犬フン被害の前には、愛想も消える

私は愛想のいい方です。

でも、そんな私でも、先日は不愛想な対応しかとれませんでした。後から振り返って、ちょっと反省しかけたりもしたのですが・・・でも無理でした。やっぱり、もしあの時に戻っても、やっぱり私は不愛想な対応をしたと思います。

それは、犬の散歩をしていた飼い主に話しかけられたときのこと。

その日も私は、畑前の土地(道路)を、草刈りしていました。夏の時期は、草の伸びるのが早いのです。少し放っておくとすぐに雑草の背丈が高くなってしまいます。そうなれば、犬のフン尿、マーキング被害が多くなってしまう。同時に、ゴミのポイ捨てなども発生してしまうのです。

でも、その草刈は本当に体力が必要です。そして、本当は他に畑でやりたい作業があるのだけれど、放っておけば犬フン被害がひどくなってしまうため、仕方なくやっていることなのです。そんな、必死の作業中に、一人の年配女性がのんきな態度で挨拶してきました。しかも、私のすぐそばに、小型犬を寄せてきたのです。

女性「こんにちは(ニコニコ)」

私はまず、犬を寄せられたことに困惑しました。おとなしい犬なのかもしれませんが、他人がしゃがんでる真横に、犬を寄せる神経がわかりません。小型犬とはいえ、何かの拍子に噛みつくこともありますし、安易に近付けるべきではないと思います。

世の中の人がみんな、犬好きだと思っているんだろうか・・・。

うちの可愛い○○ちゃん、という感覚なのだろうが、他人にとってはただの犬・・・。

私は元々動物好きですが、去年からの犬フンマーキング被害に疲れ果てて、だいぶ犬を見る目が変わってきています。少なくとも、犬よけの作業中に、犬をかわいがるつもりも、犬と遊ぶつもりもありません。至近距離にいきなり犬を近づけられて、かなり不愉快でした。

でも、挨拶はしました。

私「こんにちは」

そして黙々と、草刈を続けました。

すると女性は人懐こく、さらに話しかけてきました。私が犬を近くに寄せられて不愉快に思っていることなど、全く気付いていない様子でした。

女性「ハーブが根付いてきたわね。お花がきれいね」

たしかに、ニオイゼラニウムのピンクの花が、少し咲いていました。でも、その女性は知らないのです。私がどんなに苦労してこのハーブを植えたのか。去年の冬、まだ地面が冷たく凍っていた時期から、何度も何度も、繰り返し挿し木をし続けたこと。冬の間はほとんど枯れてしまったけど、ようやく暖かくなって、根付くものが多くなったこと。何日かおきに、何度も何度も、繰り返し繰り返し、挿し木をやり続けて、ようやく今があること。

それでも苗はまだ幼く、繁茂するにはほど遠く。当然匂いも少ないため、犬はまだまだ平気で入りこむし、それをさせる人間がいること。つい先日も、犬をわざわざ、私が草刈しニオイゼラニウムを植えた場所に入れ、排便させている人がいたこと。

また、畑の角には、犬のマナー看板が立っているにも関わらず、そのすぐ横で犬に排尿させている人もいまだにいること。

飼い主公認で犬がごそごそやっているので、立ち去った後にすぐ確認したら、犬の尿臭がひどかったこと。マナー看板の横で、よく犬に排尿させるなあと呆れながら、尿臭を消すために市販の犬の忌避剤をまき、手袋をはめて草をかり、あらためてハーブをいくつか植え直したこと。

私は、好きでハーブを植えているわけではないのです。
マナーの悪い飼い主に対抗するため、仕方なく自分の時間と労力とお金を使って、必死に戦っているのです。

のんきに発せられた「お花がきれいね」と言う言葉に、私は返答できませんでした。

なにか返さないと失礼かなと思いましたが、なにか言おうとしても、攻撃的な言葉しか思いつきませんでした。たとえば、こんなことです。

「花のために植えたんじゃないですよ。犬が嫌う匂いだから、植えてるんです。本当に犬のフン尿やマーキングがひどくて困ってます。一匹やれば次の犬も臭いにつられて、どんどん汚くなるから。何度もフンを片付けたし、ときにはお尻をふいたティッシュまで捨てられてて、犬のマナーには本当にこまってるんです!」

でもそんなこと言えば、喧嘩口調になっちゃうよね・・・。

別にケンカをしたいわけではない。でも腹は立っている。こんなにも、犬に苦しめられているのに、犬を平気で寄せてきて、「花がきれい」だなんて、私から言わせれば「フザケンナ!!」です。

嫌なことを口にして、相手を嫌な気分にさせるよりは、黙っていた方がいいな・・・。私はそう思って、黙々と作業を続けました。「こんにちは」という挨拶はしたので、最低限の礼儀はつくしたと思います。

女性は、私が返事しないことに戸惑ったような感じでしたが、そのまま立ち去りました。私はちょっとだけ、悪かったかなあと思って、でも帰り道、何度考えても、それ以上の対応は思いつきませんでした。何度タイムスリップしてその時に戻っても、やっぱり私は不機嫌に、黙り込んでいたと思います。

犬フン被害の前には、愛想も消えるんです。

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