当たり前だからです。

この先も、いちいち言わなければ、きちんと仕事してもらえないレベルの人だと思います。その場合、本当に、この先が思いやられますし、そういうトンデモナイ人の場合、注意を逆恨みすることもあるわけで。あまり言いすぎれば、逆に見えないところで変な工事されてしまうかもしれない。

この場合、どうすることがいいのでしょう。1~10まですべて見張っているというのも無理で、それにあまり細かく言いすぎても相手を怒らせる可能性があり。妥協策としては、こまめに目を入れながら、どうしても見過ごせない点に関して、穏やかに粘り強くお願いする、という感じなのでしょうか。大金を投じた夢のマイホームがこれでは、あまりに気の毒な話です…。

そもそも、こういういい加減な業者を選ばないというのが大事なのだと思いました。もう、選んでしまった後では、どうしようもないような気がします。だからこそ、最初にどこで建ててもらうかを決めるのは、とても大切なこと。たぶん良心的なところと契約までこぎつけたら、あとは自然に、うまく事が運んでいくのだと思います。家を建てるプロなら、素人では気づかない点にもアドバイスをくれるでしょうし、施工管理も、言われなくてもしっかりやってくれるでしょうから。

その業者が建てている現場を実際に見ることが、対策になると思いました。契約したいと思ったら、その前に、同じ業者が建築中の他の現場を教えてもらって、複数回通えばいいのです。たとえば下請けの業者に頼んでいたとしても、その業者の仕事ぶりをしっかり確認することができます。もう対策としては、これが唯一と言っていいのかもしれない。

私がゴミ箱を設置しない建築業者を見たのはこれが2度目なのですが、1度目の業者は、以前新聞の広告が入ったことがあり、チラシの宣伝文句はそれはもう美辞麗句が踊りまくっておりました。そのチラシを見た限りでは、あんな悪質な現場を作り出す業者だとは、とても思えないほどです。つまり、業者の良し悪しをチラシで判断することは、無理だと言えるでしょう。現場です。現場を見るのが一番早いです。その業者が工事している実際の現場を、見せてもらうことです。

今日のゴミ散乱現場を見たら、どんなにチラシや口頭でうまいことを言っても、私はそこと契約する気持ちにはなれません。どんな上手い言葉よりも、目の前の現実がその業者の本音であり、正体なのだと思います。

本当にいい不動産物件は、ネット上には出てこない

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今、うちの近所では次々と家が建っています。ここ数年、ちょっとした新築ラッシュ。

そこで、家の建築に関して「家を建てるときのヒント」というカテゴリーで、気が付いたことを書いてみることにしました。身近に建設を見ていると、見えてくるものがあります。

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私は趣味で、自分の家の近くの不動産物件をよくチェックしています。そこで気が付いたのは、売買がネットに出てくる物件とそうでない物件があること。
マンションもそうですが、人気ある物件は宣伝しなくても売れてしまうので、ネットに出てこないか、出てきてもすぐに消えます。

たとえば、うちの近所で新築して2年のお宅があったのですが、仕事の事情で引越していってしまいました。引越して1ヶ月も経たないうちに、次の方が入居しました。その間、この物件の売買についてはネット上に一切出てきませんでした。引っ越す前から買い手が決まっていたとのことです。

築浅でもあり、また庭も手入れが行き届いた素敵なおうちでした。大事に住んでいたことが外からうかがえるため、需要は高かったでしょう。家で死亡事故があったわけでもなく、また近隣トラブルがあったわけでもない、お得物件です。公に中古住宅として広告を出す前に、あっという間に買い手が決まったようです。

また、更地で売りに出ていた物件もあったのですが、そこも不動産業者が広告を打つことなく、その不動産業者の知り合いで土地を探していた人がすぐに買ってしまいました。

どちらのケースも、自分でネット上で探していただけでは買えなかったでしょうね。

土地や家を探すときには、信頼できる不動産業者に自分の希望を話して探してもらうのがいいと思いました。ネットで見るのは、補助的なものです。ネット上に出てこない物件も、結構あるのではないかと。本当にすぐ売れてしまうものだと、ネットに出さずに、その前段階で話が決まってしまうからです。

場所や予算をざっくり話しておけば、いい物件が出てきたときにすぐ教えてもらえます。タイミングもありますから、ゆとりをもって探すのがいいと思います。また、不動産業者でなくても、周囲の人に話しておけば、なにか情報があったときに教えてもらえることがあります。

私も友人に頼まれて、近所で売物件が出たときに教えてあげたことがあります。近所だと、引越などの情報が入るので早いのです。そのときは条件が合わず、買うまでには至らなかったのですが・・。ちなみに、買わなかった最大の理由は、新耐震基準が導入された1981年(昭和56年)以前に建てられた家だったから。その友人は、小さいお子さんがいるので安全面を考えると、そこは譲れないと言っていました。

たしかにこの新耐震基準以前か以後かによって、気持ちの面で安心感は違ってきますね。値段も、そこを境にして変わってくるのかなと思います。

そこに住んだ人が綺麗好きだったのか、それともだらしなかったかによって、家の外観や室内の様子、傷み具合はずいぶん違ってきますが、この新耐震基準の導入された年というのは、住む人の住み方に関係なく、大きな節目となりますね。逆に言えば、とてもわかりやすい境目です。住人に関係ない要素として。

ネットで見ていると、なかなか築浅物件というのは数そのものが少ないような気がします。そこでよく出てくるのが、築25年から35年くらいのもの。最大でも築40年くらいでしょうか。それを過ぎると、古屋付きでも更地渡し条件になっていたり。

築34年前後だと、ちょうど新耐震基準導をクリアしているかどうか微妙な線で。しっかりチェックする必要があります。

結局、土地も家も本当にいい物件はすぐに売れてしまうので、ネット上には出てこないことは確かなようです。