デヴォン青木

 お久しぶりの更新です。いろいろあったんですが、ありすぎて書くのをためらっているうちに日が過ぎてしまった。

 最近の変化といえば・・・・・。デヴォン青木が好きになりました。デヴォン青木はトップモデルで、女優さんとして映画にも出てます。初めて見たのは、リーバイスの店先のビデオ。

 たまたま通りかかったお店で、彼女のインタビュー映像が流れてまして。一目見て、惹かれました。全然知らない女の子ですが、魅力的だなあと。ジーンズにシンプルなシャツ。それなのに、ハっとするほど綺麗でした。

 本当の美しさって、シンプルなものなのだと思いました。肌の滑らかさだったり、余計な肉のつかないひきしまった体だったり。

 なにげなくしているポーズでも、それなりに筋肉がないとこなせないものだと思います。カメラの向こうに、なにを訴えかけるのか。

 なにも考えていない目ではありませんでした。「私はここにいる」「私は私」と主張している、その目に魅了されてしまいました。

 もともと私はクリスティーナ・リッチとドリュー・バリモアが好きでしたが、デヴォン青木も、この2人と同じ雰囲気を持っていると感じました。

 そういえば、クリスティーナ・リッチの『スリーピー・ホロウ』素敵だったなあ。ああいうクラシックな衣装が似合う。ジョニー・デップと視線を交わすダンスシーンが印象深いです。私がジョニーの立場だったら、やっぱり恋におちてたでしょうね。

 そんなわけで、店先でずいぶん長いこと、デヴォン青木出演の映像を見てました。それで、家に帰ってきてからネットで彼女のことを調べ、あのベニハナで有名なロッキー青木のお嬢さんだということを知ったのです。

 大事に育てられてきた娘さん、という感じですね。ひねたところがなくて。

 西洋と東洋の入り混じった不思議な顔立ち。見る角度によって、表情が全然違う。童顔といえば童顔ですが、ときに大人びた表情も見せる。すっと背筋が伸びて姿勢がよくて、体中から自信がみなぎっている。

 傲慢になっては見苦しいですが、自信というのは人を美しくみせるものだと思いました。

 自信とか勇気は、私に一番足りないものです。だから、それを持ってるデヴォン青木に惹かれるのかなあと思いました。「今までやったことないことで、あなたが本当にやりたいと思うことをやってみて」というメッセージが、心に残りました。

 

 思えば、夏に見たダンス・オブ・ヴァンパイアも「欲望に従え」だの「モラルを捨てよ」というメッセージが満載だったっけ。最近、不思議なことに周囲の人たちから、「勇気をもて」というメッセージを受けることが多いのです。

 この曲いいよ~、と職場の同僚に紹介されたのが、玉置浩二さんの『しあわせのランプ』。しあわせになるために生まれてきたんだから・・・という歌詞がいいですね。

 これまで、私は暗い顔をして、ずっと下を向いていることが多かったのですが、最近やっと自分が変わり始めたのを感じます。いろんなことがあって、自分の考えも変わってきたのです。こだわりを一つ一つ捨てて、閉ざしていた心を開くようになって。そうすることで、また周囲の流れが変わり、それがまた自分に影響し・・・。以前に経験したショックな出来事を、まだ克服したわけではないのですが、それを乗り越える決意ができたというか、少しずつ歩き始めたという自覚があります。

 

 「明るくなったね」「変わったね」と言われるようになりました。

 自分でも、考え方が変わったと思います。少しずつですが。そして、周囲も変わった。今の職場は本当に人間関係が良好で、穏やかな人ばかりに囲まれてます。自分の心が、癒されるのを日々感じてます。

 自分に自信を持つこと。勇気を持つこと。いつも笑顔でいること。臆病にならず、飛び込んでいくこと。今年もあとわずかですが、私は変わりたいと思ってます。今年の年末には、「これが私です」と、胸を張って言えたらいいなあと思うのです。

英語で俳句

 私は美しい詩に出会うと、それだけでうっとりして夢心地になってしまうのですが、英語でそういう言葉に出会うことはなかなかありません。

 やはり母国語ではないので、どうもピンとこないのです。

 でも、この詩にあったときはそのみずみずしさに驚きました。

 伊藤園のお~いお茶新俳句大賞。第八回英語俳句の部で大賞をとった作品です。作者はShoko Nozawaさん。

 soft distant music

flowing from the room

in butterfly lines

(直訳:やわらかい音楽が遠い部屋から流れてくる…蝶が舞うように)

 この詩。英語と日本語を並べてみても、はるかに英語の方が質がいい。日本語の直訳はなんてことのない言葉の羅列ですが、この英語の方は・・・。

 一つ一つの言葉はありふれているのに、それを並べたときに新しい世界が開ける。どうしてこんなに心に響くのか、不思議な位です。選んだ言葉、並べた順番、それが詩という形になったとき、一つの物語になるのですね。

 soft distant music という言葉に、 私はピアノの音を連想しました。自分が大きな洋館の応接間にいて、人を待っているのです。すると、どこからか柔らかなピアノの音が聞こえてくる。隣の部屋か、それとももっと遠くの部屋か。誰が弾いているのかもわからず、ひそやかにその音は忍び込んでくるのです。明るい、午後の陽射しが差し込む応接間。レースのカーテンの向こうに、緑が見えます。そしてのどかなピアノの音は、押し付けがましい強さではなく、ゆったりとその場を満たすのです。

 in butterfly lines この言葉には酔いますね。buttefly lines 目には見えない音なのに、それが蝶のようにひらひらと舞う幻覚。音が踊っている。小さな妖精が、楽しげに羽ばたくように。なんて平和な情景だろうと思います。金色の、蜜を溶かしたような甘い空気。

 作者は、お名前からすると日本の方でしょうか。やっぱりなあと思ってしまいました。日本人の感性は、外国人とはやはり違う部分があると思うので。日本独特の匂いを感じました。もしかしたら帰国子女の方かもしれませんが、少なくとも、日本で一定期間生活をしたことがある人が書いた詩だと思うのです。

 いい詩は、鮮やかなイメージを喚起します。こんなに短い言葉の中に、どれほど多くの映像がつまっていることか。この詩を読むと一瞬、自分がその場にトリップしたような感覚に襲われるのです。 

ダンス オブ ヴァンパイア

 昨日杉田さんのことを書いたら、ほどなく鮎川さんが名誉毀損で杉田さんを提訴するというニュースが入ってきた。すごいタイミング。もう収束するニュースだと思っていたのに、まだまだ、この騒動は続くんだろうか。

 ところで、ダンス オブ ヴァンパイアである。なにがって、来年の7月と8月、帝国劇場で上演決定なのである。クロロック伯爵役は、山口祐一郎さん。朗々と歌い上げるナンバーが多いようなので、今から楽しみで仕方ない。吸血鬼の役って似合うと思うし、マント捌きには定評のある山口さんのことだから、どんなに素敵な舞台になるだろうと思う。

 吸血鬼のクロロックを追い詰める役として、教授を演じる市村正親さん。市村さんと一緒にいるときの山口さんは、インタビューなどでもとてもリラックスしているように見える。あまり他人に心を許さないタイプの山口さんにとって、数少ない、気心のしれた先輩なんだろうなと思う。

 なぜか、ヒロインのサラ役が発表されていない。やっぱり知念ちゃんだったんだろうなあと想像する。年末のジキル&ハイドに出演予定だった知念里奈ちゃんは、妊娠して舞台を降板することになった。おそらく、来年のヴァンパイアにもキャスティングされていたんではなかろうか。そうでなければ、サラ役だけ発表されていない理由が説明できない。

 

 できれば、オーデションで新人の歌える女性を発掘してほしいなあと思う。他のキャストは有名な方ばかりなのだし、そういう意味での宣伝効果はもう十分あると思うので、この上、話題づくりでアイドルとかタレントの方を引っ張ってくるのはちょっと・・・・。クロロックとサラが2人で歌うシーンがあるので、サラは歌える人でないと困るのだ。山口さんはデュエットのとき、必ず相手に合わせる。相手が歌えなければ、それに合わせた歌になってしまう。それじゃ困るのだ!

 山口さんと、堂々と渡り合えるくらいの実力派の女性がいいな~。無名だろうが、経験がなかろうがかまわない。要は、舞台の上で最高のパフォーマンスを見せてくれればいいんだもの。ミュージカルは歌が命。いくら知名度があっても、歌えなかったら話にならない。

 容姿よりも、なによりも、歌です。問題は。

 東宝の公式ページを見て思ったのだけれど、クロロックの息子役を演じる吉野圭吾さんは、山口さんに顔立ちがよく似ている。モーツァルトでのシカネーダー役は最高だった。レミゼで抱いた、さえないイメージを払拭するくらいすばらしいものだった。ファンの方すみません。でも、どうしてもレミゼのアンジョルラス役は、リーダーというにはあまりにも、インパクトがなかったように思うのです。

 うーん、楽しみ。できれば、訳詞も公募制にしてくれたらなあ。英語訳→日本語訳だったら、私も絶対応募するな。ドイツ語からやれと言われたら無理だけど。

 話題づくりにもなるし、たくさんの選択肢の中から訳詞を選べるわけだし、ぜひ東宝さんにはやっていただきたいなあ。もしいいのがなければ、その時点で、有名な作詞家の方にお願いするという手もある。

 曲と同じように、詞も大事。原詞のイメージを崩さないようなカッコイイ訳詞になることを祈っております。

桜絵巻狸源氏

 宝塚のOGが出演する「桜絵巻狸源氏」に行ってきた。場所は新宿コマ劇場。歌舞伎町は相変わらず雑然としていて、なんとなく怖い。石原都知事が奮闘して、ずいぶん治安はよくなったと聞いたけれど、その前の状態を考えると・・・・。新宿がもっと、安心して遊べる街になればいいなあと思った。

 「桜絵巻狸源氏」は、鳳蘭さんをはじめとする、豪華メンバーが出演するミュージカルコメディ。その時代、その時代のトップスターが顔を合わせるのは、めったにないことだ。最初の幕が上がった瞬間から、華やかさに圧倒された。まさに、ザ・宝塚。お話の中に、昔演じたお芝居のセリフを織り交ぜてあるから、昔からのヅカファンは大うけだった。

 私は宝塚を見に行ったのは「ファントム」の一度しかないので、あまり細かいパロディはわからなかったけれど、「ベルサイユのバラ」や、「風と共に去りぬ」のセリフ部分はわかった。特に、レット・バトラーがスカーレットに詰め寄るシーンなどは、面白かった。宝塚で見たことはなかったが、小説や映画と同じようなセリフだったから、すぐにピンと来た。

 脚本はとてもオーソドックスなものだったので、もう少しひねりがほしいかなーという気持ちはある。だけど、それぞれの出演者にある程度平等なセリフを配分したり、ということを考えると、なかなか奇抜な演出もできないし、無難な線だったんだろうなあ。

 第一部は、ミュージカル。そして第二部は、レビューショーだった。私はこのレビューショーの方が迫力があって好きだ。宝塚のいいところを、ぎゅっと凝縮した感じ。とにかく華やか。きれい。ぼーっと見とれてしまった。舞台に釘付けである。

 OGの方々なので、年齢的には現役生徒さんよりずいぶん上なのだが、舞台の上ではそれを感じさせない。そして、とにかく、スターとしての輝きがまぶしい。

 

 みんな、抜群のスタイル。男役のタキシード姿、娘役のドレス姿。それぞれ、夢のようにきれいだった。特に男役は、実際には女性なので線が細く、漫画に出てくるような美青年の風情。華奢で足がすらりと長く、甘い歌声に観客はメロメロ、という感じだった。

 なかでも、鳳蘭さんの歌には感動した。舞台の上で死にたい、という歌。心がこもっていて、それまでの鳳さんの人生をすべて歌にこめた感じで、この歌は若いスターには歌えないなあと思った。いろんなことがあったからこそ、歌える歌だと思った。

 宝塚は、退団してしまうとこうしたレビューショーに出る機会が、ほとんどなくなってしまうのがもったいない。まだ歌えるし、踊れるのに。トップにのぼりつめた方たちはそれぞれ個性的な魅力がある。東京宝塚劇場はチケットがとりづらく、いつも満席状態なのだから、こういうOG公演を並行して定期的にやればいいのにと思った。

 観劇後の心地よい興奮にひたりながら、新宿御苑を散歩する。私の大好きな公園である。広くてきれいで、たくさんの緑に囲まれているとほっとする。新宿駅のすぐそばにこういう緑の空間があることは驚きだ。森の向こうに、高層ビルが並んでいる。

 天気がよく、暖かな空気の中、たくさんの人たちが寛いでいた。なんて平和で、幸せな情景だろう。池の亀を眺め、プラタナスを見上げ、日本庭園のベンチで一息。雲の流れをぼんやりと見ながら、今年は桜の時期にここへこられなかったことを、いまさらだが残念に思った。