実写版速水さん

 白泉社『ガラスの仮面』公式サイトの、速水真澄は誰だ!?クイズ。応募締切日を過ぎましたので、語るのも解禁かなと思います。
 前からいろいろ書きたかったけど、締め切り前には一応遠慮してました(^^;

 私の予想は、デーブ・スペクターさんです!!
 
 初めて扮装写真見たとき、誰かに似てる~と思ったけど、候補をあれこれ考えた末に、デーブさんだと思うとぴったり。厚いメイクに加え、多少はCG修正入ってると思いますが、目鼻立ちや雰囲気はデーブさんそのまま。

 
 ご本人も、こういうの面白がってノリノリで参加しそうですしね。

 最初は別所哲也さんとか、大澄賢也さんにも似てると思いましたが、デーブさんほどしっくりはこない・・・。

 よって、私の最終予想はデーブ・スペクターさんです。

 でもでも。もしこの予想が合っていたら。
 

 B賞、5名様にデーブさんの色紙なんですけど、それはもらっても困るような気がしないでもない・・・。
 だって、ガラスの仮面に全然関係ないわけで。

 たまたま企画で速水さんコスプレをしただけなのに、しかも全然似てないのに(これに関して、デーブさんには全く責任がない)、色紙プレゼントって、方向が間違ってると思うのです。

 そこは原作者の色紙とかじゃないかな~。

 
 もしくは、新刊のコミックス47巻とか。嬉しいと思います。

 実写の速水さんは、誰が演じても賛否両論あって、皆が満足する人っていうのは難しいでしょうね。

 以前ドラマ化されたときには、田辺誠一さんが速水さん役をやってらっしゃいましたが、私のイメージする速水さんとはちょっと違ってました・・・。
 もうちょっと、どっしり感がほしいです。田辺さんだと体が細すぎる感じがして。

 そして、安達祐実ちゃんのマヤ役も、私が抱いていたマヤのイメージとは少し違っていて。

 安達祐実さんて、普通に美人なんですよね。
 そして、華もあると思うのです。

 でも漫画のマヤは、お芝居していないときは存在感もなく、地味で冴えない設定ですよね。
 そういう空気みたいな子が、舞台に上がったとき、演技を始めたときにパっと輝く、みたいなのは、役柄にぴったりの方が演じたらすごく面白いと思うんですが、なかなかそんな女優さんはみつからない。

 実写で速水さんを演じる役者さんに、私が希望するものは、まずがっしりした体格。

 これはほんと、個人的なイメージだと思うんですが、がっしりした肩幅と胸板の厚さは譲れない~。

 速水さんは、自信に裏打ちされた威厳を、醸し出す人だと思ってます。どんな人と対するときにも、落ち着いてて、どっしり構えてる感じ。

 俳優さんはモデル体型で細い人が多いから、いくらかっこよくても、華奢に見えるというだけで、私のイメージの中の速水さんからは外れてしまう人が多いです。

 そして基本、速水さんには冷酷な顔でいてほしい。

 ああ、この人、冷たい人なんだろうなあ~って思わずにはいられない顔。怒ってるわけじゃないんだけど、感情をあまり表に出さないというか、常に無表情ぽい感じで。

 ほとんど笑うことはなく。
 そして闇をひきずった目、というのが私の持つ速水さんのイメージ。
 顔立ちが整っているからこそ、笑顔にならなければ凄みは増すのではないでしょうか。
 だからそこには、自然と、気軽に声をかけづらいような雰囲気が漂うと思います。

 そして最後に。
 実写版速水さんに、絶対に持っていてほしい特徴の一つは。

 酷薄そうな普段の表情とは、全く正反対の笑顔、です。

 めったにないんだけど、なにかの瞬間にふっとこぼれる笑顔が、女子のハートを鷲掴み、的なのを希望します(笑)
 それ見た瞬間、心臓が鼓動を速めるような、特上の笑顔。
 いつものあの無表情っぷりはなんなの~、詐欺でしょ~と叫びたくなるような、人懐こい笑顔の持ち主。

 どんな俳優さんなら、速水さんにぴったりだろうと考えてみましたが。
 なかなか、漫画を実写でというのは難しいものですね。

速水真澄は誰だクイズが、速水真澄DEコスプレ大会になってます

 白泉社の『ガラスの仮面』公式サイト。
 速水真澄は誰だ!?クイズにヒント画像が追加されました。

 見たけど笑っちゃいましたよ~(^^)
 これはもはやあれですね。クイズとかじゃなくて、速水真澄で遊ぼうコーナーですよ、きっと。

 実写で白目をやったらどうなるか。
 縦線入れたらどうなるか。
 その恐ろしさを、きっちり学ぶことができました。白泉社ありがとう・・・ていうか、この企画をまじめに会議してたのかと思うと(笑)

 コスプレ大会のようですね。
 もう、似せるとかいう目的なしに、速水真澄になりきって遊ぼうっていう。
 どうせだったら、いろんな名場面をやってほしかったなあ。

 社務所とか社務所とか社務所とか・・・。

 そしたら、マヤ役も必要ですけどね。実写であのシーンとか、どんなふうになるんだろう。

 今回、ヒント追加のメイン画像はたぶん、あのチキン持って嬉しそうに走ってくる絵だと思うんですけど、最初はなぜそこでチキンなのか、全然わかりませんでした。
 スーツにチキン・・・似合わない・・・。
 こんな状況、普通はないよねーとしばし考えていたのですが。

 チキンと言えばやはり、あれでしょうか。狼少女ジェーン。

 自分が悪役になって、マヤに向かってチキンを放り投げるあれ、を再現してるのかなあ。

 それにしても、速水さんがうれしそうな表情なのが解せませんなあ。
 どこに向かって走ってるところなんだろう。

 どうせなりきるなら、思いっきり悪役の顔で、今まさにチキンを投げんとする、みたいな瞬間の方がよかったのに。

 チキン持って嬉しそうに走ってるんじゃ、別の話になっちゃうよ~、と思いました。ほんと、誰が考えたんだろう。あのポーズ。

 何度も見てたら、ローストチキン食べたくなりました。夜中なのに。

 でも、別にヒント画像見たからってわけじゃないですけど、これ誰が演じているのかなんとなくわかったような気がします。今回のヒント画像より、初回のあの、紫のバラを背負ったショットが、一番わかりやすいのではないかと思いました。このクイズは応募締め切りが今度の日曜らしいので、その翌日の月曜日にでも、私の個人的予想を書きたいと思ってます。

 漫画の人を三次元で表現って、難しいんですね。
 今回の方じゃなくても、他にどんなかっこいい俳優さんが演じても、それを「速水真澄」とするのは違和感があったんじゃないかなあと思います。

 どこかに昭和の香りを残したクールな若社長。
 漫画の古風な雰囲気とか、本当に素敵だなって思いますけど、でも現実に速水さんがいたら、ヘビースモーカーという点だけで、嫌いになれそうです(^^;

 昭和の時代には、煙草がかっこいいという意識があったかもしれないですけど・・・。

 この先の新刊では、煙草の描写やめてほしいなあって思ってます。速水さんなら意志も強いし、いくらそれまでヘビースモーカーでも、時代の流れをすばやく読んで、あっという間に禁煙するはず、と思いますけどね~。

 会社でも、仕事ができる人ほど煙草吸わない人が多いような気がします。煙草吸わないんですか?って聞くと、昔は吸ってたけど今はやめたよってパターンだったり。
 自己節制できる人は、禁煙も成功するんですね。

 速水さんも、ぜひこれからは禁煙で。と、勝手に期待しております。

あなたは誰?

 白泉社のガラスの仮面公式サイトで、「速水真澄は誰だ!?クイズ」をやっているのですが、画像を見て笑ってしまった~(^^;

 いや、ほんと、誰なんですかあなたは、という。
 どこからどう見ても、速水真澄じゃないよ~。
 これ誰だと思います?って、なんの前触れもなく見せられたら、「舞台メイクした俳優さん? それにしても、なんの演目だろう??」って謎に思うだろうなあ。

 間違っても、「やだ。漫画の速水真澄にちょっと似てる?」とか思わないし(笑)

 なによりイメージ違うのは、髪の色かなあ。
 速水さんといえば、私がイメージするのは金髪。
 (両親日本人でそれはないわ~というのは、おいといて。あくまで、イメージですから)

 癖っ毛で、いい感じに緩くウェーブしている猫毛を想像してます。

 まあ、漫画の中の人ですからね。実写で考えるとおかしくなるのは当然ですけども。それにしても白泉社の企画、予想の斜め上をいっていて、面白い~。

 このクイズ、A賞とB賞がありまして。

 A賞は一名様、東京プリンスホテルロイヤルスイートルームご招待だそうです。おお、これは素敵だ。行ってみたいものです。でも一名様って書いてあるけど、別に一人しか行けないってことじゃないですよね(^^;
 スイートルームに一人、というのは粋なようでいて、ちょっと寂しい・・・。
 ガラスの仮面を好きな友達同士で行って、一晩中熱く語り合うっていうのが王道なのかな。盛り上がりそうです。
 果物の盛り合わせとかケーキセットとか、ルームサービスでつけてくれたら嬉しいなあ。
 単に宿泊をプレゼント~というのじゃなくて、そういう細かいサービスとかあると、さすが白泉社!! となり、株が上がると思います。

 そしてB賞。五名様に、速水真澄を演じてくれた方のサイン色紙をプレゼント~だそうです。

 こ、これは・・・嬉しいプレゼントなのかな・・・。

 
 私、昔からサインとかには全く興味がないのですが。大好きな芸能人であっても、色紙にサインは要らないです。その人がどんな字を書くのかなあというのに興味はあっても、サインというのは・・・。

 これに応募するのはガラスの仮面のファンだと思うので、むしろ、美内先生の直筆サインとかのほうがいいのでは?と、よけいなことながら、そう提案したくなりました。

 
 せっかくサイン書いても、粗雑に扱われたりしたら可哀想です・・・。

 それにしても、速水さんに扮しているのは一体誰なんでしょうね。あの画像を真剣にじーっと見ていると、知ってる誰かに似ているような。いったいあなたは誰??

もしも春さんが全快していたら 追記

 『ガラスの仮面』美内すずえ 著 について語ります。二次創作の文章も含みますので、そうしたものが苦手な方は、ご注意ください。☆印は、私が勝手に想像したものです。

 昨日、「もしも春さんが全快していたら」ということでちょこっとパロディを書いたんですが、実は、本当に書きたかったのはそれじゃなかったんです。

 なにを書きたかったかというと、「春さんと再会できてストレートにお礼を言うマヤちゃんに、戸惑う速水さん」だったんですよ。素直になれなくて、複雑な、微妙な、不安な、落ち着かない表情を浮かべる速水さん、というのに興味があった、というか、書きたかった。

 だから最初は、そのつもりで書き始めたのに、どうにも筆が進まない。なぜかというと、私の中の脳内速水さん(笑)が邪魔をするんです。

 「絶対、お礼なんて言わせない」って、強情張ってる。なんでよ?と私が聞いてみると、「そんなこと言われたら、どんな顔すりゃいいんだ。お礼なんて言われたくない。憎まれてたほうがいい」って。

 あはは、脳内で妄想の会話を繰り広げてしまう私も、相当ガラスの仮面に毒されてますね(笑)

 まあ、そんな脳内会話を交わしつつも、私自身がその場面を見たかったので書き始めたんですが、脳内速水さんは頑固だった(^^; 全然動いてくれないんです。書こうとしても、どの角度から書こうとしても、ぷいって横向いちゃう感じで。

 まあ、そうだろうなあと思いました。

 

 たぶん速水さんは、マヤに対しては素直になれない人で。マヤと下手に真正面から向き合っちゃうと、鋼鉄の仮面がとれちゃうんだろうなあって。その下にある繊細な素顔は、とても傷付きやすくて。とてもじゃないけど、そんな無防備な素顔、さらす勇気なんてないでしょう。

 厳しい仕事の世界を生き抜いてきたのは、その仮面をつけていたからこそだろうし。それをなくしたら、彼はどうなってしまうんだろうって。

 だから速水さんが、お礼を言おうとするマヤちゃんを阻止する場面、しか書けなかったんです。

 でも掲示板にコメントもらって。それを読んでまた、別パターンの二人が浮かびあがってきたんですよね。

 ほら、マヤちゃんて天然じゃないですか。

 速水さんはマヤちゃんを操ることなんて簡単にできるだろうし、マヤちゃんがお礼を言おうとすればそのたびに、それと悟らせず阻止してしまうだろうけど、でもでも、マヤちゃんの天然行動までは察知できないはずだ~と。

 マヤちゃん。活動的な日には、一秒ごとにくるくると考え方が変わるときもあるんじゃないかと思うんです。さしもの速水さんも、その速さにはついていけないはずだ(笑)

 いろんな側面を持ってる子ですからね。

 一日中ぼや~んとしてる日もあれば、めまぐるしくいろんなことを考えてる日もあると思う。

 たとえば、速水さんに嫌味を言われたのを引きずって落ちこんで、ちょっぴり腹を立てて。

 お礼なんて言ってたまるもんですか!と鼻息荒く決意したその一秒後。速水さんの顔見た次の瞬間に、「あ、やっぱり今言おう」って、決意しちゃったりね。それで、熟慮せずにもう、口に出しちゃうの。速水さんがとめる間もなく。

☆「母さんのこと、ありがとうございました。感謝してます」とかね。

 こういう突発的な行動に、速水さんは弱い、と、思う。

 仕事一筋で来た人だから、駆け引きには強いけど、この裏表のない突然の行動に、耐性はないはず。無理もないよね。速水さんの周りにいるのは、みんな腹に一物ある人たちばかりだろうから。

 大都に所属している俳優だったら、普通は、対人間として速水さんに接するというより、やはりそこはいろんな思惑が絡んだ上での関係にならざるをえないと思うんですよ。速水さんはそれを、当然のように受けとめてきただろうし、そんな利害だけで成り立つ関係を、寂しいだなんて思ってはこなかっただろうけど。

 マヤは例外ですね。速水さんを一人の人間として見てる、感じがします。だから行動に駆け引きがない。だからこそ逆に、行動が読めない。

 それで、マヤは素直な子だから、そりゃあ速水さんに対して普段いろいろ思うところはあれど。いざお礼を言う瞬間は、キラキラした純粋な瞳で真っ直ぐ、見上げると思うんですよね。

 そういうのって、普通の人でも戸惑うと思う。

 あんまり汚れのない目で見られると、自分の装飾が途端に、薄汚いものに見えちゃったりとか。普通の人ですらそうなんだから、マヤに惹かれている速水さんにしてみたら、それ以上の衝撃でしょう。

 油断してたところに、至近距離から爆弾が・・・みたいな。

 どんな仮面も、木端微塵にはじけ飛んで。その瞬間。マヤの瞳の前に、丸裸にされてる自分がいる・・・そんな状態ではないかと。

 速水さんはどう反応するでしょう・・・。

 反応、できないな、たぶん(笑)

 ぽかーんと。

 ただ、居心地悪く、マヤにみつめられている状態。

 もうね、落ち着かないね、これは。

 あー、誰かこのムズムズ感をなんとかしてください、的な。

☆な・な・なにが起こったんだ。おかしいじゃないか。

☆きみがおれに・・・か、か、感謝だと?? 

☆そんな目で見るな。どうかしてるぞ。勘違いするなよ。

☆おれはそんな目でみられるような人間じゃない。

 上記のような感じかな~。

 この場面にぴったりの絵は、そうですね~、あの、2011年別冊花とゆめ3月号。

>おれは・・・

>そのとき どうしようもないくらい無防備な表情(かお)をしていたと思う・・・

 あのときの場面を想像すると、ぴったりだと思いました~。仮面が外れた瞬間。

 もしくは、あれですよ。コミックス46巻。紫織さんの用意した部屋で、ダブルベッド見て顔赤らめた瞬間の絵、とか。

 あのときの絵。速水さんは赤面しただけでなく、その羞恥には怒りも含まれていましたよね。

 もしも速水さんが、マヤちゃんにストレートにお礼言われて、日頃自分がかぶってる冷静な仮面を思いがけず引っ剥がされたら、怒りが混じることも、あるかもしれないと思うんですよね~。恥ずかしいからね。本当の自分をみせてしまった照れは、そのまま怒りにつながるかと。

 だからあの場面の絵、あんな感じになるのかなあ~と想像しました。

 羞恥(照れ)と。そこから生まれる怒りの感情と。

 まあ、どちらにしろ、仮面が外れた瞬間はあまりのことに呆然として身動きとれなくて。

 でもその後、猛然と反撃にでるだろうなあ。修理しなくちゃいけない、壊れた仮面。アロンアルファで補修しなくちゃ、歩けなくなってしまう。

 だからマヤを攻撃すると思う。

 自身が受けた衝撃を、絶対悟られまいとするからこその、攻撃。攻撃は最大の防御、ですもんね。

☆(唇の端に皮肉な笑いを浮かべつつ)

☆きみもずいぶんと自信過剰になったもんだな、チビちゃん。

☆おれがきみ個人のために動いたと思ったのか。

☆生憎だな。おれは大都の商品をプロモーションしたにすぎない。

☆だが、礼はありがたくもらっておこう。

☆きみが口先だけでなく、大都に尽くすことを期待しているよ。

 上記のような台詞、もし速水さんが言ったらマヤちゃん凍りつきますね。自分で書いてていうのもなんだけど、これじゃ意地悪すぎるなあ。でも速水さん、言いそうなんだよな。自分を守るために。そうでもしないと、落ち着かないから。崩れた自分を、取り繕えないから。

 それでもし、マヤちゃんがかっとして、なにか言い返したら。

 速水さん、ほっとしそうです。

 あ~やっと、いつもの関係に戻れた。安心安心、みたいな。

 それでマヤはプンスカ怒って帰るんだけど、でも後で振り返って、少しだけ不思議に思ったり。

☆速水さん、お礼言った瞬間に変な顔してた。あれは一体、なんだったんだろう。

☆あんな顔、あたし今まで見たことなかった。

☆笑ってはいないし、怒ってるわけでもなくて・・・あんな速水さん見たことなかった。

☆なぜだろう。あのときの顔がどうしても、忘れられない。

 とかね。そのときの顔覚えていられるのは、速水真澄、一生の不覚だろうな~とか思ってしまいました。マヤに素顔を見られたと思ったら、眠れずに悶々と悩みそうです。

 以上、「もしも春さんが全快していたら」をテーマに、いろいろと語ってみました。 

もしも春さんが全快していたら

 『ガラスの仮面』の中で、速水さんが、マヤのお母さん(春さん)をひそかに保護して療養させていたエピソード。結果的には悲劇になってしまったけれど、もしあのまま、すべてがうまくいっていたら。

 春さんが全快して、マヤと再会して、そのことが大きな話題となって、マヤの知名度も急上昇して。

 今日はその設定で、二次創作してみました。

 以下、単なる想像です。

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(マヤと春の涙の再会が、マスコミで大きく報じられる。それまで何も知らされていなかったマヤは、母親の無事を喜びつつも、事実を隠していた速水にくってかかる)

マヤ☆どうして黙ってたんですか!!

速水☆話したら、きみは冷静に対処できたのか?情緒不安定の新人女優など、現場からすぐに放り出されるぞ。それに病人を興奮させて病状が悪化したらどうする? まずは治療を優先させたおれの判断に、感謝するんだな。

マヤ☆あたし、あなたにそんなこと頼んでません!!

(なんて奴。あなたなんて嫌い嫌い大っきらい。ほんとは宣伝のために母さんのこと隠してたんでしょ。そんなのわかってるんだから。バカバカバカ・・・)

(数日後)

麗☆速水さんがしたこと、冷静に考えてみな。お母さんを医者にみせて、治療して療養させてくれたんだろ? だからお母さんの病気も治ったし、再会も仲直りもできたんじゃないか。あの人は確かに冷血鬼社長だけど、今回のことには、感謝しても罰は当たらないよ。

マヤ☆でも結局は宣伝だったんでしょ。あの人は母さんを利用しただけ。

(ああ・・・でも麗の言うこと、その通りなのかもしれない。たとえ宣伝でも、速水さんが助けてくれなかったら母さんは・・・あたしは二度と会えなかったかもしれない。速水さん・・・この間はあたし、かっとなってずいぶんひどいこと言っちゃったな・・・)

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(社長室にて)

マヤ☆速水さん、あたし、この間はあの・・・・

速水☆なんだ、殊勝な顔して。きみがそんな顔をするなんて珍しいな。雨でも降らなきゃいいが。

マヤ☆・・・(なんでこの人はいつもこうなのっ! 謝りにきたのに、そんな言い方することないでしょ!! ああ、いけない。怒ったんじゃなにしに来たのかわからなくなっちゃう。ちゃんとお礼いって帰らなきゃ)

速水☆言いたいことがあるなら早く言ってくれ。おれも忙しいんだ。きみの相手をする時間は限られてる。

マヤ☆母さんのこと、あり・・

速水☆きみの母親のことだが・・・マスコミのトップニュースになったな。涙の再会に、取材の申し込みが殺到している。水城くんに調整させているが、あとで連絡させる。

マヤ☆あの、あたし今日は・・・

速水☆計算通りだ。いい宣伝になった。これできみの知名度も上がるし、これからはもっと忙しくなるぞ。体調を整えて、これからも大都のためにがんばってくれたまえ。

マヤ☆大都の・・・ため・・・

マヤの顔が、あからさまに曇った。泣きそうになるのを見てとり、速水は一瞬目を逸らせたものの、何事もなかったかのように言葉を続ける。

速水☆きみは大都の大事な女優だからな。大都に所属する限り、そのプロモーションはおれの仕事の内だ。

マヤ☆・・・・・

速水☆さあ、もう帰れ、と言いたいところだが。なにか用事があって来たんだったな? 用件は手短に頼むぞ。

マヤ☆なんでもありません。帰ります。お時間いただいて、すみませんでしたっ!! 

逃げるように駆けだしていく。開け放たれたドアが、ゆっくりと閉まる。一人になった室内。速水は苛ついた様子で、冷めたコーヒーを一気にあおる。

速水☆(あの子が礼を言いに来るとは予想外だった・・・。隠していたのかと責められたときの方が、よほど平静でいられた。礼なんて言われたら、どういう顔をすればいいのか。きみはただ、おれを憎んでいればいいんだ。それでいい)

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帰り道。マヤがしょんぼり歩いている。

マヤ☆あたし、とうとう言えなかった。速水さん意地悪なんだもの。そりゃ、あたしのためじゃなく、宣伝のためにしたことだ、なんてわかってたけど。それでも母さんを助けてくれたのは速水さん。お礼はちゃんと、言いたかったのに・・・。

ううん・・・違うよね。速水さんが意地悪なんじゃなくて、あたしがバカなだけだ。お仕事で忙しいのも本当のことだし、あたしが愚図愚図していたから・・・。

母さんにもよく怒られたっけ。あたし昔からちっとも変わってないんだ。ごめんなさい、速水さん。あたし本当は、すごく・・・感謝してます。母さんを助けてくれて、ありがとうございました。お礼は言えなかったけど、その分あたし、これからがんばっていい女優になります。速水さんに喜んでもらえるような、大都のためになるような女優になりたい。見ていてくださいね・・・。

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 以上、「もしも春さんが全快して、マヤと再会できていたら」の二次創作でした。

 その場合、マヤは速水さんにお礼を言おうとするんだけど、でも速水さんは絶対、それを言わせないだろうなあって、思ったんですよね。その葛藤が想像できたので、思わず文章にしてしまいました。

 憎まれていた方が楽だ・・・というのが、速水さんの気持ちで。だから、マヤのためには手を尽くすけれど、いざお礼を言われそうになると、逃げたり挑発しちゃうの。照れ隠し、というか、怖いんじゃないんですかねえ。自分の好きな少女に、好意をもたれるのが(^^;

 期待してしまうから。

 その好意の先を。そして、一度獲得した信頼を、再び失ってしまうことが心底怖くて。だから、お礼なんて言わせないのね。

 憎まれている状態が快い、というのは。

 自分に自信がないからですね。自分など、愛される資格がないと思ってる。

 そしてまかり間違って愛されてしまえば、いつかその愛を失ったとき、元の状態に戻るだけなのに、一度愛を知った後のその喪失感は、自分を壊してしまうだろうと予想している。

 

 だから予防線をはる、と。

 お礼なんて言わせない。言うのがわかれば、徹底的に妨害するし、マヤにとっては、うるさいやつ、嫌なやつであり続けようとする。その立場に安心する、というか。

 それでね。マヤがちゃんとお礼を言えないよう妨害するの、速水さんにしてみたら、赤子の手をひねるようなもんだと思うんですよ。マヤは単純だし、速水さんの誘導に面白いようにひっかかると思う。そして、そのことに後々まで気付かないだろうなーと。

 あげく、マヤは大反省するわけです(笑)

 速水さんにちゃんとお礼を言えない自分に対して。実は全部、速水さんの策略通りなのに。

 ああ、そういうマヤを想像すると、可愛いなあ。

 春さんの悲劇が、もしなかったら。

 二人の距離はもう少し、近いものになっていたと、そう思います。